You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅう-たけるにっき

そのじゅう-たける6

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みのりさんがリカと会った。

信じらんねえ。

みのりさん、アイツに何もされなかったの?

アイツに俺の事、なんか聞いたの?

凄い不安になった。

みのりさんは眼の前にいる。

ちゃんと、俺の前にいる。

いなくなったりしない。

みのりさんは、リカの事聞きたがったけど言わなかった。

けど、後で考えたらみのりさんの話、よく聞いとけば良かった。

そしたらあんな事にならなかったのに。

まさか、リカの連絡先知ってるなんて思わなかった。

俺は客についてる時は、プライベートの携帯は持たない。

店の決まりだしな。

プライベートの携帯はカウンターに皆預けてる。

俺は客についてない時は、大抵、みのりさんに電話かメッセージしてる。

客についてても、手が空いたら携帯のチェックはする。

みのりさん、大体一時くらいには寝てしまうからそのくらいから後は、店も忙しくなるし、携帯チェックもあまりしなくなる。

あの日はたまたま。

カウンターにいるボーイが、電話鳴ってましたよ、って言った。

「龍二呼んでこい」

メッセージを見てすぐ、ボーイに言った。

リカん家にみのりさんが行った。

あの女がみのりさんをただで帰すワケ無え。

今までだって自分の男使って、俺の客に絡んだりしてる。

リカがいる店のママは俺の客だから、あんまりしつこかったらそっちに言うつもりだったけど。

みのりさんになんかしやがったら、殺してやる。

マネージャーに。

「俺の女が危ねえから抜ける」

て言って店出た。

客の事なんか知るか。

みのりさんの方が百倍大事だ。

客の事は、マネージャーが上手いことしといてくれる。

リカの店に行ったらもう看板の電気は落ちてる。

龍二が店のドアを開けると、ボーイが片付けしてた。

締め上げても、リカの家を知らないって言う。

みのりさんにずっと電話してるのに、出ねえ。

どうしたらいいんだよ。

みのりさんになんかあったら。

俺、生きてらんねえ。

「尊じゃない、どうしたのよ!?」

客送って戻ってきたママが俺を見てびっくりしてた。

事情を話して、リカの家教えてもらった。

意外と近かったから。

龍二と二人で走った。

みのりさんになんかあったら。

リカん家のドア、鍵かかってて開かねえ。

「尊さん、ちょっと下がってて下さい」

龍二がドアに蹴り、入れた。ドアの真ん中よりちょっと下が、ぼっこりへこんだけど開かない。

次は肩から体当たりする龍二。

何度目かで蝶番が外れて、開いたドアから龍二が先に飛び込んだ。

靴履いたまま龍二の後追っかけた。

龍二が男に跨がって殴り付けてる、横のソファーに。

みのりさん。

ソファーで横向きに寝てる。

龍二の様子からして、犯られる寸前だったか。

ちょっと、ほっとしたら。

俺の指先が触れただけで、異常に反応する。

後ろでリカが嘲笑う。

なにしやがった。

この女、みのりさんになにしやがった!?

