13 / 30
11 反省してくれますよね?
しおりを挟む
「綺麗事を言ってるが、君だって同じなんだろう!? 僕とどうにかなりたいっていう甘い気持ちがあるに決まってる!」
「そんな訳ないでしょう!」
覆いかぶさろうとしてきたフレイ様のお腹に思い切り、蹴りを入れたあと、上半身を起き上がらせ、握りしめていた拳の中の魔道具に魔力を流す。
すると、ビビビ、とけたたましい音が部屋中に響き渡り、あまりの音の大きさに驚いて、魔力を流す事を止めた。
「な、なんの音だよ!?」
「恐怖に陥ると大きな声を出そうと思っても出せません。ですから、魔力を流すと大きな音が鳴り、その音で周りに異常を知らせるという、女性の間で流行っている魔道具ですよ」
耳を塞ぎながら叫ぶフレイ様に答えてから、扉の方に向かって声を上げる。
「ラルフ様! ケイン様!」
名を呼ぶとすぐに、扉が二人によって蹴り開けられ、吹っ飛んだ扉が、ばたりと床に落ちました。
鍵の意味がありませんね。
「リノア!」
「リノア様!」
今の状況は、私とフレイ様は彼のベッドの上にいる状態です。
まあ、フレイ様はお腹をおさえて、うずくまっておられますが…。
靴のヒールが思い切り、お腹にめりこんでしまったのかも。
内蔵に支障が出たら大変ですし、後で回復薬をお渡ししなくては!
それにしてもこの状態、普通なら不貞を怪しまれてもおかしくない状態ですが、ラルフ様なら私を信じてくださるはず。
「兄さん! 彼女が僕を誘惑してきたんです!」
「ふざけた事を言わないで下さい! ラルフ様、お聞きください! この方は今まで、ラルフ様のお見合い相手の女性に対し」
「やめろ!」
フレイ様がうずくまっていた身体を起こし、私の頬を叩きました。
「何するんですか!」
「リノア様になんてことを!」
食ってかかる私と怒るケイン様の叫び声と同時、ラルフ様がフレイ様の襟首をつかむと、片手で彼の身体を持ち上げたあと、そのままベッドに叩き落としました。
ベッドの上ですから、衝撃はまだマシでしょうけれど、床に叩きつけられていたら骨が折れていたかもしれません。
「リノア、大丈夫か」
「大丈夫です」
ラルフ様はフレイ様から手をはなすと、頬をおさえていた私の手の上から、自分の手を当てられ、今にも泣き出しそうな顔をされました。
頬がじんじんするのは確かですが、ここは笑わないといけない気がします。
もし、怒ったり泣き出したりしたなら、ラルフ様がフレイ様に何をするかわかりません。
兄弟なのですし、手加減はされるかもしれませんが、ラルフ様は、国境で何かあった際には戦場に出られますので、とても鍛えておられます。
ですから、そんなラルフ様に殴られたりしたら、普通の人よりも華奢なフレイ様は軽いケガでは済まないはず。
そう思って微笑んだあと、フレイ様に向かって言う。
「フレイ様、あなたは嫁入り前の令嬢が他の男性に手を出されたら、きずものだとおっしゃいましたが、そんな事はありません! 抵抗しても多くの女性は力では男性に勝てません! 大体、手を出したのはあなたです!」
「…フレイ、どういう事だ」
私の頬に手をあてたまま、ラルフ様はフレイ様の方に顔を向けられましたが、そういう事に鈍い私でもわかるくらいの殺気を出しておられます。
自分の弟がそんな事をしていた事に気付かなかった、自分への怒りもあるのかもしれません。
「兄さん、誤解です!」
「何が誤解だ。リノアの頬を叩いた所はこの目で見たぞ」
ラルフ様が私の頬から手をはなし、起き上がろうとしていたフレイ様の首をつかんで、彼の顔をシーツの上に押し当てました。
止めるべきか迷っていると、ケイン様が私に手を差し出して言います。
「リノア様、頬の手当をしましょう。腫れたりしたら大変です」
「ですが、ラルフ様を置いては行けません」
視線を向けると、私の足元でフレイ様は寝転んだ状態で、ラルフ様におさえつけられたままです。
「正直に話せ。リノアに何をしようとした?」
「ぼ、僕は兄さんを狙う虫を駆除したかっただけです!」
「何をしようとしたかを聞いてるんだ!」
「兄さん! どうして怒るんです!」
「俺が言わないとわからないのか!」
ラルフ様は怒りをおさえておられるようですが、フレイ様は首を絞められた痛みで悲鳴をあげられました。
このままにしておくと、ラルフ様がフレイ様を…なんて事になったら、彼の評判がもっと悪くなってしまいます。
ただ、フレイ様は、ちゃんと反省してくれますよね?
この件につきましては、死ななきゃなおらないでは困ります!
