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第十二章
Pちゃんの隠された機能
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ガシャ!
少年の頭に二本の角が出た。
いや、角じゃない。これはPちゃんと同じくアンテナだ。
という事は、この少年はアンドロイド?
そうか! このアンドロイドは……
「レイホー。このアンドロイドは、ロンロンの端末なのかい?」
「そうね。だから、この子はロンロンと呼んで」
ロンロンは岡持ちを手にして、《海龍》へ渡って来た。
「皆さん。お待たせしました」
ロンロンは手際よくテーブルに蒸篭を並べていく。
「ロンロン様。お手伝いします」
そう言って、Pちゃんがお茶の用意を始めた。
「P様。助かります」
ミクは目を皿の様にしてロンロンを見つめていた。
「へえ! アンドロイドだったのね。でも、前回《マカロフ》攻撃に行った時は、なんで出てこなかったの?」
ロンロンはミクの方を向いた。
「あの時は、この人型筐体は修理中でした。《水龍》本体の修理を優先していましたもので」
「そうなんだ。それにしても、白龍君にそっくりね」
「楊 美雨様の希望により、章 白龍の少年時代の姿を模して造られました。もっとも、モデルにされた章 白龍本人は嫌そうでしたが……」
だろうね……それにしても……
「芽衣ちゃん。ちょっと聞きたいのだが」
「何でしょう? 北村さん」
「なんでPちゃんの姿は、香子に似せなかったの?」
「それは、最初は香子さんに似せようとしたのですが、電脳空間の香子さんが嫌がりまして」
「なんで?」
「実は、ですね……」
ん? どうしたのだ? 芽衣ちゃんが真っ赤に……
「P0371は、私がすべて作ったわけではなく、市販品のアンドロイドを改造したのですが……」
「そうなの? それが何か問題でも?」
「そのベースとなった市販品のアンドロイドは……性欲処理機能がありまして……」
「へ……?」
性欲処理機能……!
「香子さんは、そんなロボットに自分の顔を付けないでほしいと……」
「ち……違うぞ! 芽衣ちゃん! 僕は使っていない! そんな機能は使っていない」
「分かっています。使っていたら、記録に残りますし……」
残るのか? 危なかった……
「しかし、芽衣ちゃん。なんでそんなアンドロイドを……」
「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! 私も知らなかったのです。ただ、『一人で旅をする男性の世話をするアンドロイド』で検索してヒットしたアンドロイドを選んだのです。家事全般ができて、簡単な医療行為もできる優秀なアンドロイドで爆発的に売れたというので……だけど、後で調べたら、爆発的に売れた本当の理由は……そっちの機能が原因だったようです」
確かに、エロ機能があった方が売れるからな。
「だけど、Pちゃんは、自分にそんな機能があることは説明しなかったぞ」
「P0371はおそらく『身の回りのお世話をする』と説明したと思いますが違いますか?」
「ああ。そんなふうに言っていたと思う」
「『身の回りのお世話』の中に、性欲処理も含まれていたのです。ところで、北村さん。知っていたら、使いましたか?」
「つ……使わん! 絶対に使わないぞ」
使いたいけど、使わないぞ! 使ったら、人として何かが終わるような気がする。
「ご主人様」
「わあ! 使わないぞ!」
背後から声をかけてきたPちゃんに思わず叫んでしまった。
「はあ? 何を使わないのですか?」
「いや……なんでもないんだ。で、なに?」
「飲茶の支度が整いました。テーブルへどうぞ」
テーブルを見ると、僕と芽衣ちゃん以外、全員席についていた。
僕もミールとミーチャの間に空いていた席に腰掛ける。
それは良いけど……
「Pちゃん」
「なんでしょう? ご主人様」
「フォークを用意してくれないか。ミーチャとキラの分」
キラを見ると、箸を握りしめて蒸篭の中の饅頭に突き刺そうとしている。ミーチャにいたっては、箸をどう使っていいのか分からないで困惑していた。
「ミールは……大丈夫のようだね」
「何がですか?」
ミールは器用に箸を使って饅頭を掴んでいる。
しかし、ミールの学習能力は凄いな。僕と旅をしている間に、通信機や翻訳ディバイス、銃だけでなく、箸まで使えるようになってしまった。
最近じゃ、片言の日本語も分かるし……本人が言うにはベジドラゴンのエシャーにできて、ナーモ族の自分にできないはずがないとか言っていたが、ナーモ族の中でもミールの学習能力はズバ抜けているようだ。
僕の時代の日本に生まれていたら、東大合格間違えなしの天才だったのかも……
「カイトさん。どうかしましたか?」
「え?」
「あたしの方をジッと見て」
「え? いや……ミールが可愛いから……見とれて……」
「まあ! カイトさんたら」
ミールは少し赤面して微笑んだ。
か……可愛い!
「ご主人様」
突然、Pちゃんが僕とミールの間に顔を割り込ませる。虫よけプログラムか……何とかならないかな……
「Pちゃん、あのさあ……」
「ご主人様、誤解しないで下さい。これは決して、ご主人様とミールさんが良い雰囲気になったのを、邪魔しようとしているわけではありませんので」
いや、どう見ても、邪魔しているだろう。
「Pちゃん! 違うと言うなら、あたしとカイトさんの間から、さっさと顔をどけなさい!」
「そうは行きません。緊急事態ですので」
緊急事態?
