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第一章 政略結婚

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「…という感じだった。久しぶりだったからか結構疲れたな」

ワインをノ飲みながら話す。
今は就寝前のそれぞれの報告タイムだ。マリナは俺の話を楽しそうに聞いてくれた。

「そうでしたの。お疲れさまでした。今日はゆっくり休んでくださいまし」

「ああ。そうしよう。…マリナは今日何をしていたんだ?」

「私は帝国内にある支店と定期報告や商品の改良などをしておりました」

「そうか。何も問題など無かったか?」

「ええ。大丈夫でしたよ」

「そうか。それから明日は今日よりも早く仕事が終わる予定だ。」

「そうですか。では早めに晩餐の準備をしておくようにお伝えしますね」

「助かる。…そろそろ寝るか。おやすみ」

「ええ。おやすみなさいませ、キース様」

そういえば、ベルト侯爵領に行ったと伝えるのを忘れていたな…素晴らしい所だったからそう言っておきたかったのだが…まあまた後日でいいか。久しぶりの仕事で疲れたから早く寝よう…

こうして長い長い一日が終わったのだった。



ーーーー
視察に行った日からしばらくたち、今日は皇帝陛下主催の夜会の日だった。

俺の髪色である、銀色が基調のシルクに碧色の刺繡がしてあるとてもシンプルだが上品な衣装だ。
マリナはマーメイドラインのドレスでデザインや色は同じだ。

今はマリナの準備が終わるのを待っている最中だがどんな感じに仕上がるだろうか?



「お待たせ致しました、キース様」

声をかけられ、振り返るとそこにはドレスに身を包んで立っているマリナの姿があった。

「……っ!」

「キ、キース様?あの、変ですか?」

「…いや、大丈夫だ。むしろ逆だ。その…綺麗すぎて声が出なかった」

これで綺麗じゃないと言うほうがおかしいだろう!使用人たちも見とれているが?
マリナほどの美貌でないと着こなせないようなドレスだが、むしろドレスのほうが霞んでいるような…
マリナの後ろで専属侍女のアイラが今にも叫びだしそうなほどに興奮している気がする…

「ありがとうございます。安心しましたわ。キース様も素敵ですよ!」

(私、キース様が輝きすぎているせいで存在感がなくなったりしないかしら?隣に立ちたくないわ!?)

「そうか。では行こうか」

と言ってマリナと馬車に乗り込む。

「では旦那様、マリナ様、出発致します」

「「ああ(ええ)」」
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