You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

文字の大きさ
上 下
69 / 160
そのじゅう-たけるにっき

そのじゅう-たける6

しおりを挟む
みのりさんがリカと会った。

信じらんねえ。

みのりさん、アイツに何もされなかったの?

アイツに俺の事、なんか聞いたの?

凄い不安になった。

みのりさんは眼の前にいる。

ちゃんと、俺の前にいる。

いなくなったりしない。

みのりさんは、リカの事聞きたがったけど言わなかった。

けど、後で考えたらみのりさんの話、よく聞いとけば良かった。

そしたらあんな事にならなかったのに。

まさか、リカの連絡先知ってるなんて思わなかった。

俺は客についてる時は、プライベートの携帯は持たない。

店の決まりだしな。

プライベートの携帯はカウンターに皆預けてる。

俺は客についてない時は、大抵、みのりさんに電話かメッセージしてる。

客についてても、手が空いたら携帯のチェックはする。

みのりさん、大体一時くらいには寝てしまうからそのくらいから後は、店も忙しくなるし、携帯チェックもあまりしなくなる。

あの日はたまたま。

カウンターにいるボーイが、電話鳴ってましたよ、って言った。

「龍二呼んでこい」

メッセージを見てすぐ、ボーイに言った。

リカん家にみのりさんが行った。

あの女がみのりさんをただで帰すワケ無え。

今までだって自分の男使って、俺の客に絡んだりしてる。

リカがいる店のママは俺の客だから、あんまりしつこかったらそっちに言うつもりだったけど。

みのりさんになんかしやがったら、殺してやる。

マネージャーに。

「俺の女が危ねえから抜ける」

て言って店出た。

客の事なんか知るか。

みのりさんの方が百倍大事だ。

客の事は、マネージャーが上手いことしといてくれる。

リカの店に行ったらもう看板の電気は落ちてる。

龍二が店のドアを開けると、ボーイが片付けしてた。

締め上げても、リカの家を知らないって言う。

みのりさんにずっと電話してるのに、出ねえ。

どうしたらいいんだよ。

みのりさんになんかあったら。

俺、生きてらんねえ。

「尊じゃない、どうしたのよ!?」

客送って戻ってきたママが俺を見てびっくりしてた。

事情を話して、リカの家教えてもらった。

意外と近かったから。

龍二と二人で走った。

みのりさんになんかあったら。

リカん家のドア、鍵かかってて開かねえ。

「尊さん、ちょっと下がってて下さい」

龍二がドアに蹴り、入れた。ドアの真ん中よりちょっと下が、ぼっこりへこんだけど開かない。

次は肩から体当たりする龍二。

何度目かで蝶番が外れて、開いたドアから龍二が先に飛び込んだ。

靴履いたまま龍二の後追っかけた。

龍二が男に跨がって殴り付けてる、横のソファーに。

みのりさん。

ソファーで横向きに寝てる。

龍二の様子からして、犯られる寸前だったか。

ちょっと、ほっとしたら。

俺の指先が触れただけで、異常に反応する。

後ろでリカが嘲笑う。

なにしやがった。

この女、みのりさんになにしやがった!?

