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前篇
宗家の事情
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【魔界には四つの大きな結晶石がある。――すなわち、火の結晶石、水の結晶石、土の結晶石、風の結晶石。世界を構成するエネルギーが結晶化したと伝わるものだ。
それぞれの属性で、魔力が一番強い家系が結晶石を浄めており、彼らは杜人四家と呼ばれている。
それに対して、魔界の人々の属性は六つ。――火、水、土、風、光、闇。
光と闇は、他の四属性よりエネルギーが繊細で命の根源に近い。そのため、得意不得意はあれど全ての属性を扱える。
属性は目の色に出るが、光と闇には当てはまらない。それでも彼らは、他の四属性より繊細な気を纏っているためそれと判る。
とはいえ、光か闇かは髪の色で当たりを付けるしかない。光属性は淡い色合いが多く、闇属性は黒髪が多い。】
顔合わせがあるからと回収されて行ったラウレルは、意外と早く部屋に戻って来た。
「おつー、早かったな」
「初等部と同じ面子だから」
「ふぅん。晩飯、行こうぜ」
寮には食堂があるが、おれにラウレル、ジン、アスファーの四人は、週ごと交代で互いの部屋で食べている。部屋に簡易キッチンがあり、アスファーとジンも同室だから出来ることだ。
食堂は少し遠い上に開いてる時間が決まっているし、人が多くてあまり好きではない。
アスファーたちの部屋は隣なので、行き来も楽だった。
そんなわけで、おれとラウレルはさっそく隣の部屋へ向かう。
年期の入った木製の扉を適当にノックして入ると、中からいい匂いが漂ってきた。しかし、玄関先の靴は一足しかない。首を傾げて部屋に上がった。
「お、まさかこれ、ジンが作ったのか?」
テーブルに並んだ料理は美味しそうに見える。思わずラウレルと目を見合わせてしまった。
「嫌なら食うな」
「言ってないじゃん。だいぶ上達したな~」
去年はだいたいアスファーが作っていた。一度食べたジンの料理は、味も見た目もちょっと残念だった記憶がある。
「なんでおまえは上から目線なんだ殴るぞ」
「ちょ、殴りながら言うの反則!」
「なあ、アスファー待たなくていいのか?」
ラウレルの最もな質問に、ジンはやっと腕を引っ込めた。
「どうせ遅くなるだろ。構わない」
どこか不貞腐れた言い方だったが、お許しが出たので手を合わせる。
「いただきまーす」
「飲み物運べバカ」
「コップ運んだじゃん」
「もう一往復くらいしやがれ。ああ、わるいラウレル」
おれは遠慮なく、味も見た目もだいぶマシになった料理にありつく。今日はたくさん運動して、腹が減っていた。
ラウレルとジンもそうなのだろう。いつもよりフォークを持った手の動きが速い。
ガツガツ食べてお腹が落ち着いた頃、思考が巡り、口から言葉が出た。
「なあ、風紀も人、同じなんじゃないのか?」
どうしてアスファーは、すぐに帰ってこられないのだろう?
ラウレルに目をやると、手を止めて答えてくれる。
「でも、……いや、だからか」
「なに?」
「副委員長らに気に入られてんだよ、アイツ」
的確な言葉をくれたのはジンだった。
「ああ、ヤキモチ」
その瞬間、飛んできたフォークが後ろの壁に刺さった。
「ジンがなんて言ってなッ」
今度は万年筆だ。目玉スレスレでガシッと掴む。壁に刺すには、勿体ない気がしてしまったのだ。
「っぶねー」
見れば何事もなかったかのように食事していた二人に頬がヒクついた。ラウレルって、たまに薄情だと思う。
「……二人も、先輩たちと仲いいんだ?」
「たまに学園外でも会うからな」
ジンは目も向けてくれないが、答えはちゃんとくれる。
「どこで?」
「催し物」
「なんの?」
「……俺ら宗家だろ? 色々あんだよ」
「……あー、そうだっけね」
そこ、白けた顔しない。
ジンもアスファーもラウレルも宗家の人間。おれの属性の宗家の坊やも、たしかこのくらいの年齢だった。
「交流あるんだ」
「ああ、昔の教訓だな。喧嘩しないよう、ガキの頃から親しくさせておこうと…」
「毎日してんじゃん」
「黙れ」
昔は、各属性の仲が悪くて領土争いになったりしていた。今では平和そのものの世界にも、荒んだ時代はあったのだ。
【しかしながら魔力を持たない人々とは仲違いしたままで、お互い不干渉で生活するようになる。
それ以来、彼らの暮らす世界を人間界、自分たちの世界を魔界と呼ぶようになった。】
料理を完食したラウレルが、お茶を飲みながら唐突に呟く。
「イオは変わってるよな」
「なにが?」
そちらを向くと、ひょいと肩をすくめられた。
「宗家の者に易々と声をかける者はそういない」
「え、ごめん」
常識をあまり知らない自覚はあるので、とりあえず謝っておく。するとラウレルは手の甲を口許に当て、声を抑えて笑い出してしまった。
「なに…」
助けを求めてジンの方を向くと、彼は夕日みたいに暖かな眼差しをしている。
「いい意味で驚いたんだよ」
それがあまり見ない表情だったので、言葉に詰まった。
「、……嬉しかったならそう言えよな」
「っとに上からだな、おまえは」
ガシガシと髪をかき混ぜられて、少し反応に困る。その、ぜんぜん嫌そうじゃない表情とか。
「……年齢、同じでよかったじゃん」
「それな、思う」
「そうだな」
視線を合わせるお二人さんに苦笑する。ジンはラウレルには素直だ。
「ジンなんて、絶対友達できないぜ。本の虫だし」
「うるさい」
「大丈夫だ、ジンは優しいから」
「ラウレルも黙ってろ!」
「、ごめん」
笑い出したラウレルの頭を軽く叩いて、ジンはそっぽを向く。長めの前髪で表情は隠れてしまったが、耳が赤い。
ジンをもっと弄り倒そうかとも思ったけれど、なんとなく止めておいた。
「ちびっこい頃のおまえらも想像つくよな」
「あ?」
「ジンとアスファーが喧嘩して、ラウレルが仲裁に入る感じ。……うーん、ラウレルには荷が重そうだ」
するとジンは、眉根を寄せてラウレルを見やる。
「こいつ、怒ると一番怖いぞ」
「そうなの?」
「そんなことないだろ」
否定するラウレルに耳も貸さず、ジンは頷く。
「喧嘩両成敗でアスと二人して術かけられて、何度ヘロヘロになったことか」
「いや、懲りないおまえらが悪いと思う」
「ラウレルが一番強いのに、容赦ないんだぜ」
「自業自得だ」
キッパリと言い切ったラウレルの声は、別段大きくないのによく響いた。
「……まあ、学園外では、ラウレル光だから、杜人より会う頻度は少なかったな」
「つまり、アスファーと会う頻度の方が高かったと」
「アスだけじゃねーよ」
睨み付けるような目で言われ、笑いを堪えて返事をする。
「ふうん」
