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34話 キャンプ初日

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 九郎は、玉枝が部長と何を話すのか気になる。あやめが九郎に言う。
 「九郎、お姉さんのことが気になるの。」「分かる。あの部長と何話すんだるう。」
 「興味深いわね。」「だろう。」
2人は玉枝が何を話すのか気になる。玉枝は部長に言う。
 「筋肉、すごいのですね。」「鍛えていますから。」
 「どうして鍛えるのですか。」「どんな山でも挑戦できるように鍛えています。」
 「山の頂上の日の出は素晴らしいのでしょうね。」「はい、素晴らしいですが、私は雲海を見るのが好きです。」
 「そんな高い山に登られるのですか。素敵です。」「いえ、それほどでもありません。」
玉枝は部長の手を握って微笑む。部長は赤くなる。
 九郎はあやめに言う。
 「部長赤くなっていますよ。」「玉枝さん、何をしているのかしら。」
あやめも玉枝と部長から目を離せない。
 玉枝は、後ろの席の九郎とあやめを見る。玉枝は笑顔である。九郎はその笑顔が怖い。
 2時間ほど走ってバスはキャンプ場に着く。部員はテントなどの道具をおろして、手分けして運ぶ。
 ハイキング部はテントエリアへ行く。テントエリアは広い広場になっている。部長に指示でテントが設営される。
 玉枝が九郎とあやめに近寄って言う。
 「ここ妖怪の気配があるわ。私からあまり離れないでね。」「わかった。」「分かりました。」
妖怪と聞いて九郎とあやめは緊張する。あやめは九郎に聞く。
 「妖怪て怖いの?」「僕があった妖怪はそんなことなかったよ。」
 「妖怪に会ったことあるんだ。」「2回だけだよ。」
あやめは少しホッとする。九郎はあやめ、玉枝、つよし、美琴と水汲みに行く。
 5人が戻ると部長は料理の準備を始める。玉枝が部長を手伝うと。男子部員も部長の手伝いをする。
 九郎とあやめ、つよし、美琴は2人の先輩と薪を取りに行く。そして、先輩に教えられながら火を起こす。
 夕方になってきて、あたりが暗くなる。するとキャンプの火に誘われるように霊が集まってくる。
 九郎は7人の霊を確認するが危なそうなものはいない。夕食が出来ると食事が始まる。
 九郎は豚肉とねぎのねぎまを気に入る。あやめはチーズディップが気に行ったようだ。
 玉枝は部長とビールを飲んでいる。怨霊は食事をしないと聞いていたが玉枝はおつまみを食べながら飲んでいる。2人は楽しそうだ。
 食事が終わり始めると先輩がギターを弾き始める。酔った部員が歌ったり踊ったりする。
 九郎の隣にはあやめが座っている。九郎があやめを見ると目が合う、するとあやめは寄りかかってきて言う。
 「楽しい。」「来てよかったよ。」
 「そうね。」「星がきれいだよ。」
 「・・・」
返事がない。九郎があやめを見ると間をつむっている寝ているのだろうか。寄りかかって寝るあやめはかわいい。九郎は思わずあやめの肩を抱く。
 九郎は幸せになる。つよしと美琴が来る。つよしが言う。
 「みせつけるね。」「眠っているんだ。」
美琴が九郎に言う。
 「私もそろそろ寝るからお姫様を運んでくれる。」「分かった。」
九郎はお姫様抱っこしてあやめを連れていく。美琴がシュラフを出してくれたのでそこへ寝かせる。美琴が後はやると言うので九郎は任せてつよしの所へ行く。
 美琴があやめに言う。
 「分かっているわよ。起きているでしょ。」「わかる。」
 「気づかないのは、鈍感な九郎君だけよ。」「九郎は鈍感じゃないわ、優しいだけよ。」
 「あそこはやっぱりキスよね。」「き、きす・・・」
 「あやめ期待していたんじゃないの。」「そこまだ考えていなかったわ。」
 「あなたたち、お似合いよ。」「喜んでいいのかしら。」
玉枝は、男子を酔いつぶしてからテント来る。あやめと美琴が言う。
 「玉枝さん、お酒臭い。」「たっぷり飲んだからね。」
 「部長を酔いつぶしたのですか。」「寄ってきた男子全員を酔いつぶしたわ。」
あやめと美琴は、見なくても外の惨状が分かった。
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