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通りすがりの巫女
気絶している間に……
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槿さんがそんな事をしていた?
樒の嘘じゃないのか?
いや……嘘をついているようにも見えない。
「でも、槿さんって、僕には優しかったけど……」
「あの人は、男と女じゃ態度が違うのよ」
「え?」
「男でもいるでしょ。そういう人」
「確かに……」
可愛い女の子には甘くて、男にはやたら冷たい奴っているな。
男は平然と殺すのに、女は敵でも殺さない某小説の主人公なんてのもいるな。
「男というより、優樹の場合ショタだから甘やかされたのよ」
「はあ?」
「気がついてなかったのね。槿さんって、ショタコンなのよ」
「そうなの?」
不意に、樒は幽霊お姉さんの方を向いた。
祓う気か? と、一瞬思ったがそうではない。
「ちょっと、聞きたいのだけど……」
「なあに?」
樒が僕を指さした。
「こいつが気を失っている間に、その二人に何か変な事されていなかった?」
「う! それは……」
お姉さん。なぜ、そこで口ごもって明後日の方を向く? なぜ、樒の耳元で、僕に聞こえないように囁く? 気絶してしいる間に、僕は何かされたのか?
「あの……僕が気絶している間に、何かあったの?」
幽霊お姉さんは、哀れむような視線を僕に向けた。
「坊や。知らない方が幸せよ」
「そんな思わせぶりな言い方されたら、余計気になるでしょ!」
「私はこの事を墓までもっていくつもり……あ! もう肉体は墓の中かもしれないわね。霊界まで持って行くつもりなの」
「僕は降霊術が使えるんです。霊界まで逃げても、呼び戻しますよ」
「しょうがないわね。着いてきて」
幽霊お姉さんの後から、僕達は着いていった。
「優樹。本当に知らない方が幸せよ」
「樒までそんな事言うのか」
「分かった。もう止めない」
幽霊お姉さんは、一つの箪笥を指さす。
「開けてみて」
箪笥の中には、ワンピースとかセーラー服とか、女の子の服がいくつも入っていた。
「お姉さんの、子供の頃の服ですか?」
幽霊お姉さんは、ゆっくりと首を横にふる。
「いいえ。あいつらが持ってきたの。君を誘拐した後、途中の店で買い集めたらしいわ」
確かに、衣料品店きたむらの値札が付いたままの服ばかり。どれも買ったばかりのようだが、どの服も一度は誰かが袖を通している。
誰が?
しかし、このサイズは、槿さんが着るには小さすぎるし、エラでもちょっと小さいかな?
「あいつら、それを君に着せていたの」
「は?」
お姉さん……いったい何を言っているの?
「あいつら、君が気絶している間に、君にその服を着せて写真を撮っていたのよ」
樒の嘘じゃないのか?
いや……嘘をついているようにも見えない。
「でも、槿さんって、僕には優しかったけど……」
「あの人は、男と女じゃ態度が違うのよ」
「え?」
「男でもいるでしょ。そういう人」
「確かに……」
可愛い女の子には甘くて、男にはやたら冷たい奴っているな。
男は平然と殺すのに、女は敵でも殺さない某小説の主人公なんてのもいるな。
「男というより、優樹の場合ショタだから甘やかされたのよ」
「はあ?」
「気がついてなかったのね。槿さんって、ショタコンなのよ」
「そうなの?」
不意に、樒は幽霊お姉さんの方を向いた。
祓う気か? と、一瞬思ったがそうではない。
「ちょっと、聞きたいのだけど……」
「なあに?」
樒が僕を指さした。
「こいつが気を失っている間に、その二人に何か変な事されていなかった?」
「う! それは……」
お姉さん。なぜ、そこで口ごもって明後日の方を向く? なぜ、樒の耳元で、僕に聞こえないように囁く? 気絶してしいる間に、僕は何かされたのか?
「あの……僕が気絶している間に、何かあったの?」
幽霊お姉さんは、哀れむような視線を僕に向けた。
「坊や。知らない方が幸せよ」
「そんな思わせぶりな言い方されたら、余計気になるでしょ!」
「私はこの事を墓までもっていくつもり……あ! もう肉体は墓の中かもしれないわね。霊界まで持って行くつもりなの」
「僕は降霊術が使えるんです。霊界まで逃げても、呼び戻しますよ」
「しょうがないわね。着いてきて」
幽霊お姉さんの後から、僕達は着いていった。
「優樹。本当に知らない方が幸せよ」
「樒までそんな事言うのか」
「分かった。もう止めない」
幽霊お姉さんは、一つの箪笥を指さす。
「開けてみて」
箪笥の中には、ワンピースとかセーラー服とか、女の子の服がいくつも入っていた。
「お姉さんの、子供の頃の服ですか?」
幽霊お姉さんは、ゆっくりと首を横にふる。
「いいえ。あいつらが持ってきたの。君を誘拐した後、途中の店で買い集めたらしいわ」
確かに、衣料品店きたむらの値札が付いたままの服ばかり。どれも買ったばかりのようだが、どの服も一度は誰かが袖を通している。
誰が?
しかし、このサイズは、槿さんが着るには小さすぎるし、エラでもちょっと小さいかな?
「あいつら、それを君に着せていたの」
「は?」
お姉さん……いったい何を言っているの?
「あいつら、君が気絶している間に、君にその服を着せて写真を撮っていたのよ」
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