「そんな訳ないでしょう!」
覆いかぶさろうとしてきたフレイ様のお腹に思い切り、蹴りを入れたあと、上半身を起き上がらせ、握りしめていた拳の中の魔道具に魔力を流す。
すると、ビビビ、とけたたましい音が部屋中に響き渡り、あまりの音の大きさに驚いて、魔力を流す事を止めた。
「な、なんの音だよ!?」
「恐怖に陥ると大きな声を出そうと思っても出せません。ですから、魔力を流すと大きな音が鳴り、その音で周りに異常を知らせるという、女性の間で流行っている魔道具ですよ」
耳を塞ぎながら叫ぶフレイ様に答えてから、扉の方に向かって声を上げる。
「ラルフ様! ケイン様!」
名を呼ぶとすぐに、扉が二人によって蹴り開けられ、吹っ飛んだ扉が、ばたりと床に落ちました。
鍵の意味がありませんね。
「リノア!」
「リノア様!」
今の状況は、私とフレイ様は彼のベッドの上にいる状態です。
まあ、フレイ様はお腹をおさえて、うずくまっておられますが…。
靴のヒールが思い切り、お腹にめりこんでしまったのかも。
内蔵に支障が出たら大変ですし、後で回復薬をお渡ししなくては!
それにしてもこの状態、普通なら不貞を怪しまれてもおかしくない状態ですが、ラルフ様なら私を信じてくださるはず。
「兄さん! 彼女が僕を誘惑してきたんです!」
「ふざけた事を言わないで下さい! ラルフ様、お聞きください! この方は今まで、ラルフ様のお見合い相手の女性に対し」
「やめろ!」
フレイ様がうずくまっていた身体を起こし、私の頬を叩きました。
「何するんですか!」
「リノア様になんてことを!」
食ってかかる私と怒るケイン様の叫び声と同時、ラルフ様がフレイ様の襟首をつかむと、片手で彼の身体を持ち上げたあと、そのままベッドに叩き落としました。
ベッドの上ですから、衝撃はまだマシでしょうけれど、床に叩きつけられていたら骨が折れていたかもしれません。
「リノア、大丈夫か」
「大丈夫です」
ラルフ様はフレイ様から手をはなすと、頬をおさえていた私の手の上から、自分の手を当てられ、今にも泣き出しそうな顔をされました。
頬がじんじんするのは確かですが、ここは笑わないといけない気がします。
もし、怒ったり泣き出したりしたなら、ラルフ様がフレイ様に何をするかわかりません。
兄弟なのですし、手加減はされるかもしれませんが、ラルフ様は、国境で何かあった際には戦場に出られますので、とても鍛えておられます。
ですから、そんなラルフ様に殴られたりしたら、普通の人よりも華奢なフレイ様は軽いケガでは済まないはず。
そう思って微笑んだあと、フレイ様に向かって言う。
「フレイ様、あなたは嫁入り前の令嬢が他の男性に手を出されたら、きずものだとおっしゃいましたが、そんな事はありません! 抵抗しても多くの女性は力では男性に勝てません! 大体、手を出したのはあなたです!」
「…フレイ、どういう事だ」
私の頬に手をあてたまま、ラルフ様はフレイ様の方に顔を向けられましたが、そういう事に鈍い私でもわかるくらいの殺気を出しておられます。
自分の弟がそんな事をしていた事に気付かなかった、自分への怒りもあるのかもしれません。
「兄さん、誤解です!」
「何が誤解だ。リノアの頬を叩いた所はこの目で見たぞ」
ラルフ様が私の頬から手をはなし、起き上がろうとしていたフレイ様の首をつかんで、彼の顔をシーツの上に押し当てました。
止めるべきか迷っていると、ケイン様が私に手を差し出して言います。
「リノア様、頬の手当をしましょう。腫れたりしたら大変です」
「ですが、ラルフ様を置いては行けません」
視線を向けると、私の足元でフレイ様は寝転んだ状態で、ラルフ様におさえつけられたままです。
「正直に話せ。リノアに何をしようとした?」
「ぼ、僕は兄さんを狙う虫を駆除したかっただけです!」
「何をしようとしたかを聞いてるんだ!」
「兄さん! どうして怒るんです!」
「俺が言わないとわからないのか!」
ラルフ様は怒りをおさえておられるようですが、フレイ様は首を絞められた痛みで悲鳴をあげられました。
このままにしておくと、ラルフ様がフレイ様を…なんて事になったら、彼の評判がもっと悪くなってしまいます。
ただ、フレイ様は、ちゃんと反省してくれますよね?
この件につきましては、死ななきゃなおらないでは困ります!
136
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。
クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。
そんなある日クラスに転校生が入って来た。
幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。
誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。
更新不定期です。
よろしくお願いします。
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください
迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。
アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。
断るに断れない状況での婚姻の申し込み。
仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。
優しい人。
貞節と名高い人。
一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。
細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。
私も愛しております。
そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。
「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」
そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。
優しかったアナタは幻ですか?
どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる