18 / 121
100階層の主1
しおりを挟む
これは結界と言うのか、薄い膜に淡く光り輝く文様が浮かび上がり、ゆっくりと動きながら様々な模様を浮かび上がらせ、これだけを見ていても、暫くは飽きないだろうと思える光景が目の前に広がっている。
恐る恐る指で膜に触れてみると何の抵抗も無く指先が結界をすり抜ける。
それにしても一度結界の中に入ったら出れなくなるんじゃないか?
そんな思いもふと頭をよぎるが、通路の奥から溢れる光と、幻想的でそれでいて厳粛な雰囲気に引かれ、ふと気づくと足が勝手に前に出て結界を通過する。
「うわぁ! なんだ?」
結界を通過すると、急に魔力密度が濃くなった感覚を覚え、一瞬体が強張る。
そして、一番心配だった結界の内側から出れるか確認をしたところ、問題なく出入りできるようなので、閉じ込められる心配がなくなり安堵のため息がもれる。
なんかつい足を踏み入れちゃったけど、一歩間違えればここに閉じ込められて生涯を終える可能性もあったから少しもう少し慎重に行動しないと…。
そう思いながら、20メートル程進むと、再度同様の結界が張られいる。
見る限り先程の結界と同じもののようなので、一応指先で触れてみて問題なく通過出来る事を確認し、結界を通り抜け先に進む。
結界を通り抜けると、先程魔力密度が濃いと感じた時と同じよう再度魔力密度の濃さに身体が強張っていく。
1つ目の結界を越えた時よりも2つ目の結界を越えると更に魔力密度が高くなっている…。
この結界で魔力を封じ込めるような目的なのか?
それとも何かの侵入を防ぐ結界?
でも自分は通れたし、何故結界なんかあるんだ?
進めば進むほど魔力密度が高くなっていき、人体には有害そうな気もするが、、ここまで来たら引き返すってのもどうかと思う、そして何よりハズレダンジョンと言われているのに最下層にこんな場所が何故あるのかが気になる。
そして3つ目の結界を通り抜けると、そこには綺麗な石で出来た大広間のようになっており、部屋の左右には様々な品や宝箱のようなものが無造作に置かれている。
そして大広間の中央には石で出来た棺のような物が、正面奥には、祭壇のようなものが設置されている。
「ここは何なんだ? 誰かの墓?」
大広間の光景に圧倒され、無意識のうちにそんな言葉が口からこぼれる。
うん、ダンジョンに潜ってからどれだけ日数が経ったか覚えてはいないけど、ボッチだったから独り言が増えたわけじゃないよ…、多分…。
それにしても、実際何日経ったんだろう、ダンジョンに潜ると昼も夜も分からないから眠くなったら寝て起きたら進むを繰り返してたから日付感覚が無くなってしまったけど、目標の100階層には到達したし、なんか部屋の左右にはお宝が一杯あるから、とりあえずそれを回収してからダンジョンを出て街に行こう。
当初の目的のギルドで冒険者として登録もしたいし、魔石やこの部屋にあるお宝を売ってお金に換えたいしね。
まあ暫くは時差ボケしそうだけど、幸い階層主は居なさそうだから、この階層を調べて、とっととお宝を頂いて退散しよう。
そう思いながら部屋の中央に足を進めると、急に魔力の密度が濃くなり、直後背筋が寒くなるような感覚に襲われる。
これって瘴気? やっぱり100階層にも階層主が居るのか?
ていうか、90階層の階層主はこんな背筋が凍るような気配は放ってなかったのに、100階層なだけあって相当強力なアンデッドでも居るのか?
だから3重の結界があったのか?
そう思い、身の危険を感じ、慌てて踵を返し引き返そうとするが、大広間におぞましい声が響き、直後足が竦んで震えが止まらなくなる。
体中の毛穴から汗が吹き出し膝がガクガクし、少しでも気を抜くとその場に座り込んでしまい動けなくなりそうだ…。
マジで? これって逃げられない?