「……おまえの顔見てると殴りたくなるんだよな」
顔がニヤけるのは抑えきれていなかったらしい。
「暴力反対!」
いつもの展開になった時、ふとクッションを弄りながらラウレルがこちらに群青色の瞳を向けた。
「俺たちの代は、宗家の仲が良いって言われてる」
「年齢が近いから?」
「それは大きいと思う。この三から五学年に全員いるだろ」
「へぇ」
適当に相槌を打つと、ジンが眉根を寄せてこちらを見てきた。
朱色の瞳が探るように深まる。
「おまえ、どんだけ田舎者なんだ。色々知らなすぎだろ」
「……えー、ジン君ヒドイ」
「幻想界の者か?」
「違う違う」
「……まあ、いいけど」
学園長がしっかりしているので身元が怪しい人は学園に入れない。だから皆安心して子供を預けるのだ。彼を信じて欲しい。
「あ、もうこんな時間」
懐中時計片手にラウレルが呟いて、その場はお開きになった。
「結局、アスファー戻らなかったな」
ラウレルがそう言ったのは、おれらの部屋に戻ってからだった。
ラウレルもおれも、決して彼のことを忘れていた訳じゃないと思いたい。
それぞれの属性で、魔力が一番強い家系が結晶石を浄めており、彼らは杜人四家と呼ばれている。
それに対して、魔界の人々の属性は六つ。――火、水、土、風、光、闇。
光と闇は、他の四属性よりエネルギーが繊細で命の根源に近い。そのため、得意不得意はあれど全ての属性を扱える。
属性は目の色に出るが、光と闇には当てはまらない。それでも彼らは、他の四属性より繊細な気を纏っているためそれと判る。
とはいえ、光か闇かは髪の色で当たりを付けるしかない。光属性は淡い色合いが多く、闇属性は黒髪が多い。】
顔合わせがあるからと回収されて行ったラウレルは、意外と早く部屋に戻って来た。
「おつー、早かったな」
「初等部と同じ面子だから」
「ふぅん。晩飯、行こうぜ」
寮には食堂があるが、おれにラウレル、ジン、アスファーの四人は、週ごと交代で互いの部屋で食べている。部屋に簡易キッチンがあり、アスファーとジンも同室だから出来ることだ。
食堂は少し遠い上に開いてる時間が決まっているし、人が多くてあまり好きではない。
アスファーたちの部屋は隣なので、行き来も楽だった。
そんなわけで、おれとラウレルはさっそく隣の部屋へ向かう。
年期の入った木製の扉を適当にノックして入ると、中からいい匂いが漂ってきた。しかし、玄関先の靴は一足しかない。首を傾げて部屋に上がった。
「お、まさかこれ、ジンが作ったのか?」
テーブルに並んだ料理は美味しそうに見える。思わずラウレルと目を見合わせてしまった。
「嫌なら食うな」
「言ってないじゃん。だいぶ上達したな~」
去年はだいたいアスファーが作っていた。一度食べたジンの料理は、味も見た目もちょっと残念だった記憶がある。
「なんでおまえは上から目線なんだ殴るぞ」
「ちょ、殴りながら言うの反則!」
「なあ、アスファー待たなくていいのか?」
ラウレルの最もな質問に、ジンはやっと腕を引っ込めた。
「どうせ遅くなるだろ。構わない」
どこか不貞腐れた言い方だったが、お許しが出たので手を合わせる。
「いただきまーす」
「飲み物運べバカ」
「コップ運んだじゃん」
「もう一往復くらいしやがれ。ああ、わるいラウレル」
おれは遠慮なく、味も見た目もだいぶマシになった料理にありつく。今日はたくさん運動して、腹が減っていた。
ラウレルとジンもそうなのだろう。いつもよりフォークを持った手の動きが速い。
ガツガツ食べてお腹が落ち着いた頃、思考が巡り、口から言葉が出た。
「なあ、風紀も人、同じなんじゃないのか?」
どうしてアスファーは、すぐに帰ってこられないのだろう?
