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第一章

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皆様おはようございます。リリアです。今日はジュリアス様の生誕パーティーがあるため朝からマレー公爵邸に行く。パーティーは昼からだが私と旦那様は衣装を用意して頂いているため朝から公爵邸に向かっている。

「リリア。パーティーの準備が終わったら昼まではジュリアス殿とお茶をすることになっているがリリアも一緒にどうだ?」
「そうですねぇ…リズ様もご一緒ですか?」
「ああ。お前は彼女も一緒の方が嬉しいだろう?」
「ええ」

さすが旦那様。きっと以前私がリズ様愛を語っていたことを覚えているのだろう。それに他の参加者よりも早くリズのドレス姿を見られると思ったら嬉しーー…王太子殿下も来るのだろうか?

「旦那様。王太子殿下もパーティーに来られるのですか?」
「ああ。それがどうした?」
「いえ、なんでもありません」

王太子殿下も来るのならきっとリズ様の隣に居続けるのだろう。婚約者同士ならまあ普通だが、それならあまりリズ様と話せない。折角リズ様とたくさん話そうと思っていたのに失念していた。

(きっとリズ様を独占していたら殿下に睨まれるわよね?嫌われているわけではないと言うことは分かるのだけど)

まあ何とかなるだろう。たまには殿下に譲って差し上げても良いかもしれない。リズ様のファンクラブの皆も来ているだろうから彼女達と話せばいいか。

……そういえば旦那様と基本的に別行動になっていたが、彼はどうするのだろうか?話す相手はいるのだろうか?…でもまあ私が気にすることでもない。

ガタガタと揺れる馬車。リュマベル城を出て少したち、周囲の景色も変わってきた。恐らくマレー公爵領に入ったのだろう。
スミス公爵領は綺麗に整備された街並みだが、自然はあまりない。川などはあるが山は全然見当たらない平地だ。

逆にマレー公爵領は、同じく綺麗に整備された街並みだが山などの自然が多い。年に一度開かれる大会の内の一つ、乗馬大会はこの領地で行われる。

この国の大会はかなりハードで乗馬大会なんかは山を越え谷を越え…といったかなり険しい道のりだ。

「…旦那様。旦那様はこの国で開かれる大会に参加したことがありますか?」
「どうした、急に」
「マレー公爵領は乗馬大会の会場だったな、と思いまして」
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