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第三章「ナイスなコンビでいざ遠足⁉︎」
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「景色サイコーらしいから、みんながんばれよー!」
「チクショー、一心!お前だけ涼しい顔しやがって!」
「朝日さんもヘーキそうだけど?」
「悪役令嬢が?うわヤベ、間違えた」
夕日ヶ丘君の友達君。今さら口を押さえても遅いよ、バッチリ聞こえてます。
「てかさっきから、あくや……ゴホン!朝日さんはなんで、うちわで一心の後頭部あおいでんの?」
「うわ!これただの風かと思ってた!」
どうやら夕日ヶ丘君は、気づいてなかったみたい。これは作戦その一、熱中症よぼー対策。
「今日くもりだし、なんなら肌寒いくらいだけど……」
「眉間にシワ寄せて無言でうちわって、こわくない?」
「ハァハァ……おれはそれどころじゃない……ハァハァ……」
さ、最後の人は大丈夫なのかな。夕日ヶ丘君より、彼をパタパタしてあげた方がいいかな……。
「あ、アハハー!朝日さん、おもしろいなぁ」
師匠は師匠スマイルバッチバチにキメてる。あれ、でもおかしいな。ちょっと怒ってるように見えるのはわたしだけ?
ビシッ
「いたっ!」
「あごめんなさい」
「今うちわタテに刺さったぞこのぽんこ……ん゛ん゛っ!あー、コンポタ飲みたいなー」
「今⁉︎めっちゃ山登りしてる今このしゅんかんにコンポタ飲みたくなることある⁉︎」
わたしのうちわが夕日ヶ丘君に刺さって、彼は突然コンポタが飲みたくなって、お友だち君が突っ込んだ。
「朝日さん?ありがたいんだけど、今は暑くないから」
「うん、分かった」
「集中しないと、山は危ないから」
ニコッと笑って、わたしがそーなんするかもしれないこと、心配してくれてる。優しいしうれしいんだけど、今日は夕日ヶ丘君をいやしたいのに。普段人に恐怖しか与えてないから(そんなつもりはないけど)、なかなかうまくいかない。
「まぁ、まだ始まったばっかだしね」
「朝日さん?聞こえてるけど、くれぐれも山登りに集中してね?」
「はい」
みんなの前だから、誰にも聞こえないように呟いたつもりだったのに。もしかして、夕日ヶ丘君もわたしと同じでジゴク耳とか?
「い、一心?進まねーの?」
「あ?ああ、うん。ごめんごめん!みんながんばれ!疲れたら、おれが肩貸すから!」
「おお、さすが一心!」
「かっこいーね」
大人しくウチワをおさめたわたしと、キラキラ笑顔の夕日ヶ丘君。再び列が動きはじめたんだけど、なんでだか勝手にくちびるがとがった。良いんだけど、良くない。うまく表せない気持ちにモヤモヤして、気付いたらみんなをおいて、ひとりでかなり先に頂上にゴールしてしまった。そんなクラス、華組以外にいない。助け合って声かけあって、支え合いながらゴールするのが目的だから。
「うわ、朝日さんキョーチョーセーない」
「だってしょうがないよ、『悪役令嬢』だもん」
「人に合わせるのいやなのかな」
ウワサされるのなんて、なれっこ。なのに、やっぱりモヤモヤがなくならない。
「……」
ごめんなさい。その言葉がちゃんと言えたのかどうか、分かんない。そうこうしてるうちに、めちゃくちゃ息を切らした上川先生がやってきて、その場は終わり。わたしは下を向いたまま、初めての気持ちをどうしたらいいのか考えた。
「チクショー、一心!お前だけ涼しい顔しやがって!」
「朝日さんもヘーキそうだけど?」
「悪役令嬢が?うわヤベ、間違えた」
夕日ヶ丘君の友達君。今さら口を押さえても遅いよ、バッチリ聞こえてます。
「てかさっきから、あくや……ゴホン!朝日さんはなんで、うちわで一心の後頭部あおいでんの?」
「うわ!これただの風かと思ってた!」
どうやら夕日ヶ丘君は、気づいてなかったみたい。これは作戦その一、熱中症よぼー対策。
「今日くもりだし、なんなら肌寒いくらいだけど……」
「眉間にシワ寄せて無言でうちわって、こわくない?」
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さ、最後の人は大丈夫なのかな。夕日ヶ丘君より、彼をパタパタしてあげた方がいいかな……。
「あ、アハハー!朝日さん、おもしろいなぁ」
師匠は師匠スマイルバッチバチにキメてる。あれ、でもおかしいな。ちょっと怒ってるように見えるのはわたしだけ?
ビシッ
「いたっ!」
「あごめんなさい」
「今うちわタテに刺さったぞこのぽんこ……ん゛ん゛っ!あー、コンポタ飲みたいなー」
「今⁉︎めっちゃ山登りしてる今このしゅんかんにコンポタ飲みたくなることある⁉︎」
わたしのうちわが夕日ヶ丘君に刺さって、彼は突然コンポタが飲みたくなって、お友だち君が突っ込んだ。
「朝日さん?ありがたいんだけど、今は暑くないから」
「うん、分かった」
「集中しないと、山は危ないから」
ニコッと笑って、わたしがそーなんするかもしれないこと、心配してくれてる。優しいしうれしいんだけど、今日は夕日ヶ丘君をいやしたいのに。普段人に恐怖しか与えてないから(そんなつもりはないけど)、なかなかうまくいかない。
「まぁ、まだ始まったばっかだしね」
「朝日さん?聞こえてるけど、くれぐれも山登りに集中してね?」
「はい」
みんなの前だから、誰にも聞こえないように呟いたつもりだったのに。もしかして、夕日ヶ丘君もわたしと同じでジゴク耳とか?
「い、一心?進まねーの?」
「あ?ああ、うん。ごめんごめん!みんながんばれ!疲れたら、おれが肩貸すから!」
「おお、さすが一心!」
「かっこいーね」
大人しくウチワをおさめたわたしと、キラキラ笑顔の夕日ヶ丘君。再び列が動きはじめたんだけど、なんでだか勝手にくちびるがとがった。良いんだけど、良くない。うまく表せない気持ちにモヤモヤして、気付いたらみんなをおいて、ひとりでかなり先に頂上にゴールしてしまった。そんなクラス、華組以外にいない。助け合って声かけあって、支え合いながらゴールするのが目的だから。
「うわ、朝日さんキョーチョーセーない」
「だってしょうがないよ、『悪役令嬢』だもん」
「人に合わせるのいやなのかな」
ウワサされるのなんて、なれっこ。なのに、やっぱりモヤモヤがなくならない。
「……」
ごめんなさい。その言葉がちゃんと言えたのかどうか、分かんない。そうこうしてるうちに、めちゃくちゃ息を切らした上川先生がやってきて、その場は終わり。わたしは下を向いたまま、初めての気持ちをどうしたらいいのか考えた。
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