35 / 175
35話 部長対牛鬼
しおりを挟む
翌朝、九郎が起きると、テントの外に男子部員数人が倒れている。
みんな、玉枝と飲んで酔いつぶれ、テントに戻ることが出来なかった者たちだ。
すでに玉枝は起きて料理を始めている。それをあやめと美琴が手伝っている。九郎は3人に挨拶する。
「おはよう。早いね。」「おはよう。目が覚めちゃった。」
九郎が顔を洗って戻ってくるとつよしが起きてくる。
「つよし、おはよう。」「おはよう、九郎。」
部長と2人の先輩も起きてくる。部長が言う。
「無事なのはこれだけか。みんな玉枝さんとキスしたくて飲んでいたからな。」「競っていたんですか。」
あかねは驚いて聞く。
「そうだ、誰かが玉枝さんとキスしたいと言い出して、酒で勝てたらキスをしてもらえることになったんだ。」
「私勝っちゃった。」
玉枝が嬉しそうに言う。部長は玉枝をほめたたえる。
「美しいうえに酒豪とは恐れ入りました。」
九郎は頭が痛くなる。そして、部長に言う
「今日のハイキングはどうするんですか。」「動けるもので行けばいい。」
大半の者がリタイヤ決定である。生き残った者は朝食を食べる。
パンにソーセージともやしを炒めたものである。
もやしがしゃきしゃきでおいしい。
玉枝たちは人数分の弁当を作る。ハイキングは川沿いの遊歩道を上流の滝を目標に行くもので片道1時間ちょっとの予定である。
8人はゆっくりと歩いていく。まだ、昼までかなり時間があるのである。
あやめが九郎に言う。
「気持ちいいわね。」「うん、川も近くだからね。」
九郎が答えると玉枝が近づいて来て言う
「妖怪に近づいているわ。」「その妖怪、危ないの。」
「気配が強いからそこそこ強いかもしれないけど危険かどうかは分からないわ。」
今向かっているのは川の滝つぼである。滝つぼに着くと玉枝が言う。
「ここにいるわよ。」「僕には見えないよ。」
玉枝は滝つぼに近づいていく。すると水の中から牛の頭をした化け物が現れる。それはあやめにも見えている。
「何あれ。」「見えているの。」
部長が
「たまえさん、危ない。」
と言うと駆け出す。そして牛の頭の化け物にフライング・ドロップキックをおみまいする。
牛の頭の化け物は倒れる。玉枝は慌てて言う。
「牛鬼よ、危険だから離れて。」「俺は玉枝さんを守ります。」
部長はやる気満々である。牛鬼は起き上がると部長にボディブローをかます。部長は牛鬼にラリアットをかます。
部長と牛鬼は技の応酬をする。部長と牛鬼のプロレスは部長に不利に働く。部長はだんだん追い込まれていく。
玉枝は九つの青い炎を作りだすと牛鬼にぶつける。牛鬼は青い炎包まれてもがく。水に潜るが炎は消えない。
牛鬼は焼かれて消えていく。その光景をみんな唖然としてみている。するとひげを生やした魚に手と足をつけたような妖怪が出てくる。
この妖怪は、皆に見えていないようだ。妖怪は玉枝にお辞儀すると言う。
「これは、かのたまも・・・」「玉枝よ。た・ま・え」
「あのあなた様は・・・」「た・ま・え」
「玉枝様ありがとうございます。あの牛鬼には苦しめられてきました。」「礼には及びません。」
「せめてこれをお納めください。」
妖怪は水晶の塊を玉枝に渡す。すると妖怪は姿を消す。みんな玉枝の周りに集まる。つよしが聞く。
「玉枝さん、今のは何ですか。」「お姉さんはお祓いの仕事をしているんだ。」
九郎はとっさに嘘をつく。しかし、みんな納得してくれる。
滝つぼでお弁当を食べて。休憩する。玉枝は九郎に水晶の塊を渡す。
「これ玉枝さんがもらったものでしょ。」「九郎ちゃんにあげるわ。」
九郎は水晶をリュックサックの中に入れる。あかねが九郎に言う
「部長すごかったね。」「妖怪相手によくやるよ。」
「最後は玉枝さんが倒したけどね。」「玉枝さん強いんだな。」
この後、九郎とあやめは雑談して過ごす。つよしと美琴は二人の世界に浸っている。
休憩が終わるとキャンプ場に向けて出発する。
