同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

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33話 キャンプに出発

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 九郎は玉枝に起こされる。起きるには、いつもより早い時間だが今日はキャンプに行く日だ。
 玉枝はすでに朝食をテーブルに並べている。今朝はご飯にシシャモを焼いたものにみそ汁である。
 朝食を食べ終わると九郎は着替える。玉枝も服を変える。
 白いニットにデニムのベストとデニムのパンツだ。
 九郎と玉枝は、あやめの家に向かう、まだ玉枝は気配を小さくしているので九郎以外には見えていない。
 あやめの家に着くとインターフォンを鳴らす。一久が出てくる。
 「おはよう九郎君、あやめを頼むよ。」「おはようございます。」
 「九郎、おはよう。お父さんは下がって。」「九郎君、土産話待っているよ。」
 「お父さん、行ってきます。九郎、行こう。」
あやめは九郎の手を引っ張って、一久から引き離す。
 久沓神明社の鳥居まで行くと玉枝が気配を少し大きくして人に見えるようになる。九郎があやめに聞く。
 「玉枝さんの格好どうかな。」「素敵よ。似合っているわよ。」
 「九郎ちゃん、あやめちゃんはどうなの。」「似合っているよ。かわいいよ。」「ありがとう。」
3人はバスに乗って、駅に行く。集合場所は駅のロータリーになっている。
 つよしと美琴はすでについている。2人は声をかけてくるが
 「すげー美人。」「きゃー美人さんだー」
とあいさつの前に言う。九郎は2人に玉枝を紹介する
 「おはよう。こちら姉の玉枝です。」「おはようございます。いつも、九郎がお世話になっています。」
 「こちらこそ。」「よろしく、お願いします。」
男子部員が集まってくる。
 「お姉さんですね。僕は・・・」「お姉さん僕と一緒に・・・」「お姉さん・・・」「お・・・」
一度に男子部員は話しかけてくる。玉枝は、笑顔がひきつっている。
 そこへマイクロバスが2台来る。いつもいる2人の先輩が運転している。2人の先輩は中型か大型免許を持っていることになる。九郎は部長に聞く。
 「免許持っていたんですか。」「俺たちは大型免許を持っている。」
九郎は感心する。彼自身、運転免許はもっていないのだ。免許は欲しいが先立つ物はない。バイトをしないとだめかなと思う。
 ここで争いが起こる。誰が玉枝と同じバスに乗るか決めるのだ。先輩はこの事態を想定していたのか男子の分のくじを作ってきている。
 このくじに九郎とあやめ、玉枝、つよし、美琴は含まれていない。くじの結果男子だけのバスに乗る者は涙する。
 しかし争いの火種は残っている。誰が玉枝の横に座るかである。これは玉枝が解決する。玉枝が部長と一緒に席に座るように誘ったのだ。
 こうして、一方のバスには、あやめと玉枝、美琴が乗ることになる。2台のマイクロバスはキャンプ場に向けて出発する。
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