少年の頭に二本の角が出た。
いや、角じゃない。これはPちゃんと同じくアンテナだ。
という事は、この少年はアンドロイド?
そうか! このアンドロイドは……
「レイホー。このアンドロイドは、ロンロンの端末なのかい?」
「そうね。だから、この子はロンロンと呼んで」
ロンロンは岡持ちを手にして、《海龍》へ渡って来た。
「皆さん。お待たせしました」
ロンロンは手際よくテーブルに蒸篭を並べていく。
「ロンロン様。お手伝いします」
そう言って、Pちゃんがお茶の用意を始めた。
「P様。助かります」
ミクは目を皿の様にしてロンロンを見つめていた。
「へえ! アンドロイドだったのね。でも、前回《マカロフ》攻撃に行った時は、なんで出てこなかったの?」
ロンロンはミクの方を向いた。
「あの時は、この人型筐体は修理中でした。《水龍》本体の修理を優先していましたもので」
「そうなんだ。それにしても、白龍君にそっくりね」
「楊 美雨様の希望により、章 白龍の少年時代の姿を模して造られました。もっとも、モデルにされた章 白龍本人は嫌そうでしたが……」
だろうね……それにしても……
「芽衣ちゃん。ちょっと聞きたいのだが」
「何でしょう? 北村さん」
「なんでPちゃんの姿は、香子に似せなかったの?」
「それは、最初は香子さんに似せようとしたのですが、電脳空間の香子さんが嫌がりまして」
「なんで?」
「実は、ですね……」
ん? どうしたのだ? 芽衣ちゃんが真っ赤に……
「P0371は、私がすべて作ったわけではなく、市販品のアンドロイドを改造したのですが……」
「そうなの? それが何か問題でも?」
「そのベースとなった市販品のアンドロイドは……性欲処理機能がありまして……」
「へ……?」
性欲処理機能……!
「香子さんは、そんなロボットに自分の顔を付けないでほしいと……」
「ち……違うぞ! 芽衣ちゃん! 僕は使っていない! そんな機能は使っていない」
「分かっています。使っていたら、記録に残りますし……」
残るのか? 危なかった……
「しかし、芽衣ちゃん。なんでそんなアンドロイドを……」
「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! 私も知らなかったのです。ただ、『一人で旅をする男性の世話をするアンドロイド』で検索してヒットしたアンドロイドを選んだのです。家事全般ができて、簡単な医療行為もできる優秀なアンドロイドで爆発的に売れたというので……だけど、後で調べたら、爆発的に売れた本当の理由は……そっちの機能が原因だったようです」
確かに、エロ機能があった方が売れるからな。
「だけど、Pちゃんは、自分にそんな機能があることは説明しなかったぞ」
「P0371はおそらく『身の回りのお世話をする』と説明したと思いますが違いますか?」
「ああ。そんなふうに言っていたと思う」
「『身の回りのお世話』の中に、性欲処理も含まれていたのです。ところで、北村さん。知っていたら、使いましたか?」
「つ……使わん! 絶対に使わないぞ」
使いたいけど、使わないぞ! 使ったら、人として何かが終わるような気がする。
「ご主人様」
「わあ! 使わないぞ!」
背後から声をかけてきたPちゃんに思わず叫んでしまった。
「はあ? 何を使わないのですか?」
「いや……なんでもないんだ。で、なに?」
「飲茶の支度が整いました。テーブルへどうぞ」
テーブルを見ると、僕と芽衣ちゃん以外、全員席についていた。
僕もミールとミーチャの間に空いていた席に腰掛ける。
それは良いけど……
「Pちゃん」
「なんでしょう? ご主人様」
「フォークを用意してくれないか。ミーチャとキラの分」
キラを見ると、箸を握りしめて蒸篭の中の饅頭に突き刺そうとしている。ミーチャにいたっては、箸をどう使っていいのか分からないで困惑していた。
「ミールは……大丈夫のようだね」
「何がですか?」
ミールは器用に箸を使って饅頭を掴んでいる。
しかし、ミールの学習能力は凄いな。僕と旅をしている間に、通信機や翻訳ディバイス、銃だけでなく、箸まで使えるようになってしまった。
最近じゃ、片言の日本語も分かるし……本人が言うにはベジドラゴンのエシャーにできて、ナーモ族の自分にできないはずがないとか言っていたが、ナーモ族の中でもミールの学習能力はズバ抜けているようだ。
僕の時代の日本に生まれていたら、東大合格間違えなしの天才だったのかも……
「カイトさん。どうかしましたか?」
「え?」
「あたしの方をジッと見て」
「え? いや……ミールが可愛いから……見とれて……」
「まあ! カイトさんたら」
ミールは少し赤面して微笑んだ。
か……可愛い!
「ご主人様」
突然、Pちゃんが僕とミールの間に顔を割り込ませる。虫よけプログラムか……何とかならないかな……
「Pちゃん、あのさあ……」
「ご主人様、誤解しないで下さい。これは決して、ご主人様とミールさんが良い雰囲気になったのを、邪魔しようとしているわけではありませんので」
いや、どう見ても、邪魔しているだろう。
「Pちゃん! 違うと言うなら、あたしとカイトさんの間から、さっさと顔をどけなさい!」
「そうは行きません。緊急事態ですので」
緊急事態?
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