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「…ぁ、アメリ…っ」

「ラウル…気持ちいいの?」

「…うっ、うん…だから、アメリ…その、私は、もう…っ」

 切なげな声と懇願するような目で求められ、アメリはぞくりとする。ラウルの言葉を信じるのなら、彼がこのような顔を見せるのは彼女だけだ。アメリは手の内でびくびくと震える彼の陰茎を見つめ、それに与えられる快楽を思い出して小さく頷く。

「そうね」

 アメリはソファから腰を浮かし、ラウルの向かいに移動する。アメリがスカートをたくし上げると、彼は待てないといったように手を伸ばして彼女の下着を脱がせた。

「あ…アメリ…っ」

 ラウルはぎらぎらと目に情欲を宿し、アメリを欲しいとうったえている。その目に見つめられて、彼女は恍惚と息を吐いた。

「ん…っ」

 ラウルの指が秘部に触れ、アメリはスカートの裾を握る指に僅かに力が入る。割れ目をなぞり、溢れた愛液を指に絡ませながら、ラウルは彼女の中へと指を滑り込ませた。

「はあ、ん…っ」

 節くれ立つ指が中を擦り、外の蕾を押し潰す。好いところを擦られ、腰を揺らしながら甘い声を上げる艶めかしいアメリの姿を、ラウルは目をそらさず眺めていた。

(恥ずかしいのに…)

 アメリ自身、大胆なことをしていると自覚がある。恥ずかしいと思いながらも、快楽を覚えた体はそれを欲して止められなかった。

「…あっ…ラウル」

 アメリが名を呼ぶと、ラウルは手を止めて指を引き抜いた。急いで避妊具をつける彼を見下ろしながら、アメリは短く熱い息を吐いてソファに乗り上げる。

(こんなこと、初めて…)

 アメリは欲しくてたまらなくて、自分からけしかけたのはこれが初めてだ。思い返せば、自ら進んで触れたことも、跨ったことも、ラウル相手が初めてだった。

「アメリ、アメリ…っ」

 どうしょうもないほどにアメリが欲しいと顔に書いたラウルは、彼女の腰を掴んで引き寄せる。それに逆らわずに微笑んだアメリは割れ目に先端を押し付けられると、自ら腰を落としてそれを咥えこんだ。

「…あぁ…っ」

 アメリは奥深くまで届き、中を埋め尽くす大きさに恍惚と声を漏らす。ラウルの背に両腕を回し、ぴったりと体を寄せた彼女は欲のままに腰を揺らした。

「あ、ん…っ」

「あっ、…うぅ…っ」

 蕩けた表情で淫らに腰を揺らすアメリを見上げ、ラウルはさらに滾り息を荒くする。もっと深く繋がりたい、もっと彼女の淫らな姿を見たい。ラウルが動きに合わせて腰を揺らして突き上げれば、アメリは甘い声を上げて艶めかしく身をよじった。

「あ、…っ、うぁ、っ…」

 アメリの中がうねり、ラウルは包まれた自身に絡み、締めつけられて、体を襲う強烈な快感に喘ぐ。大きな声を上げそうになったラウルが慌てて片手で口を抑えると、アメリは彼の首筋に顔を埋めて囁いた。

「…ラウル…」

「ぅ…っ」

「…あなたのその声、好きなの…っ、聞きたい…」

「う、…あ、ぁっ」

 ラウルは顔を真っ赤に染め、口元を抑えていた手を離した。彼は単純にもアメリの好きという言葉が嬉しくて、彼女の言葉に素直に従った。

「はぁ…っ」

 ラウルはアメリの腰を掴むと、ぐいぐいと下から腰を押しつけて奥をせめる。アメリがしがみつくように抱きつくと、二人は唇を重ね、舌を絡ませ合いながら、深く口付けあった。

「あ…んんっ」

「うぅっ…あ…っ」

 アメリが絶頂を迎えて体を震わせると、中の震えにラウルも小さく喘ぎながら達した。薄い膜越しに吐精されるのを感じながら、アメリが快楽に惚けていると、繋がったままの彼女を抱き上げる。

「んん…っ」

 そのまま反転し、ソファに寝かされ楔を引き抜かれたアメリは、体を震わせながら小さく声を漏らした。ラウルは彼女の割れ目から愛液があふれるさまを息を荒くして見つめながら、薄い膜を剥ぎ取り再び首をもたげている自身に避妊具を取り付け直した。

(あぁ…すごい…)

