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第四章

人工知能に感情はあるのか?

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 状況説明に約三分かかった。疲れる。
「なんだ、そうでしたの。そういう事でしたら、私が慰めてさしあげましたのに」

 いや、お前はいい……

 悪夢の中で、お前に襲われたんだから……

 なんて事を口にできない。
 だって、そんな事言ったら、こいつ泣くし……
 こういう状況で泣くようにプログラムされているのだと思うが、最近は本当に感情があるような気がしてくる。
「Pちゃん、一度聞きたかったんだが、データがあるなら答えてくれ」
「なんでしょうか?」
「人工知能に、感情を持たせる事って、成功したの?」
「そ……それは……ですね……」
 ん? なんか口ごもっているぞ?
「人工知能にも二種類あります。プログラマーがゼロから作り出したものと、スキャナーで読み取った人間の記憶を加工したものと。前者に感情を持たせることは成功していません。しかし、後者には元々感情があります」
「君は、どっちなの?」
「私は……後者です」
「じゃあ、君は誰かの記憶を加工したのか? でも、それって人間と変わりないのでは?」
「それに関しては、結論が出ていません」
 だとすると、Pちゃんの感情って本物だったのか? やべえ……今まで、結構傷つく事言っちゃっていたぞ。
「その……すまなかった」
「なぜ、謝られるのですか?」
「その……Pちゃんは、感情があるように振る舞っているだけかと思っていたので……いろいろと酷い事を言ってしまったとか……」
「どうか、その事は気になさらないで下さい。私の感情は、あくまでも人間と上手に接するための機能です。悪影響が出そうなときは、自動的にブレーカーが落ちますから。まあ、たまに意地悪な事を言っちゃうかもしれませんが……」
 時々、ムカつく事言うのは、そのせいか。
「カイト、チョット、オ話、イイ?」
 いけない。エシャーの事を忘れてた。
「そういえば、エシャーはどうしてここに?」
「今朝、ココニ、カイト、見ツケタ。デモ、寝テタカラ、起キルノ、待ッテタ」
「そいつは悪かった。起こしてくれれば、よかったのに」
「起コス、可哀ソウ」
 エシャーは、優しいなあ。
 話を聞いてみると、昨日あたりからエシャーのお父さんが飛べるようになったらしい。
 その時に、近くに落ちていたレッドドラゴンの尻尾……僕が棍棒代わりに殴ったやつ……が落ちていたので、ナーモ族の村まで運んだそうだ。
 ナーモ族は大喜びで、いろんな物と交換してくれたらしい。
 どうやら、レッドドラゴンの肉はナーモ族にとって、珍味だったようだ。
 それで、エシャーはお父さんに言われて、僕におすそ分けを持って来たという。
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