リカの胸ぐら掴んで引っ張った。

許さねえ。

コイツ絶対許さねえ。

みのりさんに薬使って、どうするつもりだったんだ。

もし、みのりさんがそこの男に犯られてたら。

俺、立ち直れないかも知れない。

けど。それよりもっと。

みのりさん、死ぬよりツラい事になってた。

許さねえ。許さねえ。許さねえ。

殺す。

絶対、殺す。

俺の大事なものに。

俺の大事な女に。

みのりさんに。

殺してやる。

「ダメっ…!」

みのりさんの絞りだしたような小さな声で、意識が降り戻された。

怒り収まらねえから、リカの身体を壁に叩きつけた。

今度みのりさんになんかしやがったら。

その時は容赦しねえ。

次があると思うな。

俺をなめんな。

みのりさん、過敏になってるから触るのかわいそうだけど。

ソファーから抱き上げた。

龍二はまだ殴ってる。

のぼせてやがる。

みのりさんに手、出そうとしたヤツなんか死んだって構やしねえけど。

「行きましょうか」

冷静になった龍二が、ハンカチで血を拭きながら言った。

みのりさんを連れて家に戻った。

龍二は帰した。

ホントは、みのりさんを見てるのは俺一人じゃキツイ。

でも、龍二がいてもどうしようも無い。

ソファーでみのりさん抱えて。

泣いてるみのりさん。

それ見て、涙こらえるしか無い俺。

薬効いてるから、みのりさんツラそうだ。

抱いてあげるしかないんだけど。気持ちが整理つかない。

そうしてるうちに、みのりさんが俺の膝から飛び降りた。

俺を見るみのりさん。

ごめんね。

わかったから。

身体、どうにかしようね。

「おいで。抱いてあげるから」

ベッドに連れてって、服脱がせてあげて。

ごめんね。

俺のせいで。

ごめんね。

守ってあげられなくて。

ごめんね。ごめんね。ごめんね、みのりさん。

「泣かないで」

みのりさんが小さな声で言った。

俺が守るって言ったのに。

ごめんね。

みのりさんが意識とんだ後も、抱き続けた。

俺が。

俺のものになって。

言わなかったら。

俺に関わってたら、またこんな事あるかも知れない。

みのりさんは。

俺なんかと一緒にいちゃいけないひと。

普通の世界のひとだから。

だから。離れた方がいいんだ。

そう、思ったのに。

「次からちゃんと守ってよ!!」

みのりさんは、みのりさんだった。

みのりさんも、なんかの覚悟決めてんのかな。

やっぱ、俺が好きになっただけある。

可愛くて。可愛くて。そんで、強い。

「尊が好き」

初めて自分から言ってくれた。

すっげえオマケ付きだった。

やっぱ、手離せねえや。

好き。

好きで好きでたまんない。

俺、みのりさんが好き。

もう、絶対。

離さないから。

ずっと俺が、守るから。

大好きだよ。




みのりさんと俺。

出逢ったのはやっぱ意味があるのかな。

俺にとっては初めて好きになったひと。

初めてだから、ちょっとどうしていいかわかんねえ時もあるけど。

わかんねえから、プレゼントしてみたりとか。

気持ちを現すのって難しいな。

だから、俺にとってはセックスはその手段の一つなんだよ。

なんでそこらへんがわかんないかな。

どんだけ俺が気持ち込めてるか。

言葉責めすんのは、ただの趣味だけど。みのりさんの反応が可愛すぎて俺もノッちゃうからやめらんねえ。

それは置いといて。

今までの女とかだったら、一回ヤッて後一緒のベッドに寝てるのもウザかったのに。

俺は出すもん出したからもういいよ、みたいな感じだった。

俺、基本的に女好きじゃねえし。

女って面倒臭えし。

今でもみのりさん以外の女はそう思ってる。

みのりさんとは、した後もくっついてたい。

初めてした時、すんげえ可愛かったな。

「あんまりイッたりとかしないから」

そんなの、今までの男が悪い。

イク顔見たかったし、いっぱい触ってあげたらちゃんと気持ち良くなってくれたし。

イク時の顔、やっぱ思った通り可愛かった。

声もすげえ可愛いからたくさん鳴かせたくなる。

俺でいっぱい感じてくれたし、した事無い事もしてくれたし。やっぱ。

そう言うの、むちゃくちゃ嬉しかった。

俺ホントにみのりさん以外の女とはしたくねえ。

色々思い出してたら、したくなってきた。

だから違うんだよ。

性欲がどう、とかじゃなくて。

みのりさんを愛したいだけなんだよ。

そこらへん、わかってよ。

俺はみのりさんがいれば、他の事はどうでもいいや。

そう思うけど。

そう言うワケにもいかねえよな。

母さんいるし。仲間もいるし。

俺がそんな風に考える様になったのは、みのりさんがいるから。

俺の好きなみのりさんがいるのは、みのりさんの家族や友達がいたから。

今のみのりさんにしてくれてありがとう。って感じ。

口じゃ言えねえけどな。

みのりさんが動物好きなとこも、みのりさんらしくてホントは可愛いと思ってる。

動物好きなみのりさんが可愛いんであって、動物が可愛いワケじゃないけど。

……やっぱ、マズかったかな。

みのりさん、こてつが心配だったんだよな。

セックスしてる場合じゃないよな。

俺、余裕無くなるからな。みのりさんの事になると。

俺が悪かったよな。

多分。

旅行用の買い物して、注文してたみのりさんの誕生日プレゼント受け取り行って。

それから、電話しよ。

ごめん、って言って。

そんで。

好き。って。

言おう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

処理中です...