1 / 87
前篇
今日から四年生
しおりを挟む
朝、伸びを一つして窓を開ける。肌寒い風に頬を撫でられ、ようやく頭が覚醒した。
はらりと舞い込んできた薄紅色の花弁に目をやる。
「ここに来てもう一年か…」
時の流れが早い。
穏やかに過ぎ去った、賑やかで楽しい日々を思うと頬が緩んだ。
ゆったりと机へ向かい、そこに置かれた鶯色の本を手に取る。――手帳のように見えるが、開くとサイズが大きくなって、立派な分厚い本になるのだ。
そうして、『アカシャの欠片』 と書かれた表紙をそっと撫でた。
「今年は――」
そのとき、隣の部屋のドアが開く音がした。
寮は二人部屋。といっても、それぞれに個室がある。ベッドと机とチェストでみっちりな狭い部屋ではあるが、プライベートな空間があるのは素直にありがたい。
おれは手早くシルクのシャツに着替え、濃紺の制服の内ポケットに本を仕舞う。
支度を終えて共有スペースに出れば、爽やかな香りが漂っていた。
「おはよう」
声を掛けてくれたのは、温かなティーカップを両手に持った同室者のラウレルだ。群青色の瞳はしっかりとこちらを捉え、金糸雀色の髪はすでにセットされていた。
「おはよ。今日早くない?」
「……初日だからな」
律儀だ。おれと違って初等部からここにいるのに。
いつもはおれが起こすまで布団から出ないから、色んな意味で感心してしまう。
おれは急いで顔を洗って適当に髪を立たせ、ラウレルの隣に座った。
「おれらのクラスは、人、変わらないんだろ?」
魔力の強い生徒が集う特級は、生徒の入れ換えがないと聞く。
生まれつきで魔力の容量や能力は決まっているので、変わりようがないのだ。早く行っても、真新しいことなんてない。
「ああ。……いいだろ別に」
ラウレルは他人の気持ちを察してしまう、繊細で優しいヤツだ。
表情は変わらないが、カップを見詰める姿が拗ねているようで笑ってしまった。睨まれたけど、いきなり真顔になんてなれない。
「、ごめんって。ほら、行こうぜ」
空になった二つのティーカップを持って言えば、こくりと頷いてくれた。
おれが去年編入したアルコイリス学園は、魔界にある学び舎の中で最も歴史がある。
石造りの学舎は当時の姿のままで、寮に至っては、修道院のようだ。しかし内部は過ごしやすいよう改装されているため、不便はなかった。
この学園の特徴として、様々な属性の生徒に加え、幻想界の住人もいる。幻想界は普段関わりのない世界なので、魔界では存在を忘れがちだ。
それでも同じ惑星に住んでいるわけで。時には、影響を及ぼしてしまったりする。
それは大抵よくない影響だ。
そのため、彼らの事もちゃんと考えましょうと、中等部から交換留学が行われるようになった、らしい。
始業式の会場となる大理石で造られた講堂に着くと、すでに多くの人がいた。入り口付近は特に、ガキンチョ共がわいわい騒いでとっても賑やかだ。それを見て、中等部は十三才~十八才までだったことを思い出した。
顔をしかめて立ち止まってしまう。――入りたくない。
「早めに来てよかったろ」
「……おっしゃる通りです」
ポーカーフェイスのラウレルに腕を引かれて渋々歩く。前方にある特級のテーブルに着く頃には、疲れきっていた。
喧騒から離れ、ほっと息を吐く。
意外だと言いたげにこちらを見てくるラウレルを無言で促した。
「賑やかなの、嫌いなのか?」
「嫌いじゃないけど疲れるじゃん」
言えばおかしそうに笑われ、首を傾げてしまう。
「言い方がずいぶん、くたびれてたから」
「おれももう若くないからな」
肩をすくめて答えた。年齢を数えるなんて、するだけ無駄だけど。第一、基準がないし。
「おまえはまだ十六だろうが」
後ろから降ってきた声に振り返る。うんざり顔のジンと目が合った。飴色の前髪を億劫そうに掻き上げている。どうやらこいつも、喧騒が嫌いらしい。
「一緒にするなよ」
「はあ? 事実だろ」