動きたいのに動けない、足が震えて前に進まない、こんな状況じゃ戦う前から勝敗は決してるじゃん。
自分の居る場所から結界までは約10メートルぐらいなのにすごく遠く感じる。
震えで動けないのもあるけど、動けたとしても結界の外に出る前に殺される気がする。
詰んだ! 転生して実家を追い出されてこれから新たな人生を送るはずだったのに、これ絶対詰んだ…。
恐る恐る指で膜に触れてみると何の抵抗も無く指先が結界をすり抜ける。
それにしても一度結界の中に入ったら出れなくなるんじゃないか?
そんな思いもふと頭をよぎるが、通路の奥から溢れる光と、幻想的でそれでいて厳粛な雰囲気に引かれ、ふと気づくと足が勝手に前に出て結界を通過する。
「うわぁ! なんだ?」
結界を通過すると、急に魔力密度が濃くなった感覚を覚え、一瞬体が強張る。
そして、一番心配だった結界の内側から出れるか確認をしたところ、問題なく出入りできるようなので、閉じ込められる心配がなくなり安堵のため息がもれる。
なんかつい足を踏み入れちゃったけど、一歩間違えればここに閉じ込められて生涯を終える可能性もあったから少しもう少し慎重に行動しないと…。
そう思いながら、20メートル程進むと、再度同様の結界が張られいる。
見る限り先程の結界と同じもののようなので、一応指先で触れてみて問題なく通過出来る事を確認し、結界を通り抜け先に進む。
結界を通り抜けると、先程魔力密度が濃いと感じた時と同じよう再度魔力密度の濃さに身体が強張っていく。
1つ目の結界を越えた時よりも2つ目の結界を越えると更に魔力密度が高くなっている…。
この結界で魔力を封じ込めるような目的なのか?
それとも何かの侵入を防ぐ結界?
でも自分は通れたし、何故結界なんかあるんだ?
進めば進むほど魔力密度が高くなっていき、人体には有害そうな気もするが、、ここまで来たら引き返すってのもどうかと思う、そして何よりハズレダンジョンと言われているのに最下層にこんな場所が何故あるのかが気になる。
そして3つ目の結界を通り抜けると、そこには綺麗な石で出来た大広間のようになっており、部屋の左右には様々な品や宝箱のようなものが無造作に置かれている。
そして大広間の中央には石で出来た棺のような物が、正面奥には、祭壇のようなものが設置されている。
「ここは何なんだ? 誰かの墓?」
大広間の光景に圧倒され、無意識のうちにそんな言葉が口からこぼれる。
うん、ダンジョンに潜ってからどれだけ日数が経ったか覚えてはいないけど、ボッチだったから独り言が増えたわけじゃないよ…、多分…。
それにしても、実際何日経ったんだろう、ダンジョンに潜ると昼も夜も分からないから眠くなったら寝て起きたら進むを繰り返してたから日付感覚が無くなってしまったけど、目標の100階層には到達したし、なんか部屋の左右にはお宝が一杯あるから、とりあえずそれを回収してからダンジョンを出て街に行こう。
当初の目的のギルドで冒険者として登録もしたいし、魔石やこの部屋にあるお宝を売ってお金に換えたいしね。
まあ暫くは時差ボケしそうだけど、幸い階層主は居なさそうだから、この階層を調べて、とっととお宝を頂いて退散しよう。
そう思いながら部屋の中央に足を進めると、急に魔力の密度が濃くなり、直後背筋が寒くなるような感覚に襲われる。
これって瘴気? やっぱり100階層にも階層主が居るのか?
ていうか、90階層の階層主はこんな背筋が凍るような気配は放ってなかったのに、100階層なだけあって相当強力なアンデッドでも居るのか?
だから3重の結界があったのか?
そう思い、身の危険を感じ、慌てて踵を返し引き返そうとするが、大広間におぞましい声が響き、直後足が竦んで震えが止まらなくなる。
体中の毛穴から汗が吹き出し膝がガクガクし、少しでも気を抜くとその場に座り込んでしまい動けなくなりそうだ…。
マジで? これって逃げられない?
動きたいのに動けない、足が震えて前に進まない、こんな状況じゃ戦う前から勝敗は決してるじゃん。
自分の居る場所から結界までは約10メートルぐらいなのにすごく遠く感じる。
震えで動けないのもあるけど、動けたとしても結界の外に出る前に殺される気がする。
詰んだ! 転生して実家を追い出されてこれから新たな人生を送るはずだったのに、これ絶対詰んだ…。
193
あなたにおすすめの小説
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる