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そのよん
そのよん-3
しおりを挟む「みのりさん、おは…」
ようのキスは手のひらでブロック。
ため息つく尊。
「みのりさん、はい着替え」
「そこ置いといて」
ベッドの上にあたしの着替えの服置きながらため息。
「みのりさん…朝ご飯」
「……」
無言の食卓。
泣き腫らした尊の目。知るか。
「…お昼ご飯はクロックムッシュだからね。チンして食べてね」
「……」
ため息も一つ。
「みのりさん…行ってらっしゃいのキスして?」
全力で無視。
「…行ってきます」
ため息ついて会社行った。
仕事部屋入ろうとして。
今日は客間で寝よ。
て、思った。
お昼。尊からメッセージ。
お昼ご飯ちゃんと食べてね。ごめんなさい。
煩い。あたしの怒りが簡単におさまると思うなよ。
夕方。尊帰宅。
「…ただいま」
「……」
ため息ついてキッチン行く尊。
晩ご飯も無言。
「みのりさん…お風呂」
「一人で入る」
無視してお風呂。
出たら。バスルームのドアの側で。
体操座りでしくしく。
ちょっと。
いぢめ過ぎたかな。いや、いかん。
しくしく。
あたしは怒ってんだ。
しくしく。
もう。だいの大人がしくしく泣くなよ。
「尊、お風呂はいったら」
「ごめんなさい…」
「…わかったから」
座って顔覗き込んだら。真っ赤になった眼であたし見る。
「…俺…みのりさんがいないと生きてけないよ…」
よしよし。わかったから。
「お風呂入ってきなよ」
「うん…みのりさん、キスしていい?」
尊がちょっと震える手であたしのほっぺた触って。
キスした。
ベッドのガムテープ剥がして。
まあ、ヤツも反省したみたいやし。
お風呂上がってきた尊。
「ごめんね。みのりさん」
言いながらあたしベッドに押し倒す。
ちょっと待ていっ!!
「だってみのりさんとしたいんだもん」
反省したんやないんか、オマエはっ。
そして。
あたしの隣でしくしく。
まったくコイツは!
やっぱ客間で寝よかな。
「みのりさん!?どこ行くのっ」
「下で寝る」
「待ってっ!ごめんってば!」
あたしの手掴む尊。
尊の携帯が鳴る。
深夜の電話は不吉なイメージ。
「…なんだよ。こんな時間に」
手、離せ。
「…大事な相談?なんだそれ」
なにやら。深刻そうな電話。
「…まあ、お前は俺の一番の後輩だしな。しょうがねえな。龍二」
さっきまで泣いてたくせに。
尊が。怖い顔した。
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