リカの胸ぐら掴んで引っ張った。

許さねえ。

コイツ絶対許さねえ。

みのりさんに薬使って、どうするつもりだったんだ。

もし、みのりさんがそこの男に犯られてたら。

俺、立ち直れないかも知れない。

けど。それよりもっと。

みのりさん、死ぬよりツラい事になってた。

許さねえ。許さねえ。許さねえ。

殺す。

絶対、殺す。

俺の大事なものに。

俺の大事な女に。

みのりさんに。

殺してやる。

「ダメっ…!」

みのりさんの絞りだしたような小さな声で、意識が降り戻された。

怒り収まらねえから、リカの身体を壁に叩きつけた。

今度みのりさんになんかしやがったら。

その時は容赦しねえ。

次があると思うな。

俺をなめんな。

みのりさん、過敏になってるから触るのかわいそうだけど。

ソファーから抱き上げた。

龍二はまだ殴ってる。

のぼせてやがる。

みのりさんに手、出そうとしたヤツなんか死んだって構やしねえけど。

「行きましょうか」

冷静になった龍二が、ハンカチで血を拭きながら言った。

みのりさんを連れて家に戻った。

龍二は帰した。

ホントは、みのりさんを見てるのは俺一人じゃキツイ。

でも、龍二がいてもどうしようも無い。

ソファーでみのりさん抱えて。

泣いてるみのりさん。

それ見て、涙こらえるしか無い俺。

薬効いてるから、みのりさんツラそうだ。

抱いてあげるしかないんだけど。気持ちが整理つかない。

そうしてるうちに、みのりさんが俺の膝から飛び降りた。

俺を見るみのりさん。

ごめんね。

わかったから。

身体、どうにかしようね。

「おいで。抱いてあげるから」

ベッドに連れてって、服脱がせてあげて。

ごめんね。

俺のせいで。

ごめんね。

守ってあげられなくて。

ごめんね。ごめんね。ごめんね、みのりさん。

「泣かないで」

みのりさんが小さな声で言った。

俺が守るって言ったのに。

ごめんね。

みのりさんが意識とんだ後も、抱き続けた。

俺が。

俺のものになって。

言わなかったら。

俺に関わってたら、またこんな事あるかも知れない。

みのりさんは。

俺なんかと一緒にいちゃいけないひと。

普通の世界のひとだから。

だから。離れた方がいいんだ。

そう、思ったのに。

「次からちゃんと守ってよ!!」

みのりさんは、みのりさんだった。

みのりさんも、なんかの覚悟決めてんのかな。

やっぱ、俺が好きになっただけある。

可愛くて。可愛くて。そんで、強い。

「尊が好き」

初めて自分から言ってくれた。

すっげえオマケ付きだった。

やっぱ、手離せねえや。

好き。

好きで好きでたまんない。

俺、みのりさんが好き。

もう、絶対。

離さないから。

ずっと俺が、守るから。

大好きだよ。




みのりさんと俺。

出逢ったのはやっぱ意味があるのかな。

俺にとっては初めて好きになったひと。

初めてだから、ちょっとどうしていいかわかんねえ時もあるけど。

わかんねえから、プレゼントしてみたりとか。

気持ちを現すのって難しいな。

だから、俺にとってはセックスはその手段の一つなんだよ。

なんでそこらへんがわかんないかな。

どんだけ俺が気持ち込めてるか。

言葉責めすんのは、ただの趣味だけど。みのりさんの反応が可愛すぎて俺もノッちゃうからやめらんねえ。

それは置いといて。

今までの女とかだったら、一回ヤッて後一緒のベッドに寝てるのもウザかったのに。

俺は出すもん出したからもういいよ、みたいな感じだった。

俺、基本的に女好きじゃねえし。

女って面倒臭えし。

今でもみのりさん以外の女はそう思ってる。

みのりさんとは、した後もくっついてたい。

初めてした時、すんげえ可愛かったな。

「あんまりイッたりとかしないから」

そんなの、今までの男が悪い。

イク顔見たかったし、いっぱい触ってあげたらちゃんと気持ち良くなってくれたし。

イク時の顔、やっぱ思った通り可愛かった。

声もすげえ可愛いからたくさん鳴かせたくなる。

俺でいっぱい感じてくれたし、した事無い事もしてくれたし。やっぱ。

そう言うの、むちゃくちゃ嬉しかった。

俺ホントにみのりさん以外の女とはしたくねえ。

色々思い出してたら、したくなってきた。

だから違うんだよ。

性欲がどう、とかじゃなくて。

みのりさんを愛したいだけなんだよ。

そこらへん、わかってよ。

俺はみのりさんがいれば、他の事はどうでもいいや。

そう思うけど。

そう言うワケにもいかねえよな。

母さんいるし。仲間もいるし。

俺がそんな風に考える様になったのは、みのりさんがいるから。

俺の好きなみのりさんがいるのは、みのりさんの家族や友達がいたから。

今のみのりさんにしてくれてありがとう。って感じ。

口じゃ言えねえけどな。

みのりさんが動物好きなとこも、みのりさんらしくてホントは可愛いと思ってる。

動物好きなみのりさんが可愛いんであって、動物が可愛いワケじゃないけど。

……やっぱ、マズかったかな。

みのりさん、こてつが心配だったんだよな。

セックスしてる場合じゃないよな。

俺、余裕無くなるからな。みのりさんの事になると。

俺が悪かったよな。

多分。

旅行用の買い物して、注文してたみのりさんの誕生日プレゼント受け取り行って。

それから、電話しよ。

ごめん、って言って。

そんで。

好き。って。

言おう。
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