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第十二章
どうやって取り戻すか?
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「それで、どうやって取り戻すのです? ご主人様」
僕の話を聞いたPちゃんがそう言ったのは、章 白龍が再び眠りについてから半日後、シェルター内のラウンジでの事。
室内にはPちゃんの他に、ミールとキラ、芽衣ちゃんがいて、僕とミクの話を聞いていた。
「それをこれから考える」
それを聞いて、ミールは不安そうな表情を浮かべた。
「カイトさん。帝国領は広いですよ。そのどこにあるか分からないカートリッジを探すのは……」
「ミール。まったく当てがないわけじゃないんだ」
「何か、心当たりがあるのですか?」
「ああ。先日の戦いで敵はプリンターを持っていただろう。当然カートリッジも持っているはず」
「でも、もう逃げてしまいましたよ」
「まだ、そんなに遠くへは逃げていないと思うんだ。プリンターがあるのはおそらく、成瀬真須美が乗っている小型の装甲艦。ドローンからの映像だとかなり小さな船だがプリンターは乗せられる」
Pちゃんが口を挟んできた。
「しかしご主人様。あの船はかなりの速度が出ますよ。もう遠くを逃げてしまったかと」
「そうかもしれない。でも、帝国軍は木造帆船もいっぱいある。それを見捨てて逃げただろうか? 一緒に行動しているとなると、まだそんなに遠くへは行ってはいないと思うんだ」
「なるほど、しかし捕まえたとしても、肝心のレアメタルカートリッジがあるか分かりませんよ」
「それは捕まえてから、確認すればいい。だから、Pちゃんにはこれから《イサナ》に連絡をして衛星軌道から成瀬真須美の船を探すように要請してほしい」
「了解しました。ご主人様の命令とあらば……」
僕はミールの方を向いた。
「ミールにも頼みたい事があるんだ」
「なんでしょう?」
「ダサエフの分身を作って欲しい。あいつは以前、マテリアルカートリッジにかなり強い関心を示していた。独自に情報を集めていたかもしれない」
「わっかりました」
続いて僕は、キラに顔を向けた。
「キラにも頼みたい事がある」
「何だろう?」
「帝国軍人の捕虜達から、マテリアルカーリッジに付いて何か知らないか聞き出してくれないかな」
ん? キラの顔が引きつった。
「あ……あまり、無理難題を言わないで欲しい」
「無理難題?」
「私は、人との会話が苦手なんだ!」
そうか。キラもコミュ障なんだな……
「しょうがない。それはミーチャに頼むか」
「待ってくれ!」
「どうした? キラ」
「で……では、私とミーチャと二人でやるという事で……いいかな?」
「やってくれるなら、別にかまわないけど……」
ミールに聞こえないように、そっとキラに耳打ちした。
「修行中は恋愛禁止って、ミールに言われているんじゃないのか?」
「恋愛? 私は恋愛などしていないぞ」
「じゃあ、ミーチャに恋をしているわけではないのだな?」
キラは、暫し呆気にとられたような顔をしていた。
「違う。私はミーチャを弟のように可愛いと思っているだけで……」
「じゃあ、なんでサーシャさんと仲良くしていたら、邪魔したんだ?」
「いや……あれは、ミーチャが他の女と仲良くしている姿を見ていたら、胸がきゅっと締め付けられるように痛くなったのであって……恋というものでは……」
だから、それが恋だって……
とりあえず、捕虜からの情報収集はキラとミーチャに頼むことにした。
情報収集はそれでいいとして、問題は成瀬真須美を追いかける手段だな。
潜水艦《水龍》で追いかけるのはいいとして、あの船ではロボットスーツの着脱装置一台積むのがやっとだ。
向こうの船には九九式ロボットスーツが二機ある。
こっちも僕と芽衣ちゃんの二人がかりで戦わないと不利だ。
矢部は前回、あっさりと手を引いたけど、あれは僕を誘導するための演技。
本気で戦ったら、かなり手強いだろうな。
ロボットスーツ二機を積み込むために《水龍》を改造するか? 新しい船をプリンターで作るか?