ラウレルに目をやると、手を止めて答えてくれる。
「でも、……いや、だからか」
「なに?」
「副委員長らに気に入られてんだよ、アイツ」
的確な言葉をくれたのはジンだった。
「ああ、ヤキモチ」
その瞬間、飛んできたフォークが後ろの壁に刺さった。
「ジンがなんて言ってなッ」
今度は万年筆だ。目玉スレスレでガシッと掴む。壁に刺すには、勿体ない気がしてしまったのだ。
「っぶねー」
見れば何事もなかったかのように食事していた二人に頬がヒクついた。ラウレルって、たまに薄情だと思う。
「……二人も、先輩たちと仲いいんだ?」
「たまに学園外でも会うからな」
ジンは目も向けてくれないが、答えはちゃんとくれる。
「どこで?」
「催し物」
「なんの?」
「……俺ら宗家だろ? 色々あんだよ」
「……あー、そうだっけね」
そこ、白けた顔しない。
ジンもアスファーもラウレルも宗家の人間。おれの属性の宗家の坊やも、たしかこのくらいの年齢だった。
「交流あるんだ」
「ああ、昔の教訓だな。喧嘩しないよう、ガキの頃から親しくさせておこうと…」
「毎日してんじゃん」
「黙れ」
昔は、各属性の仲が悪くて領土争いになったりしていた。今では平和そのものの世界にも、荒んだ時代はあったのだ。
【しかしながら魔力を持たない人々とは仲違いしたままで、お互い不干渉で生活するようになる。
それ以来、彼らの暮らす世界を人間界、自分たちの世界を魔界と呼ぶようになった。】
料理を完食したラウレルが、お茶を飲みながら唐突に呟く。
「イオは変わってるよな」
「なにが?」
そちらを向くと、ひょいと肩をすくめられた。
「宗家の者に易々と声をかける者はそういない」
「え、ごめん」
常識をあまり知らない自覚はあるので、とりあえず謝っておく。するとラウレルは手の甲を口許に当て、声を抑えて笑い出してしまった。
「なに…」
助けを求めてジンの方を向くと、彼は夕日みたいに暖かな眼差しをしている。
「いい意味で驚いたんだよ」
それがあまり見ない表情だったので、言葉に詰まった。
「、……嬉しかったならそう言えよな」
「っとに上からだな、おまえは」
ガシガシと髪をかき混ぜられて、少し反応に困る。その、ぜんぜん嫌そうじゃない表情とか。
「……年齢、同じでよかったじゃん」
「それな、思う」
「そうだな」
視線を合わせるお二人さんに苦笑する。ジンはラウレルには素直だ。
「ジンなんて、絶対友達できないぜ。本の虫だし」
「うるさい」
「大丈夫だ、ジンは優しいから」
「ラウレルも黙ってろ!」
「、ごめん」
笑い出したラウレルの頭を軽く叩いて、ジンはそっぽを向く。長めの前髪で表情は隠れてしまったが、耳が赤い。
ジンをもっと弄り倒そうかとも思ったけれど、なんとなく止めておいた。
「ちびっこい頃のおまえらも想像つくよな」
「あ?」
「ジンとアスファーが喧嘩して、ラウレルが仲裁に入る感じ。……うーん、ラウレルには荷が重そうだ」
するとジンは、眉根を寄せてラウレルを見やる。
「こいつ、怒ると一番怖いぞ」
「そうなの?」
「そんなことないだろ」
否定するラウレルに耳も貸さず、ジンは頷く。
「喧嘩両成敗でアスと二人して術かけられて、何度ヘロヘロになったことか」
「いや、懲りないおまえらが悪いと思う」
「ラウレルが一番強いのに、容赦ないんだぜ」
「自業自得だ」
キッパリと言い切ったラウレルの声は、別段大きくないのによく響いた。
「……まあ、学園外では、ラウレル光だから、杜人より会う頻度は少なかったな」
「つまり、アスファーと会う頻度の方が高かったと」
「アスだけじゃねーよ」
睨み付けるような目で言われ、笑いを堪えて返事をする。
「ふうん」
「……おまえの顔見てると殴りたくなるんだよな」
顔がニヤけるのは抑えきれていなかったらしい。
「暴力反対!」
いつもの展開になった時、ふとクッションを弄りながらラウレルがこちらに群青色の瞳を向けた。
「俺たちの代は、宗家の仲が良いって言われてる」
「年齢が近いから?」
「それは大きいと思う。この三から五学年に全員いるだろ」
「へぇ」
適当に相槌を打つと、ジンが眉根を寄せてこちらを見てきた。
朱色の瞳が探るように深まる。
「おまえ、どんだけ田舎者なんだ。色々知らなすぎだろ」
「……えー、ジン君ヒドイ」
「幻想界の者か?」
「違う違う」
「……まあ、いいけど」
学園長がしっかりしているので身元が怪しい人は学園に入れない。だから皆安心して子供を預けるのだ。彼を信じて欲しい。
「あ、もうこんな時間」
懐中時計片手にラウレルが呟いて、その場はお開きになった。
「結局、アスファー戻らなかったな」
ラウレルがそう言ったのは、おれらの部屋に戻ってからだった。
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