竜人嫌いの一匹狼魔族が拾った竜人を育てたらすごく愛された。

そら。

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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を育てる

24.魔族の街

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その後、シロは何回も家を建ててみるも闇魔力の集中力が切れて、結局崩れてしまっていた。

いつの間にか空は暗くなり、白黒だった街並みにはオレンジの光が灯り始めた。

「ルーフさぁん…、やっぱり僕には無理かもしれません」

シロは崩れた瓦礫の前にしゃがみ込んで落ち込んでいた。

「アホか、諦めるのが早ぇよ。初めてにしちゃ頑張ったと思うぞ。まあ、でも、さすがにこれじゃ住めないな。とりあえず今日は宿に泊まるか。今日の練習終了!飯食いに行こうぜ」



2人が街に着いた頃には、空は真っ暗になっていたが、ドグライアスの街には多くの魔族たちが出てきていて賑やかになっていた。

「昼間の時よりすごく賑やかですね」

シロが多くの魔族たちに圧倒されていると「魔族は夜型の奴が多いからなー。お、今日はここで食おう」とルーフが一軒の酒場を指差した。

「このお店って…」

シロが店の看板を見上げると『賭博屋』と書かれている。ボロボロの建物の中からは歓声や怒号が聞こえてくる。

「美味い飯も食えるし、博打も出来る。最高だろ?お前にギャンブルの嗜み方を教えてやるよ」

ルーフはニヤッと笑って店の扉を開けた。





「おいっ、うそだろっ!!イカサマだっ!!!」

ルーレットをしていたルーフは、カワウソ魔族のディーラーに食ってかかった。

「ああ!?そんな事するかっ。おめぇが弱ぇだけだろ!!こっちには監視カメラだってあるんだぜ。確認するか?」

カワウソ魔族もルーフの胸ぐらを掴んだ。

「その監視カメラだって信用できるか!!なぁ、シロ!今こいつイカサマしたよな!?」

ルーフは、隣でゲームを見ていたシロに振った。

「へ!?いや…えーっと…、していた…ような、してないような…?」

シロは困りながら曖昧な相槌を打つ。

正直、カワウソ魔族の言う通り、誰もイカサマなんてしていなかった。

(多分ルーフさんが弱すぎるだけな気がする…。でもルーフさんの味方でいたいし…)


すると片手に酒を持ったジェスが来て仲裁に入った。

「どう見てもルーフが弱すぎるだけだろ」

「ジェス、てめぇ余計な事、言うな!」

「ぎゃははっ!ほら見ろ。そういうことだ、ルーフ。さっさと金払いな」

「くっそ…、分かったよ。でも、もう一回やらせろ!」

ルーフとディーラーがぎゃあぎゃあ言い合っているのを無視して、ジェスはシロに話しかけた。

「よう、シロ坊。ルーフのお守りは大変だな。こいつ、弱ぇくせにギャンブラーだから困るよな」

ジェスは酒を飲みながら笑っていたが、シロはショックを受けていた。

「ルーフさんが賭け事好きなのは知ってましたけど、まさかこんなに弱いとは思いませんでした…」

あまりギャンブルに詳しくないシロでも、この数時間で大金を溶かしたルーフの弱さを理解した。
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