 アメリは両脚をだらしなく投げ出しながらラウルを見上げ、その雄々しい男に下腹部を甘く疼かせる。熱を欲して誘うように震える割れ目を見つめて生唾を飲んだラウルは、蕩けた表情で彼を見つめるアメリを見下ろしながら、その脚を大きく開かせた。

「あ…っ」

 開かれた脚の間、秘裂から大きな楔を埋め込まれてアメリは恍惚と息を吐いた。最奥まで届いたそれは息つく暇もなく引かれ、直ぐに最奥に押し付けられる。それを何度も繰り返す遠慮のない激しい抽挿がアメリの中を擦り、奥を突いた。

「ん…うん…っ、あぁ…っ」

「あっ…あ、あ…アメリ…っ」

 アメリが強烈な快感に腰が逃げそうになると、ラウルは名を呼びながら彼女の腰を掴み、その体を貪る。美しい顔を歪ませ喘ぎながらも、目にはぎらぎらとした情欲を浮かべ、逞しい体は抵抗をものともせずアメリを逃さなかった。

「あっ、あっ、ぁ…っ」

 アメリは再び絶頂を迎え、嬌声を上げた。果てを促すように震える中を、ラウルは止まることなく抽挿し続ける。

「ひっ…イってっ、イってるのっ…止ま…っ、っあ、あぁっ」

 痙攣する中をラウルの剛直が擦りあげ、アメリは悲鳴のように喘ぐ。達し続けるアメリの体を貪り、腰を浮かして背を反らした彼女の体を抱きしめると、ラウルは腰を押し付け最奥に自身を擦りつけながら吐精した。

 二人の荒い息が部屋に響く。奥深くまで繋がり、ぴったりと体を寄せ合って快楽を共にし、その高みに昇りつめた二人は惚けた表情で見つめあっていた。

「…っ…はぁ…」

 荒い息を整えると、ラウルはアメリを離して彼女の中から抜け出す。彼は惚けた表情でソファに身を預ける彼女の姿を目に映し、再び首をもたげそうになる自身を必死に抑え込もうとしていた。

「…ラウル」

「えっ、あ、アメリっ」

「私の下着は…?」

「あっ…ご、ごめんっ」

 ラウルは慌てて自分の下着を引き上げ、ズボンも引き上げて服を正すと、床に放り捨てた下着を拾い上げる。ソファから動かないアメリの元に跪くと、そっと脚を持ち上げて下着をあわせた。

(…あ)

 先程まで彼を咥えこんでいたそこはぱっくりと口を開き、とろりと愛液を溢れさせている。ラウルは再び自身に熱が集まるのを感じ、そこを凝視しながら下着の紐を結んでいった。

「…そんなに見ちゃいやよ…」

「うぇっ?!ご、ごめん!」

「…ふふ」

 顔を真っ赤にしたラウルを眺めながら、アメリは小さく笑った。彼女は下着をとってほしかっただけだが、甲斐甲斐しく履かせてもらって少し機嫌が良かった。アメリはスカートをおろして軽く服を正すと、ソファに座り直してラウルを隣に誘う。

「ごめん、アメリ…あんなにするつもりじゃなかったんだ…」

「あんなにって?」

「それは、えっ…その…」

「ラウルが謝ることなんてないでしょう?」

 少し意地悪く首を傾げるアメリに、ラウルの顔は真っ赤だ。しどろもどろに口篭る彼に、アメリは微笑む。

「すごく、よかったもの…」

「…そっ、そうか…!」

 アメリの言葉にラウルはぱっと表情を明るくした。今まで勃たなくなったことで喪失していた男としての自信は蘇り、今、より強固なものとなったようだ。

「これからも、頑張るな…!」

「えっ、…ええ…」

 これからを意気込むラウルに対し、アメリは頬を赤く染めながら頷く。彼女は咄嗟に頑張らなくてもいいと言いそうになったが、それを飲み込んでしまった。

(…だって、あまりにも魅惑的な体…だし…)

 力強い腕に逞しい胸、何よりアメリを最高の快楽に導く雄々しい逸物。魅惑的なそれらに、アメリはすっかり魅了されていた。

(それに…)

 それの魅力もさることながら、アメリはもう一つ魅了されていることがある。

(…この人、なんだか…可愛いのよね。男の人に可愛いなんて…でも、可愛いし…)

 アメリはラウルの素直すぎる反応は勿論のこと、口下手なところすらも可愛く思える程になっていた。
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