不良in文芸部

湯殿たもと

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不良in文芸部 四

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不良in文芸部 四

木曜日。大将戦当日。今まで不良の喧嘩を見る事なんて無かったから不思議なものだ。まぁ笹川はかなり強いし、大丈夫だろう。松島さんとその話をすると、そうは簡単には勝てないらしい。相手も超人クラスだとか。でも松島さんは言った。

「美波には仲間を守る大切な理由があります。相手にはそれがない。気持ちの強さでは絶対負けませんっ」

「そうだな、笹川は仲間思いだ、大丈夫、きっと勝つ」


放課後。町外れの空き地。ここが今日の巌流島。そして相手は三十分遅れてやってきた。

「ふふっ待たせたねぇ」

相手は余裕綽々な風に言い、笹川を睨み付けた。笹川も睨み返す。

そして戦いが始まる。

目に見えない速度で 連続パンチを繰り出す笹川。それを受ける相手。笹川が一瞬隙を見せる。そこに相手はつけこみ、一撃を叩き込む。笹川は大丈夫かっ?

しかし、一撃を叩き込んだところに笹川はいなかった。

「隙を見せてなんていない、あんたは隙を見せられた幻覚を見ただけ」

「なっ」

そして次の瞬間には、相手は泡を吹いて倒れていた。

「私の勝ち。約束は守ってもらう」



六月の末。

さくらがやっと復帰して、学校に帰ってきた!いやぁ長かった。

「どうだ、調子は」

「まずまずだよ、ちょっとリハビリがまだ完全に済んでないけどね」

放課後の文芸部で、松島さんと笹川は初めて部長と出会う事となった。三人で自己紹介をして、すっかり仲良くなった。

「かなめ君、休んでる間に部誌とか出したの?」

「いや」

「なんで出さなかったのかなぁ、人数増えたのに」

「いろいろ忙しかったんだよ」

「じゃ、これからまた頑張ろうね」

元気よくさくらが言った。これでさくら復活。今年の夏は心配事なく遊び通すぞ!

「期末テスト」

笹川がぼそりと呟く。俺(と、久保田)は絶望を見ることになる・・・
                                                                        完



あとがき。

今回は短めでした。さて夏はどうなるでしょうか。文芸部的には秋の文化祭まで何も無さそうだが、果たして。あとさくらには巫女装束を着てもらいたいです。

それではまた。ばいちゃ。

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