「おまえら久し振りだな、元気だったか?」
眉根を寄せたジンの後ろから現れたのは、黄土色の髪をオールバックにした、鋭い金の瞳を持つアスファーだ。
ラウレルが肩をすくめる。
「……アスファーは元気そうだな」
「おうよ。式だけは早いよな、おまえ」
ニヤリと笑って答えたアスファーに、ラウレルはそっぽを向いてしまう。
「ほっとけ」
「とりあえず座ったら?」
おれは小首を傾げて促した。
アスファーは無駄にデカイし、何かと目立つのだ。二人が着席して一頻り休暇中の話に花を咲かせた頃、ようやく始業式が始まった。
式は粛々と執り行われ、最後に各自属性の結晶石に祈りを捧げてお開きとなり、そのまま食事会へ移行する。
この日の料理はいつもより豪華なため、生徒たちは盛り上がっていた。
「楽しんでいるか?」
そんな中、唐突に現れたのは生徒会執行部会長のルーフェスだった。薄い唇にうっすらと笑みを乗せ、真ん中で分けた柚子色の髪の間から空色の瞳が覗いている。さすがの光属性。輝かしいオーラの人である。
その隣には、風紀委員長のシェルツまでいた。彼は肩甲骨に届くほどの長さで切り揃えられた漆黒の髪を後ろに流しており、感情の読めない瞳をおれたちに向けている。闇属性特有の、黒い目だ。真っ黒というわけではなく、黒の虹彩に柑子色の輝きが散っていた。
二人の登場に、周囲が改まった雰囲気に変化した。
「気にせず寛いでくれ。ちょっと連絡があっただけだ」
目を細めて言ったルーフェスが空色の瞳をラウレルに向ける。それに後退りしたいのを堪えたような顔をして、ラウレルは目を伏せた。
「すまない。伝統だから仕方がないと開き直ってくれ」
「…………うん」
微かに頷いたラウレルの肩へ、ジンが慰めるように手を置いている。
「アスファー、おまえは風紀だ」
次いでシェルツがアスファーを捉え、無表情で言った。アスファーはといえば、眉間に皺を刻んでいる。
「……まだ四年だぜ?」
「初等部でもそうだったが? 十七時に談話室へ迎えに行く」
「……うぃース」
「ラウレルも来たまえ」
「……リョーカイ」
会長と風紀委員長は言うだけ言って去った。
好奇心が勝ったおれは、重くなった空気を気にせずに聞いてみる。
「ラウレル、伝統って?」
「……光と闇の直系は、必ず生徒会か風紀に所属すること」
「二年後は会長だ」
付け足したジンに恨みがましい視線を送り、ラウレルが呟く。
「ジンは副会長だな」
「会長よりいいさ」
ガックリと肩を落としたラウレルの頭にぽんぽん触れたアスファーは、諦めたような顔をしていた。
「しゃーねーよ、断れねぇし。補佐なら風紀よりマシだろ。ルーフェスはおまえには優しいしよ」
「……ごめん」
実に申し訳なさそうに謝ったラウレルを見て、アスファーがあわあわと手を振った。
「いや、謝るなよ。なんか悲しくなるじゃねぇか。シェルツさんもいい人だぜ」
「愉快な副委員長らもいるしな」
おれはどこかバカにしたような顔で言ったジンに加担する。
「へー、アスファーファイトー」
「イオ、もっと気持ち込めて言えや!」
「応援は強要するもんじゃないぞ」
「いらねぇよ! おまえの言い方が気に入らなかっただけだ!」
「アス、うるさい」
ジンが朱色の瞳を強める。
ちなみにこいつは、おれやラウレル以上にインドア派だ。火属性なのに体育会系は苦手らしい。
「テメェ、部外者ぶりやがって…。笑うな、ラウレル!」
「、ごめ、」
声を殺して笑うラウレルに癒される。
ちょっと穏やかな気分になれたので、アスファーに向かって質問してみることにした。
「なあ、今日これで終わり?」
「ぁあ゙? そーだよ」
「午後、暇だな。ラウレル、チェスやんない?」
「ああ」
ラウレルはチェスがなかなか強い。大人しそうに見えるが、たまにえげつないほど的確な一手をくれる。そんな所に好感が持てた。
「おまえらもっと健康的に外で遊べよ」
