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第参章 陰キャの心、熱を出す

2節目 束縛系女子の被害者

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何故、こういう状況になってしまったのか…。

俺は、高野 心。まだまだ現役の中学3年生だぜ。
俺の親友であり、ライバル的存在でもある友桜 空舞の家に来ていた。
ちなみにその姉の友桜 空音さんとも仲が良かった。
ある日、クウマから突然電話が来たんだ。
『お姉ちゃんが!き、消えたんだ!お願い信じてくれ!』と泣き叫びながら言ってきた。クウマが泣き叫ぶのはあの日以来だけど。
とりあえず俺は「おい、落ち着けって…。」と宥めようとしたけど、クウマは落ち着いてくれなかった。
それで、クウマの家に急いで行った。
クウマんちの玄関で出迎えてくれたクウマの妹、優夏ユウカに事情を聞くと、になったそうだ。
(か、神?そんなふざけたこと…。)
クウマの姉、ソラネさんはとても真面目だった。もう真面目通り越して感情を手に入れたロボットのような女の子だった。
いつも成績優秀の優等生。八方美人で誰にでも笑顔を振舞って、どんな相手でも魅了する可愛さだった。しかも同級生や下級生の男子たちに人気が高く、クウマんちに毎日のように来てた人もいたぐらいでクウマも困っていたぐらいだった。
そんなソラネさんが、神と洞を吹くわけない。
どうしてそんな話を…。信じたくなかったけど、とりあえず信じることにした。
クウマによると、ソラネさんは異世界というものにいるらしく、彼女の部屋には不思議なドアがあるらしい。
『うし、じゃあ入ってみるぞ。』
『ほ、ホントにあるんだからな。信じてくれよな!』
『ほいほい、信じてるよ。』
ガチャり。
『……え?』
『ほら!あるじゃん!!』
驚いた。思わず片手に持ってた荷物を落としてしまうくらいに。
ソラネさんの部屋の中央には、扉があった。
可愛いクマが描かれたふかふかの白い絨毯と相まって、一層違和感を感じる。
扉は黒く塗られており、うっすらと光沢を帯びている。
そして、金属でずっしりと重圧感のある扉がポツンと、部屋の真ん中に佇んでいた。
他にはピンクの天板の勉強机、白と水色の水玉模様の毛布がかかった白い木のベッドなどがあった。
とりあえず入ろうかな。
『クウマ、入ってみるぞ。』
『え!?ちょっと待って!うわあああああああ!!!』
嫌がるクウマの背中を押して、俺も行く。
扉を潜った瞬間、不思議なトンネルのような
空間を漂った。ちょっと気分が悪い。
数分たった頃、そろそろ疲れてきた。頭がズキズキするし、なんか火傷跡が痺れる。
そうこうしてると、女子二人と男子一人のグループ?の近くに落ちた。その場にクウマはいないみたい。どうやらクウマとは、逸れてしまったようだ。この人たちは誰なんだろう?
とりあえず自己紹介をしたが…。

そして、今に至る。
俺は今、縄でぐるぐる巻きにされ、質問攻めされている。
俺はこの状況がわけわからなかった。
俺なんか言ったか?
もうホント勘弁して欲しい。
言葉責めで頭痛がするし、目眩がする。
いつ自由になるのやら…。

ちなみにこんな俺にも秘密がある。
俺は運命を変える夢を見たんだ。
なんのかは知らなかった。
そして、その世界に行ってなにかを探そうと思ってた。
その途中に、夢から醒めてクウマに呼ばれた。
そのせいだろうか、【世渡者ワタルヒト】と【変更者カエルヒト】という
何かを貰った。
これが何か分からないけど、とりあえず秘密にしておこう。
でも今は目の前の状況をどうにかしないと…。

☆☆☆☆☆☆☆

私は、興奮した状態でシンに質問をした。
「ソラネって知り合い!?どんな人なの!?ねぇねぇすごい人なの!?」
などなど。質問ばかりだった。
そして本人はとても怯えていた。
そりゃあ、縄でぐるぐる巻きにされてるし。
あれこれしてる時に、シンが口を開けた。
『え…えっ…と、ソラネは…親友の姉で…
日本だと……優等生だった……んだ。そ、そして…僕の……トモダチ…なんだよ。』と今にも気絶しそうな状態で答えてくれた。
やばい質問しすぎたなぁこれ。
これは重要な情報を手に入れた。
やったネ!少し目標に進んだヨ!
そして、私たちはウルワランドの神らしき女性、友桜 空音ソラネ・トモザクラの元を目指して、足を運ぶことにした。


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