みんな、玉枝と飲んで酔いつぶれ、テントに戻ることが出来なかった者たちだ。
すでに玉枝は起きて料理を始めている。それをあやめと美琴が手伝っている。九郎は3人に挨拶する。
「おはよう。早いね。」「おはよう。目が覚めちゃった。」
九郎が顔を洗って戻ってくるとつよしが起きてくる。
「つよし、おはよう。」「おはよう、九郎。」
部長と2人の先輩も起きてくる。部長が言う。
「無事なのはこれだけか。みんな玉枝さんとキスしたくて飲んでいたからな。」「競っていたんですか。」
あかねは驚いて聞く。
「そうだ、誰かが玉枝さんとキスしたいと言い出して、酒で勝てたらキスをしてもらえることになったんだ。」
「私勝っちゃった。」
玉枝が嬉しそうに言う。部長は玉枝をほめたたえる。
「美しいうえに酒豪とは恐れ入りました。」
九郎は頭が痛くなる。そして、部長に言う
「今日のハイキングはどうするんですか。」「動けるもので行けばいい。」
大半の者がリタイヤ決定である。生き残った者は朝食を食べる。
パンにソーセージともやしを炒めたものである。
もやしがしゃきしゃきでおいしい。
玉枝たちは人数分の弁当を作る。ハイキングは川沿いの遊歩道を上流の滝を目標に行くもので片道1時間ちょっとの予定である。
8人はゆっくりと歩いていく。まだ、昼までかなり時間があるのである。
あやめが九郎に言う。
「気持ちいいわね。」「うん、川も近くだからね。」
九郎が答えると玉枝が近づいて来て言う
「妖怪に近づいているわ。」「その妖怪、危ないの。」
「気配が強いからそこそこ強いかもしれないけど危険かどうかは分からないわ。」
今向かっているのは川の滝つぼである。滝つぼに着くと玉枝が言う。
「ここにいるわよ。」「僕には見えないよ。」
玉枝は滝つぼに近づいていく。すると水の中から牛の頭をした化け物が現れる。それはあやめにも見えている。
「何あれ。」「見えているの。」
部長が
「たまえさん、危ない。」
と言うと駆け出す。そして牛の頭の化け物にフライング・ドロップキックをおみまいする。
牛の頭の化け物は倒れる。玉枝は慌てて言う。
「牛鬼よ、危険だから離れて。」「俺は玉枝さんを守ります。」
部長はやる気満々である。牛鬼は起き上がると部長にボディブローをかます。部長は牛鬼にラリアットをかます。
部長と牛鬼は技の応酬をする。部長と牛鬼のプロレスは部長に不利に働く。部長はだんだん追い込まれていく。
玉枝は九つの青い炎を作りだすと牛鬼にぶつける。牛鬼は青い炎包まれてもがく。水に潜るが炎は消えない。
牛鬼は焼かれて消えていく。その光景をみんな唖然としてみている。するとひげを生やした魚に手と足をつけたような妖怪が出てくる。
この妖怪は、皆に見えていないようだ。妖怪は玉枝にお辞儀すると言う。
「これは、かのたまも・・・」「玉枝よ。た・ま・え」
「あのあなた様は・・・」「た・ま・え」
「玉枝様ありがとうございます。あの牛鬼には苦しめられてきました。」「礼には及びません。」
「せめてこれをお納めください。」
妖怪は水晶の塊を玉枝に渡す。すると妖怪は姿を消す。みんな玉枝の周りに集まる。つよしが聞く。
「玉枝さん、今のは何ですか。」「お姉さんはお祓いの仕事をしているんだ。」
九郎はとっさに嘘をつく。しかし、みんな納得してくれる。
滝つぼでお弁当を食べて。休憩する。玉枝は九郎に水晶の塊を渡す。
「これ玉枝さんがもらったものでしょ。」「九郎ちゃんにあげるわ。」
九郎は水晶をリュックサックの中に入れる。あかねが九郎に言う
「部長すごかったね。」「妖怪相手によくやるよ。」
「最後は玉枝さんが倒したけどね。」「玉枝さん強いんだな。」
この後、九郎とあやめは雑談して過ごす。つよしと美琴は二人の世界に浸っている。
休憩が終わるとキャンプ場に向けて出発する。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる