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第十四章

ベイス島攻略会議 2

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「地理的な状況はだいたい把握できたとして、作戦会議に入りたい。まず、戦おうにも敵の戦力が分からない。そこでまず、偵察プランを練ろうと思うがその前にみんなに認識してもらいたい事がある。僕たちの戦闘目的は、レアメタルカートリッジの奪還。それに対して敵の目的はミクの拉致。敵はレアメタルカートリッジで僕たちをおびき寄せた後、戦闘のどさくさに紛れてミクを拉致する事をもくろんでいるものと思われる」

 不意にミクが席から立ち上がった。

「あたし、やはり狙われていたのね。美少女は辛いわ」

 いや、狙われているのは美少女だからではなくて陰陽師だからなのだが……

「そこで攻撃をかけながら、同時にミクを守る事を考える必要がある」

 アーニャが手を上げた。

「常識的に考えるなら、ミクちゃんは《海龍》内から出ないことだわ。式神のコントロールはここからでもできるし。ただ、敵もそれを予想しているはず。ミクちゃんが出てこなければ、私たちにカートリッジとミクちゃんの交換を要求してくる可能性がある。敵には、まだミクちゃんを拉致できる可能性があると思わせながら、カートリッジを奪取するべきと思うけど」

 ミールが手をあげた。

「それでは、あたしがミクちゃんの分身を作って身代わりにするというのはどうでしょう?」

 いい考えだけど、分身体はデジカメで見破られる。

 馬艦長が手をあげた。

「《海龍》にはプリンターもスキャナーもあるわ。即興でアンドロイドを作るというのはどう?」

 それはいい手だな。

「あのう」

 ミーチャがおずおずと手を上げた。

「ミーチャも何か意見があるのか?」
「はい。カートリッジって、地下深くにあるのですよね?」
「そうだけど」
「ドローンってそんなところにあっても、ここからコントロールできるのですか?」

 そんな事に気がつくとは、ここにいる間にミーチャは随分勉強していたようだな。

「それは大丈夫だ。確かにここから直接は無理だが、途中に中継器をおけば問題はない」
「そうですか。それで、あの式神とか分身とかって、ドローンみたいなものですよね。こっちは地下深くでも大丈夫なのですか?」
「それは……」

 ん? どうなのだろう? ドローンは電波などでコントロールしているのだが、式神はどうやっているのだ?

「ミク。地下深くでも式神は問題なく動くのか?」

 ミクは少し考え込んでから答える。

「普通は地下なんて問題ないけどさ、おじいちゃんに聞いた事があるの。地下に潜った式神が突然動かなくなったって記録があるって」
「それは、憑代が破壊されたとかではないのか?」

 ミクは首を横に振る。

「術者が地下に降りると、式神はそこに待機していたって。何かにコントロールを遮られたみたいなの」

 式神のコントロールを遮る? そんな事できるのか?

「カイトさん」

 ミールの方に視線を向けた。

「あたしもお師匠から聞いた事があります。古い遺跡に分身体を入れたら、分身体のコントロールが途切れた事があったって」

 方法は分からないが、式神や分身体のコントロールを遮る手段はあるらしい。

 問題はレムがその手段を持っているかどうか?

 持っていたら、やっかいなことになるな。

「お兄ちゃん。式神って今では科学者の人たちがかなり研究しているからさ、母船に問い合わせれば何か分かるかも」
「よし。これに関しては母船に問い合わせるとして、先に偵察プランを練ろう」
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