アスファーは保護者みたいだ。飛び抜けて背が高いし、なにかとお節介だし十六に見えないし。
顔を見て笑いそうになったのを誤魔化しながら口を開く。
「あー、例えば?」
「あ? サッカーとか」
「人集めるのダルいじゃん。ジン、何かない?」
「読書」
即答だ。
さすが、ジン。いつから本を開いていたのだろう。
「だあもう! テメェら表出ろッ。その根性、叩き直してくれるわ!」
「騒ぐなうるさい」
心底うんざりした様子のジンに、アスファーの口許がヒクりと動いた。
「……いいから来い!!」
ついにキレたアスファーが強行突破に出る。ジンの襟首を、猫にするように掴み上げたのだ。
「ぅわバカ、離せっ」
「ま、ジン、」
巻き沿いにラウレルの腕を掴んだジンは、なんとか逃れようと暴れながらも引き摺られて行く。
引っ張られながら何か言いたげな視線を寄越したラウレルに、おれは笑顔を向けた。
「いってらっしゃ~い」
「おまえも来るんだよアホ」
「ぁでッ」
本を奪われた挙げ句、投げられたジンが逆切れしている。――キレたいのはおれだよアスファーの野郎本気で投げやがった!
それから結局、ラウレルとアスファーが用事を思い出すまでずっと、運動場全面コートでドッジボールという名のボコり合いに勤しんだのだった。
はらりと舞い込んできた薄紅色の花弁に目をやる。
「ここに来てもう一年か…」
時の流れが早い。
穏やかに過ぎ去った、賑やかで楽しい日々を思うと頬が緩んだ。
ゆったりと机へ向かい、そこに置かれた鶯色の本を手に取る。――手帳のように見えるが、開くとサイズが大きくなって、立派な分厚い本になるのだ。
そうして、『アカシャの欠片』 と書かれた表紙をそっと撫でた。
「今年は――」
そのとき、隣の部屋のドアが開く音がした。
寮は二人部屋。といっても、それぞれに個室がある。ベッドと机とチェストでみっちりな狭い部屋ではあるが、プライベートな空間があるのは素直にありがたい。
おれは手早くシルクのシャツに着替え、濃紺の制服の内ポケットに本を仕舞う。
支度を終えて共有スペースに出れば、爽やかな香りが漂っていた。
「おはよう」
声を掛けてくれたのは、温かなティーカップを両手に持った同室者のラウレルだ。群青色の瞳はしっかりとこちらを捉え、金糸雀色の髪はすでにセットされていた。
「おはよ。今日早くない?」
「……初日だからな」
律儀だ。おれと違って初等部からここにいるのに。
いつもはおれが起こすまで布団から出ないから、色んな意味で感心してしまう。
おれは急いで顔を洗って適当に髪を立たせ、ラウレルの隣に座った。
「おれらのクラスは、人、変わらないんだろ?」
魔力の強い生徒が集う特級は、生徒の入れ換えがないと聞く。
生まれつきで魔力の容量や能力は決まっているので、変わりようがないのだ。早く行っても、真新しいことなんてない。
「ああ。……いいだろ別に」
ラウレルは他人の気持ちを察してしまう、繊細で優しいヤツだ。
表情は変わらないが、カップを見詰める姿が拗ねているようで笑ってしまった。睨まれたけど、いきなり真顔になんてなれない。
「、ごめんって。ほら、行こうぜ」
空になった二つのティーカップを持って言えば、こくりと頷いてくれた。
おれが去年編入したアルコイリス学園は、魔界にある学び舎の中で最も歴史がある。
石造りの学舎は当時の姿のままで、寮に至っては、修道院のようだ。しかし内部は過ごしやすいよう改装されているため、不便はなかった。
この学園の特徴として、様々な属性の生徒に加え、幻想界の住人もいる。幻想界は普段関わりのない世界なので、魔界では存在を忘れがちだ。
それでも同じ惑星に住んでいるわけで。時には、影響を及ぼしてしまったりする。
それは大抵よくない影響だ。
そのため、彼らの事もちゃんと考えましょうと、中等部から交換留学が行われるようになった、らしい。
