器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。

武雅

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墳墓のダンジョン6

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どうやら、と言うよりも、前々から分かってはいたけど下層に行けば行くほどアンデッドは強くなるが、階層主以外は装備が異なるぐらいで、次の階層主までの階層は純粋に徐々に数が多くなるだけといった感じだ。
倒したアンデッドの魔石も全部1センチ程の大きさだし、ダンジョンってこういう物なのか? それともやっぱりハズレダンジョンだからなのか?

まあ基本動きも緩慢で木の棒による打撃と浄化で余裕だし、初心者が身体能力と魔力を向上させるにはいいんだろうけど、なんというか剣技とか全く身につかないからダンジョン攻略後が心配になってくる…。

そう思いながらも、71階層に足を踏み入れアンデッドを探すと、全身金属鎧を着た魔物、リビングアーマーとでもいうのだろうか、そんな魔物が徘徊している。

見たところ武器も持って無いし、とりあえず撲殺!
ゴン!!!!!!

全身鎧の魔物の頭部を叩くが、兜が凹んだだけで、動き続けこちらに向かって来る。

「浄化!!!」

掌から光が広がり魔物を包みこむが、若干苦しんでいるような感じるだけで、動きが止まる事も無く、また今まで居たスケルトンのようにサラサラ~と崩れていかない。

上層階でアンデッドを浄化した際に手に入れた剣で斬りかかっても金属同士がぶつかる音がするだけでマンガみたいに真っ二つにはなならない。
それどころか数回斬りつけると剣が折れてしまう。

「剣は駄目か…」

そう呟いて木の棒で全身金属鎧のリビングアーマーを全力で叩いて叩いて叩きまくる。
何本か木の棒を折れたがアイテムボックスから予備を出して殴り続ける。

「ふぅ~」
目の前にはボコボコになり、見るも無残なリビングアーマーが居るが、まだ動こうとしているので、もう一度ダメ元で浄化の魔法を使うと、サラサラ~といった感じで鎧ごと魔物は灰のように崩れていく。

魔石はスケルトンより若干大きめだけど、それでも2センチぐらい。
これだけ苦労しても魔石はこの程度の大きさ、本当にハズレだな…。

それにしても木の棒で殴り倒してだと効率悪いな、ボコボコにしてから浄化しないと倒せないって、この階層にはポツポツとしか居ないけど、下に降りると数が増えるし、なんか簡単に倒せる方法無いものか。
そう思いながらも71階層を回りながら、効率の良い倒し方を模索する。

色々試した結果、ドロップした槍で全身金属鎧の継ぎ目を狙って突き刺した後、槍を通して全身金属鎧の内部に浄化魔法を流し込めば楽に倒せる事がわかった。
本当は剣でもいいんだけど、槍の方が間合いが取れるから反撃されにくいので槍がベストと判断したが、お世辞にも広いとは言えない通路だから槍の取りまわしに要注意だが安全を確保するには槍が一番良さそうだ。
いざとなったら槍を手放して間合いを取れば何とかなりそうだし。

何とか簡単に倒せる方法を見つけたので、とりあえず一旦、70階層に戻って、何故か一定時間を経過すると復活する階層主の3体居る黒いスケルトンを倒して今日は休み、明日から、槍で刺して浄化を流し込むのコンボで全身金属鎧のリビングアーマーを倒しながら下層を目指そう。

というより自分が強くなってるのか?
確かに体感的に魔力は以前に比べかなり体感では増えている感じだし、浄化魔法を相当数連発しても大丈夫だが、身体能力はどの程度上がっているのか、比べる者が居ないからイマイチ実感が湧かないんだよな…。

それなりに力を込めたらドロップした剣を曲げる事は出来るから相当身体能力も上がっているとは思うけど、そもそも、ドロップした剣は、フォレストの皆さんに貰った剣より見るからに質が悪いし、比較対象にならないんだよね。

何よりダンジョンに潜って以来人間とあったことがないから、話し相手が居ない!!!

なに? このボッチ感!
墳墓のダンジョンって言われてるけど、一人で入ればボッチが満喫できるダンジョンとかに改名した方が良いんじゃない?
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