そんな事を考えながら、僕は地下の港へと繋がる通路を歩いていた。
「潜水艦がもう一隻あれば……」
呟きながら、扉を抜けて地下の港に入ると、プールには二隻の潜水艦が浮いていた。
「え?」
僕の話を聞いたPちゃんがそう言ったのは、章 白龍が再び眠りについてから半日後、シェルター内のラウンジでの事。
室内にはPちゃんの他に、ミールとキラ、芽衣ちゃんがいて、僕とミクの話を聞いていた。
「それをこれから考える」
それを聞いて、ミールは不安そうな表情を浮かべた。
「カイトさん。帝国領は広いですよ。そのどこにあるか分からないカートリッジを探すのは……」
「ミール。まったく当てがないわけじゃないんだ」
「何か、心当たりがあるのですか?」
「ああ。先日の戦いで敵はプリンターを持っていただろう。当然カートリッジも持っているはず」
「でも、もう逃げてしまいましたよ」
「まだ、そんなに遠くへは逃げていないと思うんだ。プリンターがあるのはおそらく、成瀬真須美が乗っている小型の装甲艦。ドローンからの映像だとかなり小さな船だがプリンターは乗せられる」
Pちゃんが口を挟んできた。
「しかしご主人様。あの船はかなりの速度が出ますよ。もう遠くを逃げてしまったかと」
「そうかもしれない。でも、帝国軍は木造帆船もいっぱいある。それを見捨てて逃げただろうか? 一緒に行動しているとなると、まだそんなに遠くへは行ってはいないと思うんだ」
「なるほど、しかし捕まえたとしても、肝心のレアメタルカートリッジがあるか分かりませんよ」
「それは捕まえてから、確認すればいい。だから、Pちゃんにはこれから《イサナ》に連絡をして衛星軌道から成瀬真須美の船を探すように要請してほしい」
「了解しました。ご主人様の命令とあらば……」
僕はミールの方を向いた。
「ミールにも頼みたい事があるんだ」
「なんでしょう?」
「ダサエフの分身を作って欲しい。あいつは以前、マテリアルカートリッジにかなり強い関心を示していた。独自に情報を集めていたかもしれない」
「わっかりました」
続いて僕は、キラに顔を向けた。
「キラにも頼みたい事がある」
「何だろう?」
「帝国軍人の捕虜達から、マテリアルカーリッジに付いて何か知らないか聞き出してくれないかな」
ん? キラの顔が引きつった。
「あ……あまり、無理難題を言わないで欲しい」
「無理難題?」
「私は、人との会話が苦手なんだ!」
そうか。キラもコミュ障なんだな……
「しょうがない。それはミーチャに頼むか」
「待ってくれ!」
「どうした? キラ」
「で……では、私とミーチャと二人でやるという事で……いいかな?」
「やってくれるなら、別にかまわないけど……」
ミールに聞こえないように、そっとキラに耳打ちした。
「修行中は恋愛禁止って、ミールに言われているんじゃないのか?」
「恋愛? 私は恋愛などしていないぞ」
「じゃあ、ミーチャに恋をしているわけではないのだな?」
キラは、暫し呆気にとられたような顔をしていた。
「違う。私はミーチャを弟のように可愛いと思っているだけで……」
「じゃあ、なんでサーシャさんと仲良くしていたら、邪魔したんだ?」
「いや……あれは、ミーチャが他の女と仲良くしている姿を見ていたら、胸がきゅっと締め付けられるように痛くなったのであって……恋というものでは……」
だから、それが恋だって……
とりあえず、捕虜からの情報収集はキラとミーチャに頼むことにした。
情報収集はそれでいいとして、問題は成瀬真須美を追いかける手段だな。
潜水艦《水龍》で追いかけるのはいいとして、あの船ではロボットスーツの着脱装置一台積むのがやっとだ。
向こうの船には九九式ロボットスーツが二機ある。
こっちも僕と芽衣ちゃんの二人がかりで戦わないと不利だ。
矢部は前回、あっさりと手を引いたけど、あれは僕を誘導するための演技。
本気で戦ったら、かなり手強いだろうな。
ロボットスーツ二機を積み込むために《水龍》を改造するか? 新しい船をプリンターで作るか?
そんな事を考えながら、僕は地下の港へと繋がる通路を歩いていた。
「潜水艦がもう一隻あれば……」
呟きながら、扉を抜けて地下の港に入ると、プールには二隻の潜水艦が浮いていた。
「え?」
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