始業式の会場となる大理石で造られた講堂に着くと、すでに多くの人がいた。入り口付近は特に、ガキンチョ共がわいわい騒いでとっても賑やかだ。それを見て、中等部は十三才~十八才までだったことを思い出した。
顔をしかめて立ち止まってしまう。――入りたくない。
「早めに来てよかったろ」
「……おっしゃる通りです」
ポーカーフェイスのラウレルに腕を引かれて渋々歩く。前方にある特級のテーブルに着く頃には、疲れきっていた。
喧騒から離れ、ほっと息を吐く。
意外だと言いたげにこちらを見てくるラウレルを無言で促した。
「賑やかなの、嫌いなのか?」
「嫌いじゃないけど疲れるじゃん」
言えばおかしそうに笑われ、首を傾げてしまう。
「言い方がずいぶん、くたびれてたから」
「おれももう若くないからな」
肩をすくめて答えた。年齢を数えるなんて、するだけ無駄だけど。第一、基準がないし。
「おまえはまだ十六だろうが」
後ろから降ってきた声に振り返る。うんざり顔のジンと目が合った。飴色の前髪を億劫そうに掻き上げている。どうやらこいつも、喧騒が嫌いらしい。
「一緒にするなよ」
「はあ? 事実だろ」
「おまえら久し振りだな、元気だったか?」
眉根を寄せたジンの後ろから現れたのは、黄土色の髪をオールバックにした、鋭い金の瞳を持つアスファーだ。
ラウレルが肩をすくめる。
「……アスファーは元気そうだな」
「おうよ。式だけは早いよな、おまえ」
ニヤリと笑って答えたアスファーに、ラウレルはそっぽを向いてしまう。
「ほっとけ」
「とりあえず座ったら?」
おれは小首を傾げて促した。
アスファーは無駄にデカイし、何かと目立つのだ。二人が着席して一頻り休暇中の話に花を咲かせた頃、ようやく始業式が始まった。
式は粛々と執り行われ、最後に各自属性の結晶石に祈りを捧げてお開きとなり、そのまま食事会へ移行する。
この日の料理はいつもより豪華なため、生徒たちは盛り上がっていた。
「楽しんでいるか?」
そんな中、唐突に現れたのは生徒会執行部会長のルーフェスだった。薄い唇にうっすらと笑みを乗せ、真ん中で分けた柚子色の髪の間から空色の瞳が覗いている。さすがの光属性。輝かしいオーラの人である。
その隣には、風紀委員長のシェルツまでいた。彼は肩甲骨に届くほどの長さで切り揃えられた漆黒の髪を後ろに流しており、感情の読めない瞳をおれたちに向けている。闇属性特有の、黒い目だ。真っ黒というわけではなく、黒の虹彩に柑子色の輝きが散っていた。
二人の登場に、周囲が改まった雰囲気に変化した。
「気にせず寛いでくれ。ちょっと連絡があっただけだ」
目を細めて言ったルーフェスが空色の瞳をラウレルに向ける。それに後退りしたいのを堪えたような顔をして、ラウレルは目を伏せた。
「すまない。伝統だから仕方がないと開き直ってくれ」
「…………うん」
微かに頷いたラウレルの肩へ、ジンが慰めるように手を置いている。
「アスファー、おまえは風紀だ」
次いでシェルツがアスファーを捉え、無表情で言った。アスファーはといえば、眉間に皺を刻んでいる。
「……まだ四年だぜ?」
「初等部でもそうだったが? 十七時に談話室へ迎えに行く」
「……うぃース」
「ラウレルも来たまえ」
「……リョーカイ」
会長と風紀委員長は言うだけ言って去った。
好奇心が勝ったおれは、重くなった空気を気にせずに聞いてみる。
「ラウレル、伝統って?」
「……光と闇の直系は、必ず生徒会か風紀に所属すること」
「二年後は会長だ」
付け足したジンに恨みがましい視線を送り、ラウレルが呟く。
「ジンは副会長だな」
「会長よりいいさ」
ガックリと肩を落としたラウレルの頭にぽんぽん触れたアスファーは、諦めたような顔をしていた。
「しゃーねーよ、断れねぇし。補佐なら風紀よりマシだろ。ルーフェスはおまえには優しいしよ」
「……ごめん」
