506 / 848
第十三章
かつての仲間7
しおりを挟む
『大丈夫です。こんな見え見えの罠はやりませんよ』
古淵機から送られて来た映像をバイザーの右半分に表示した。左半分は常に古淵の様子を表示している。
一応、ウイルスチェックもしたが問題は無かった。
表示された映像は《アクラ》の甲板上。
帝国兵と分身達が戦っていた。
だが、それはいつものように、一方的ではない。
帝国兵は銃や険ではなく、火炎放射器を武器に使っていたのだ。
『先ほど予想していなかったと言いましたが、僕が予想していなかったのは、もう一隻の潜水艦による待ち伏せです。北村さんの思惑が《アクラ》の拿捕という事は予想していました。その場合、移乗白兵戦に投入するのはナーモ族の分身魔法使いだという事は予想していました』
「確かに《マカロフ》と戦った時はそうしたからな。それで火炎放射器を用意したのか?」
『ええ。カ・モ・ミールさんといいましたね。彼女が分身の憑代に木札を使っているという事は、カルル・エステスからの情報で分かっています。ならば、火炎放射器が有効と思って用意しました』
ミールの憑代も耐熱素材に変えた方が良さそうだな。
火炎放射器を持っている帝国兵は三人。
三人は船内入り口前に陣取り火炎放射器を構え、分身達と対峙していた。
今のところ、降着状態になっているが……
突然、分身達の上を何かが飛び越えた。
キラの分身体!
帝国兵が火炎放射を浴びせるが、キラの分身体は憑代にチタニウム合金の短剣を使っている。火炎放射器の炎など効果はない。
一度は炎に中に包まれたキラの分身体は、口裂け女状態になって帝国兵の一人に飛びかかり、首に噛みついた。
血飛沫をまき散らしながら、帝国兵は倒れる。
『あの女の子は、キラ・ガルキナと言いましたね。かつてはエラ・アレンスキーの部下だったという。彼女の憑代は短剣だと聞いています。おそらく、あなたの事だから、チタニウムかタングステンで複製を作ったのでしょう。だから、火炎放射器は効果がない。しかし……』
残り二人の帝国兵が、仲間の死体ごとキラに火炎を浴びせるがまったく効果がない。
キラが反撃に出ようとしたその時、不意に船内出入り口の扉が開く。
出てきたのは……エラ!
古淵機から送られて来た映像をバイザーの右半分に表示した。左半分は常に古淵の様子を表示している。
一応、ウイルスチェックもしたが問題は無かった。
表示された映像は《アクラ》の甲板上。
帝国兵と分身達が戦っていた。
だが、それはいつものように、一方的ではない。
帝国兵は銃や険ではなく、火炎放射器を武器に使っていたのだ。
『先ほど予想していなかったと言いましたが、僕が予想していなかったのは、もう一隻の潜水艦による待ち伏せです。北村さんの思惑が《アクラ》の拿捕という事は予想していました。その場合、移乗白兵戦に投入するのはナーモ族の分身魔法使いだという事は予想していました』
「確かに《マカロフ》と戦った時はそうしたからな。それで火炎放射器を用意したのか?」
『ええ。カ・モ・ミールさんといいましたね。彼女が分身の憑代に木札を使っているという事は、カルル・エステスからの情報で分かっています。ならば、火炎放射器が有効と思って用意しました』
ミールの憑代も耐熱素材に変えた方が良さそうだな。
火炎放射器を持っている帝国兵は三人。
三人は船内入り口前に陣取り火炎放射器を構え、分身達と対峙していた。
今のところ、降着状態になっているが……
突然、分身達の上を何かが飛び越えた。
キラの分身体!
帝国兵が火炎放射を浴びせるが、キラの分身体は憑代にチタニウム合金の短剣を使っている。火炎放射器の炎など効果はない。
一度は炎に中に包まれたキラの分身体は、口裂け女状態になって帝国兵の一人に飛びかかり、首に噛みついた。
血飛沫をまき散らしながら、帝国兵は倒れる。
『あの女の子は、キラ・ガルキナと言いましたね。かつてはエラ・アレンスキーの部下だったという。彼女の憑代は短剣だと聞いています。おそらく、あなたの事だから、チタニウムかタングステンで複製を作ったのでしょう。だから、火炎放射器は効果がない。しかし……』
残り二人の帝国兵が、仲間の死体ごとキラに火炎を浴びせるがまったく効果がない。
キラが反撃に出ようとしたその時、不意に船内出入り口の扉が開く。
出てきたのは……エラ!
0
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
いつだって二番目。こんな自分とさよならします!
椿蛍
恋愛
小説『二番目の姫』の中に転生した私。
ヒロインは第二王女として生まれ、いつも脇役の二番目にされてしまう運命にある。
ヒロインは婚約者から嫌われ、両親からは差別され、周囲も冷たい。
嫉妬したヒロインは暴走し、ラストは『お姉様……。私を救ってくれてありがとう』ガクッ……で終わるお話だ。
そんなヒロインはちょっとね……って、私が転生したのは二番目の姫!?
小説どおり、私はいつも『二番目』扱い。
いつも第一王女の姉が優先される日々。
そして、待ち受ける死。
――この運命、私は変えられるの?
※表紙イラストは作成者様からお借りしてます。

Night Sky
九十九光
SF
20XX年、世界人口の96%が超能力ユニゾンを持っている世界。この物語は、一人の少年が、笑顔、幸せを追求する物語。すべてのボカロPに感謝。モバスペBOOKとの二重投稿。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる