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そのじゅうに
そのじゅうに
しおりを挟む我が家の夫婦の寝室には。
キングサイズのベッドがどーん、とございます。
この広さだと大人三人寝れる。尊と二人しかおらんけど。
子供がちっちゃいうちは一緒に寝れるかな。
川の字なってな。
子供真ん中にして。そうしたら。
そう簡単にえっち出来んよな。ははは。えろ大魔王め、ざまあみろ。
「みのりさん…」
キスしたら唇は首筋に。
「やん…今日はダメってば!」
「大丈夫だって…気にしなくても良いから」
気にするわっ。
だって。下の客間にお客様がいらっしゃるから。
しかも。お客様があの。
各務先生だからっ!
「アイツもう寝てるし、薬飲んでたし」
各務先生が持参した睡眠薬を飲んだのは確かに目視で確認した。
「でもっ…」
あの!各務先生だぞ。
「みのりさんってば…こんなに濡れちゃってるのにダメなの?ほら、ここ気持ち良いんでしょ?」
「あっ…やあんっ…」
なぜにあのど変態が我が家にいるのか。それは帰りの飛行機。
「平安朝スペクタクルでも書こうかなと思って。政庁跡とか後国立博物館の所蔵品とか取材するの」
三人席の通路側座ってにこにこする各務先生。
「なんでお前がそこに座ってるんだよ!」
「だって、空いてたんだもん」
確かに予約の時はこの席は空いてた。
しかしなんで。
とても偶然とは思えん。
「あ、天海サン。俺と席変わる?通路側の方がトイレ行きやすいよ」
「はは…大丈夫…です」
「トイレって言えばさあ、天海サン。男の場合女と違っておしっこも精液も同じ穴から出るんだけどさ、射精する時になんで間違えないかと言うと」
尊が急いであたしの耳塞ぐ。
む。ちょっと聞きたかった気がする。
そしてまた微かにあられもない会話が聞こえ。
飛行機降りたら後ろついてくる各務先生。
「なんだよ、お前」
尊が睨み付けるのも構わずにこやかに。
「うん、急に思い付いたからホテル取ってないの。泊めて?」
斜め45度に首傾げても可愛くないわっ!
「ふざけんな。誰が泊めるかよ。ホテルなんか適当に取ればいいだろっ」
「え?そんなこと言うと俺ブログにダンナんとこの服、悪口書いちゃうよ?」
「もうそんな脅しに乗るかよ」
「ウソだと思ってんの?本気でやる事もあるって言ったでしょ?」
各務先生のブログは一日5万HITの人気ブログ。
「じゃ、しばらくお世話してねえ」
お世話になります、だろがあっ。
応援ありがとうございます!
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