You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうに

そのじゅうに-2

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「おはよう、みのりさん」

朝っぱらからのディープに息が苦しくなって眼覚める。

いつものようにあたしの服用意して自分の着替えして。

「みのりさん、ゆっくり降りるんだよ。気をつけてね」

思うんだけど、そんなに毎日言うならエレベータでもつけたら良かったんでないの。

二階建てにエレベータ。贅沢すぎるか。

降りたらリビングのガラス戸開いてて。

「ふんっ、ふんっ」

上半身裸のど変態。

尊が置いてるあたしの護身用の金属バット振り回しとる。

「なにしてんだアイツ」

一瞥して朝ご飯にとりかかる尊。

素振り終えたらしくど変態はソファーに脱いであったシャツ着る。

「うん、朝から運動すると気持ち良いもんだね」

さわやかに笑う。

「久しぶりに素振りしてみた」

「へえ、野球してたんですか?」

「うん、高校時代野球部だった…とか言う事実は無い」

なんじゃそりゃ。

「みのりさあん、ご飯だよ」

おお。朝ご飯だ。

「ええ?俺の分はあ?」

指くわえる各務先生。可愛くないってば。

「知るか」

冷たい尊。

「もう。じゃあ天海サン作って?」

なぬ?このあたしに料理せよと?

「ふざけんな。お前はコンビニでも行ってくりゃいいだろうが」

「コンビニの工場生産の流れ作業の弁当より天海サンの手料理が良いな」

コンビニの流れ作業の弁当の方がなんぼかマシだぞ。

「しょうがねえなっ」

尊が仕方無しにもっかいキッチンに立つ。

うむ?むしろあたしの素晴らしい料理見せてあげたら黙ってコンビニ行ったんじゃないかな。

「ダンナ、料理上手いねえ。ウチのお手伝いさんより旨いよ」

「黙って食え」

賞賛の声無視する尊。

「あ、ところでさあ?天海サン」

「なんですか」

「してる時はさあ、ナカに出してっ、全部出してっ!とか言ってあげたらダンナ燃えると思うよ」

味噌汁噴射した。

「実際のとこはあんま良くないけどさ、ホルモンの影響とかあるしね。でも言われるとテンション上がるし」

「いい加減にしろっ!なに言ってんだこの変態っ!」

尊がふきんであたしの服やらテーブル拭いながら怒鳴る。アンタも変態やけどね。

各務先生は大人しくご飯食べて。

「みのりさん、今日のお昼ご飯はひよこ豆のカレーだよ。辛くない様にしてるからね」

わお。ひよこ豆のカレー。

「美味しそうだね。俺の分ある?」

眼輝かせる各務先生に。

「あるワケねえだろっ!て言うか俺がいない間お前を家に置いとくワケねえだろっ!」

尊は各務先生連れて同伴出勤した。

こそこそした変態と現す変態。

確か各務先生ってあたしより二つ下だったな。って事は尊と歳も同じだな。

種類は違うけど変態同士相通ずるものがあったりしてな。

お昼過ぎに荷物が届いて。

重いから尊が帰るまで玄関に置いとこ。

でも一つはそんな重くないし。中身みたいし。

誘惑に勝てずリビングで開けたのはベビーラック。

フランスから直輸入したそれはなんとも可愛らしい。さすが、おフランスなだけあってちょっとアンティーク調でオサレ。

仕事そっちのけで眺めてたら。

「ただいまあ」

玄関の荷物抱えて尊がリビングにやって来た。

「ああ、やっぱ可愛いね。それ」

「あはは。待ちきれなくて出しちゃったよ」

「ここに赤ちゃん寝かせるんだね」

二人で眺めながら、ふと。

「あれ?各務先生は?」

「知らない。母さんとご飯行った」

瞳子さんと?ふうん。

「各務先生ずっと会社にいたん?」

「うん、面倒くさいから社長室に放り込んどいた」

それは瞳子さんもさぞやお困りになった事だろうな。まさか瞳子さんの前であのど変態ぶり見せてないだろな。ま、それくらいの分別は各務先生もあるよな。

夜もふけて帰宅した各務先生はぼんやりして。

飲んで来たんだろう、ほっぺた赤いし。

尊の隣に腰降ろして。

「尊クン…」

尊クン?なんか違和感があるぞ。なんだ?

「俺…今度こそ運命の人に出会ったかもしれない…」

「そ、そりゃ良かったな」

各務先生は赤い顔で尊の手握って。

「俺の事、お父さん、って呼んで良いからね」

かかかかかかかかか各務先生えええええっ!?




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