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第三章 -女騎士凌辱篇-
#053.-第八王子-失踪事件
しおりを挟む≪女騎士≫が騎士叙任の”王剣儀礼”を受けた翌日――
≪第八王子≫は王権を濫用すると、≪女騎士≫の指揮権を”王都騎士団”から即刻奪い取り上げた。そして≪女騎士≫を御身専属の”従騎士”に仕立てると――日夜、傍らに侍らせては好き放題に犯しまくった。
それからの三年間は――≪女騎士≫にとって幸せな日々だった。
恋しい殿下のために、初めて”身嗜み”を整えもした。
寝床に連れ込まれる時は、いつも”初めて”のようにドキドキと緊張した。
誰が来るとも知れない王城内の物陰で乳繰られては股を濡らした。
そして毎晩のように、≪第八王子≫の股間に降臨する”天使”に愛でられまくった――。
◆
≪第八王子≫の従騎士として≪女騎士≫が召し上げられてから半月後――
≪第八王子≫は周囲の家臣達を”これは社会勉強である”と説き伏せると、≪女騎士≫だけを王城から連れ出して”冒険者”になってしまう。
愛する殿下と”二人旅”――
そんな浪漫溢れる旅情に≪女騎士≫はポォ~と夢見たのも束の間……≪第八王子≫の発案による怒涛の”超高効率”な経験値”荒稼ぎ狩り”が始まる。
≪第八王子≫は、騎士官学校でも聞いた事がない様な”魔獣行動学”を論じては、幾万匹もの”魔獣”をガバガバ掻き集めてはザクザクと殺戮しまくり、大陸中のあちこちに阿鼻叫喚の地獄絵図を大量生産しまくった。
それに連れ回された≪女騎士≫は、毎日驚き慌てふためいては≪第八王子≫の胸をポカポカと叩いて騒ぎ、そして夜晩になれば”天使”と淫らに交わって鬱憤と情欲を発散しまくった。そして翌朝を迎えれば、またふたりでイチャイチャと”狩り”に出掛けるのだった。
そうして冒険を続けるうちに――≪第八王子≫殿下の”貞操”を付け狙う≪聖女≫や≪女賢者≫が、≪女騎士≫達の”徒党”に仲間入りした。
それからの≪女騎士≫達は、毎夜のこと”夜伽の順番”を巡っては相争い、毎日が罵り合いの喧嘩三昧となった――が。それすら≪女騎士≫には楽しくて仕方がなかった。それは――初めての”心を許せる”仲間だったからだ。
その後、遠出をした隣国の地≪砂漠国モレク≫では、新たに≪隣国姫≫と≪砂狐剣聖≫将軍が”徒党”に仲間入りした。そして共に、次代の”魔王の座”を狙って復活した【赤き魔竜】を討伐し……”救国の英雄”となった。
その際に提案された≪第八王子≫と≪隣国姫≫との”婚約話”には――≪女騎士≫も胸がチクリと痛んだ。だが、それでも…――
(……ふっ、何を悲しむ事があろうか。≪第八王子≫殿下は”次代の国王”となるべき御方だ。その御正室には……高貴なる身分の≪隣国姫≫様こそ相応しい。私のような下級貴族家の末娘なぞ、御侍り頂けるだけで幸甚というものよ……)
身分や肩書きなぞ、どうでも良いのだ…――
ただずっと≪第八王子≫殿下の傍らに御仕えできれば…――
ああ、それだけで幸せなのだ…――
≪砂漠国モレク≫の王宮内、≪隣国姫≫の寝室にて――
ふわふわの寝床でくったりイキ果てた≪隣国姫≫や≪聖女≫や≪女賢者≫と共に……天使のような寝顔の≪第八王子≫を囲み、抱き締めながら≪女騎士≫は小さく微笑んだ――。
◆
そして三年後…――
≪第八王子≫の王太子任命と王位継承が内定した頃、≪女騎士≫の実家から――兄達三人の逝去および葬儀の報せが届く。
