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そのよん
そのよん-4
しおりを挟む深夜の来客は。
嵐を呼ぶ予感。
て、事はないやろけどね。
「みのりさん、夜中にすみません」
申し訳なさそうな龍二くん。
隣には。
セットしたくるくるの髪にパーカーとデニム。
うむ。キャバクラのお嬢さんだな。
リビングのソファー。
尊とあたしの向かい側に二人申し訳なさそうに座る。
「今から龍二来るから」
電話切った尊があたしの手掴んだまま言った。
「わかったけど。手離してよ」
尊がまた半分泣き顔に戻って。
「…みのりさん…ごめんね」
しくしく。
あああ。
アンタ龍二くんの前でそんな顔する気か。
一応、先輩としての威信てものがだな。
「ごめんなさい…」
しくしく。
尊も、まあ。
こんな顔で龍二くんに会うのもなんだし。
仕方ない。
一時休戦してやるか。
「…しばらくえっち無しやからね」
「…いつまで」
いつまでと言われてもな。
「あたしがそう言う気になるまで」
「……」
尊が何事か考える顔して。
「みのりさんがその気になるまで我慢する」
にっこり。
コイツ。絶対いたらん事考えてるな。
「みのりさん…ぎゅう、させて?」
まあ、いいか。ベッド座ると背中をからあたし抱き締める。
「ごめんね」
髪にキスして。
「愛してる」
ほっぺたにキスして。
「みのりさん…」
首筋に。って!
「たっ、尊っ!」
いい加減にしろっ!!
「…しないから。龍二来るまで抱っこだけ」
「…いらん事したら」
「うん。抱っこだけ」
「手動かしたら…」
「うん。ぎゅう、したいだけ」
そんなこんなで。
立ち直った尊。
「で。相談てなんだよ、龍二」
今鳴いたカラスが。
先輩風、吹かせてます。
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