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第十四章
偵察隊発進 1
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「練った結果がこれですか」
Pちゃんが不満顔でそう漏らしたのは、会議が終わった夕方頃。《海龍》甲板上で竜笛を吹いているミールの背後でのことだ。
「Pちゃん。この偵察プランに、何か問題があるとでも?」
「いいえ。ベジドラゴンに乗って、ベイス島に偵察に行くというのはいいと思います。それにご主人様が直接行くというのも、まあいいでしょう。ご主人様不在の間は、前回同様アーニャ・マレンコフさんが艦隊の指揮を取るのもいいです。ただ……」
ただ?
「ミールさんも、同行するというのが問題です。未婚の男女を二人切りにするというのは……」
「い……いや、今回はナージャも同行するから、二人切りじゃないし……」
「ご主人様。まさか、ナージャさんに手を出したりはしませんよね?」
「あのなあ……僕がそんな事をするとでも思うか?」
「ご主人様は自分から女性を口説こうとしないで、女性を勘違いさせて惚れさせるのが得意ですから」
「そんな事はしていない」
人聞きの悪い。僕が人の心をもて遊んでいるみたいに……
「自覚されていないのですね」
「なにが?」
「いえ、自覚がないならいいです。しかし、芽依様の話では、ナージャさんは戦闘中に、ご主人様を誘惑しようとしたそうですけど……」
「だから、あれは……ナージャが僕を矢部と間違えて、色仕掛けで誑かそうしたのであって……」
竜笛を吹いていたミールが不意に吹くのを止めて、僕の方を振り向いたのはその時……
今のPちゃんとの会話、聞こえていたか?
「カイトさん。エシャー達が来ましたよ」
ミールが指さす上空では、赤いリボンを付けたベジドラゴンを先頭に、ベジドラゴンの子供たち数頭が逆V字編隊でこっちに向かってきていた。
Pちゃんが不満顔でそう漏らしたのは、会議が終わった夕方頃。《海龍》甲板上で竜笛を吹いているミールの背後でのことだ。
「Pちゃん。この偵察プランに、何か問題があるとでも?」
「いいえ。ベジドラゴンに乗って、ベイス島に偵察に行くというのはいいと思います。それにご主人様が直接行くというのも、まあいいでしょう。ご主人様不在の間は、前回同様アーニャ・マレンコフさんが艦隊の指揮を取るのもいいです。ただ……」
ただ?
「ミールさんも、同行するというのが問題です。未婚の男女を二人切りにするというのは……」
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「なにが?」
「いえ、自覚がないならいいです。しかし、芽依様の話では、ナージャさんは戦闘中に、ご主人様を誘惑しようとしたそうですけど……」
「だから、あれは……ナージャが僕を矢部と間違えて、色仕掛けで誑かそうしたのであって……」
竜笛を吹いていたミールが不意に吹くのを止めて、僕の方を振り向いたのはその時……
今のPちゃんとの会話、聞こえていたか?
「カイトさん。エシャー達が来ましたよ」
ミールが指さす上空では、赤いリボンを付けたベジドラゴンを先頭に、ベジドラゴンの子供たち数頭が逆V字編隊でこっちに向かってきていた。
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