現当主の父君からの手紙によれば――思春期の頃に≪凌辱属性≫の瘴気に長時間触れ続けた”三人の兄達”は、四六時中”娼婦”を抱かなくては正気を保てない程の”異常性欲”症状に苦しみ続けた晩年だったらしい。
それを聞いても”蚊が潰れた”程度にしか心動かない≪女騎士≫だったが……ちょうど≪第八王子≫や≪隣国姫≫達の公務などが重なり、一時的に”徒党”を解散する運びとなった事もあり、≪女騎士≫も休暇をいただき帰郷する事とした。
≪女騎士≫は”兄達の葬儀”に参列すると――その棺に献花を叩きつけてやった。
過去の怨讐をひとつ清算できた事に、≪女騎士≫は思いのほか満足した。
だが今思えば…――
≪第八王子≫や≪隣国姫≫達の公務が偶然重なった事も…――
≪女騎士≫の兄達が同時期に死んだ事も…――
全ては≪第一王子≫の”謀略”だったのかもしれない。
王都に戻った≪女騎士≫を待っていたのは――≪第八王子≫失踪事件の報せであった。
◆◇◆
≪女騎士≫は護衛を怠った自身の愚かさを悔み、慙愧に悶え苦しむと――血涙を流して発狂し、王都中を幽鬼のごとく徘徊した。そして、王都に巣食う奴隷商や犯罪組織を次々と叩き潰しながら、血眼になって≪第八王子≫の行方を捜し回った。
だが…――≪第八王子≫を発見する事はできなかった。
そして≪第八王子≫失踪事件から約二ヶ月後、再び”王都騎士団”に召集された≪女騎士≫を待っていたのは――
「いやあ…≪女騎士≫……また僕の配下に戻って来てくれて……とても嬉しいよ?」
≪第一王子≫と癒着する事で”王都騎士団”副団長へと昇進を果たした――元”先輩寮生”の公爵家御曹司のニヤケ顔であった。
◆◇◆
四重の”城壁”と三層の”市街地”で構成された、巨大城塞都市≪王都ガルディア≫――
幾万人もの民が暮らすその足元の地下には、かつて捕虜奴隷の【鉱人族-ドワーフ-】に建造させた幾百本もの上下水道――”地下水路”――が、迷宮のように張り巡らされていた。
そして今、そんな仄暗い”地下水路”にて――≪女騎士≫の蹴り上げた【小鬼】が石壁に叩きつけられ、頭部を破砕させる。
「――敵影、無し。まずは五匹。やはり繁殖しているな……薄汚いゴミ屑め…ッ…」
≪女騎士≫は血走った眼に”狂気”を孕ませながら、足元で倒れている【小鬼】の頭部をグシャリと踏み潰すと――荒縄で縛られた両手で松明を掲げ、周囲を警戒する。
「ふん、この期に及んで私を囮役に――”小鬼列車”――とは、相変わらず下衆な男だ…ッ…」
◆
王都”地下水路”における”害獣”駆除任務――。
城壁を無視して縦横無尽に敷設された”地下水路”は、まさに”城塞都市”の死角にして弱点である。それゆえに”地下水路”の管理防衛は”王都騎士団”の管轄とされているのだが……その付帯任務には、地下水路で繁殖しがちな鼠蟲類の”害獣”駆除という雑務も含まれており、騎士団員からは大変不評であった。
そんな中、先日の”地下水路”定期巡回にて――数匹の【小鬼】が発見&駆除される。
――”小鬼を一匹見たならば、三十匹いると思え”――
それは【小鬼】の恐るべき繁殖能力を警告する格言であり――概ね事実である。
王都騎士団は”地下水路”における【小鬼】掃討作戦を即発令するが――悪臭の漂う巨大水路を長時間チマチマ歩き回る任務内容に、騎士団員は嫌気を隠せなかった。
そんな時、若き英才たる”副団長”公爵家御曹司が提案したのは――女隊員を囮役にして【小鬼】を誘き寄せる――”小鬼列車”戦術であった。
本来であれば、即棄却すべき非人道的な作戦であるが――
(よもや…≪第八王子≫様の御不在が、この様に影響しようとは…な……ッ//…)
≪第八王子≫失踪事件から約二ヵ月間――すっかり”男日照り”となった≪女騎士≫は、若いカラダを持て余し……自身でも驚くほどに”欲情”していた。
それは≪第八王子≫と共に”経験値”を荒稼ぎした事で、職業特技≪凌辱属性≫が大いに強化されたのも要因であり――その結果、≪女騎士≫からは”魔性”の艶香がまろび溢れ、ただそこに居るだけで周囲の男達を興奮させ、股間を勃起させた。
作戦会議に参列した幹部陣は、≪女騎士≫から燻ぶり薫る”魔性”の妖香に呑まれると――”小鬼列車”戦術を、大多数の賛同をもって採択してしまう。
作戦会議に参列していた≪女騎士≫は異議を唱えるべく立ち上がったが――そんな≪女騎士≫のカラダに注がれる幹部陣のイヤらしい視線に、≪女騎士≫は嫌悪感と――ゾクゾクと股間を震わす甘い快感を覚え、それに戸惑い、口を噤んでしまったのだった。
◆
「……ッ…私は…奴らに嬲られる自分を想像して……興奮したとでも言うのか…ッ、ふざける――なッ!!」
次の瞬間、そんな戸惑いや鬱憤を吐き出すように――≪女騎士≫は背後から奇襲してきた【小鬼】に回転蹴りを喰らわせると、水路の石壁に叩きつけた。
水路に飛び散る血飛沫――それと共に≪女騎士≫の股間から湯気立つ”魔性”の艶香が、周囲に撒き散らされる。
それを見ていた数匹の【小鬼】どもは、仲間が蹴り殺されたにも関わらず――その艶香を嗅ぎ、股間を膨らませながらギタギタと醜悪に哄笑する。
そのおぞましさに≪女騎士≫は嫌悪感を覚えながらも――秘かにゾクゾクと興奮するのだった。
◆
「――これで十七匹、飢えた様子は無し…か。上位種がいる可能性が高まったな」
≪女騎士≫は水路に転がる【小鬼】の骸を蹴り潰しながらポツリとぼやくと、荒縄で縛られた両手で松明を掲げ、薄暗い用水路を見渡す。
≪第八王子≫と共に”経験値”を荒稼ぎした≪女騎士≫は、今や【魂の位階:Lv64】を誇る上級騎士――領民の平均Lv10、王国騎士団員の平均Lv30~40を遙かに凌駕する≪女騎士≫にとっては、”小鬼”程度であれば、両手を荒縄で縛られていようと”足蹴り”のみで殲滅も容易である。だが、さすがに”小鬼の上位種”と遭遇すれば……苦戦は免れまい。
「ふんっ、あの男の思惑通りに逃げ回るのも癪だが、ここで上位種と”命懸け”で戦う気もせんな。そろそろ撤退するか――ん?」
その時だった…――。
濁り汚れた下水路の川、それに沿う様に築かれた石製の通路の先…――。
仄暗い”地下水路”の奥深くの暗闇で――”蒼白い魔光”が揺らめく。
「あれは――まさか…ッ…!?」
≪女騎士≫はその”蒼白い魔光”に見覚えがあった――
それは――”鑑定眼”――に灯る魔光の輝きだ。
「あ…ああっ…≪第八王――ッ」
『――ホウ、オモシロイ”特技”ヲ宿シタ”女”ダナァ…ッ…?』
「――ッ!?、な、バカな…ッ、なぜ王都の地下に…ッ…!?」
だが、そこにいたのは…――
狡猾に歪み笑う眼光に”蒼白い魔光”を灯らせた…――
”小鬼”の最上位種――【小鬼王】――だった。
◆◇◆
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