実に申し訳なさそうに謝ったラウレルを見て、アスファーがあわあわと手を振った。
「いや、謝るなよ。なんか悲しくなるじゃねぇか。シェルツさんもいい人だぜ」
「愉快な副委員長らもいるしな」
おれはどこかバカにしたような顔で言ったジンに加担する。
「へー、アスファーファイトー」
「イオ、もっと気持ち込めて言えや!」
「応援は強要するもんじゃないぞ」
「いらねぇよ! おまえの言い方が気に入らなかっただけだ!」
「アス、うるさい」
ジンが朱色の瞳を強める。
ちなみにこいつは、おれやラウレル以上にインドア派だ。火属性なのに体育会系は苦手らしい。
「テメェ、部外者ぶりやがって…。笑うな、ラウレル!」
「、ごめ、」
声を殺して笑うラウレルに癒される。
ちょっと穏やかな気分になれたので、アスファーに向かって質問してみることにした。
「なあ、今日これで終わり?」
「ぁあ゙? そーだよ」
「午後、暇だな。ラウレル、チェスやんない?」
「ああ」
ラウレルはチェスがなかなか強い。大人しそうに見えるが、たまにえげつないほど的確な一手をくれる。そんな所に好感が持てた。
「おまえらもっと健康的に外で遊べよ」
アスファーは保護者みたいだ。飛び抜けて背が高いし、なにかとお節介だし十六に見えないし。
顔を見て笑いそうになったのを誤魔化しながら口を開く。
「あー、例えば?」
「あ? サッカーとか」
「人集めるのダルいじゃん。ジン、何かない?」
「読書」
即答だ。
さすが、ジン。いつから本を開いていたのだろう。
「だあもう! テメェら表出ろッ。その根性、叩き直してくれるわ!」
「騒ぐなうるさい」
心底うんざりした様子のジンに、アスファーの口許がヒクりと動いた。
「……いいから来い!!」
ついにキレたアスファーが強行突破に出る。ジンの襟首を、猫にするように掴み上げたのだ。
「ぅわバカ、離せっ」
「ま、ジン、」
巻き沿いにラウレルの腕を掴んだジンは、なんとか逃れようと暴れながらも引き摺られて行く。
引っ張られながら何か言いたげな視線を寄越したラウレルに、おれは笑顔を向けた。
「いってらっしゃ~い」
「おまえも来るんだよアホ」
「ぁでッ」
本を奪われた挙げ句、投げられたジンが逆切れしている。――キレたいのはおれだよアスファーの野郎本気で投げやがった!
それから結局、ラウレルとアスファーが用事を思い出すまでずっと、運動場全面コートでドッジボールという名のボコり合いに勤しんだのだった。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

BL小説家と私小説家がパン屋でバイトしたらこうなった
二三
BL
BL小説家である私は、小説の稼ぎだけでは食っていけないために、パン屋でバイトをしている。そのバイト先に、ライバル視している私小説家、穂積が新人バイトとしてやってきた。本当は私小説家志望である私は、BL小説家であることを隠し、嫉妬を覚えながら穂積と一緒に働く。そんな私の心中も知らず、穂積は私に好きだのタイプだのと、積極的にアプローチしてくる。ある日、私がBL小説家であることが穂積にばれてしまい…?
※タイトルから1を外し、長編に変更しました。2023.08.16

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

林檎を並べても、
ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。
二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。
ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。
彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる