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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を育てる
25.シロの才能
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「へへっ。ルーフ、お前まだやるつもりかぁ?金がねぇなら違うモノを掛けたっていいんだぜ。そうだなぁ、お前の連れてる竜人のガキはどうだ?ありゃ裏ルートで高く売れるぜ」
カワウソ魔族のディーラーが勝ち誇った顔で煽ってきたが、さすがに手持ちの金がなくなったルーフは諦めがついた。
「けっ。やめだ、やめ。お前とは相性が悪い。俺は下りる」
「おいおい、逃げんなよ。負け犬」
「うるせー」
周りからもルーフをバカにする笑い声が聞こえてきたが、さすがにシロを掛けるほど自分は愚かじゃない。
ルーフは聞こえないフリをしてシロを探した。
さっきジェスと話すシロの姿が見えたので、おそらく2人は一緒にいるのだろう。
鼻を効かせてシロの匂いを辿ると、野次馬が集まっているテーブルから、どよめく声が聞こえてきた。
少し気になって覗いてみれば、テーブルに座っているのはシロだった。
「おいおい、なんでシロがちゃっかり座ってんだよ!」
ルーフが慌てて駆け寄ろうとすると、ジェスに肩を組まれ止められた。
「おい、ジェスっ!お前、シロに何やらせてんだよ!」
「まあまあ、カモネギギャンブラーは黙って見てな。シロ坊、才能あるぜ?俺がちょっとルール教えたら勝ちまくってんの。カードゲームなんてやった事ないって言ってたけど本当か?」
「…うそだろ。シロが?」
ルーフは信じられないと思いつつ、シロのゲームを見守っているとディーラーがイカサマを仕掛けた。
「あ、あいつ!」
ルーフは止めに入ろうとしたが、ジェスが肩を離してくれない。
「ジェス、離せ!!あいつイカサマしたぞ!?」
「だから黙って見てろって。面白れぇもんが見れるから」
ジェスはニヤニヤ笑いながら酒を飲んだ。
(くそっ!シロのやつ、金なんかほとんど持ってねぇくせにどうすんだよ!あーあ、シロの負けだー…)
負けを確信したルーフが顔を下げた瞬間、「はい、僕の勝ち!」とシロの元気な声が聞こえた。
「は?」
ルーフが顔を上げると、野次馬の歓声と怒号が上がった。
「ほらな!シロ坊が勝った!!すげぇぞっ、シロ坊!!よくやった!!」
興奮するジェスに抱きつかれても、ルーフは呆然としたままで声が出せない。
するとディーラーが「ふ、ふざけんな!!イカサマしただろ!」とシロを指差し叫んだ。
ルーフは「お前が言うなよ」と心の中でツッコんだが、シロはニコニコして答えた。
「うん、お兄さんがイカサマしてたよね。僕、気付いてたよ。全部で6回してた!」
シロの指摘で、他のプレイヤーたちもディーラーに対して「てめぇ、やっぱりイカサマしてやがったな!金返せ!!」と騒ぎ出した。
ケンカを始める魔族の中で、シロは相変わらずニコニコしながら勝利のチップをかき集めた。
「かんぱーいっ!!」
ゲームを終えたシロ、ルーフ、ジェスは、城の跡地に戻り焚き火を囲んで乾杯をした。
「すげぇよ、シロ!!まさかお前に博打の才能があるとはなっ!俺が溶かした金を倍にして取り返すなんてさ!!いい子!賢い!最高!!」
上機嫌のルーフは、シロを強く抱きしめた。
「いや、本当にすげぇよ!どんどん勝ち抜くシロ坊は、見てて気持ちよかったぜ!!お前は最強の運の持ち主だ!」
ジェスは酒を一気に飲み干し、新しい酒を開けた。
ジュースを飲んでいるシロも、2人に褒められ頬を赤くして照れている。
「えへへっ!そんなに喜んでもらえるなんて僕も嬉しいです」
「しかもイカサマした相手に勝つなんてな!お前はギャンブルの神様に愛されている!俺にも運を分けてくれ!!」
ルーフはさらにシロを強く抱きしめ激しく頬擦りすると、シロは幸せそうに笑った。
「ふふっ、僕だって最初の手札はひどいもんでしたよ?イカサマしなきゃ大負けでした」
「「…え?」」
シロの言葉に、ルーフとジェスが固まった。
「だから、全部イカサマして勝ったんですよ、僕。というか、ディーラーの方もプレイヤーの方も皆さんイカサマしてたんで、それが普通だと思ってたんですけど…、あれ?違いました??」
シロはキョトンとした顔で、ルーフとジェスを見た。
「ジェス、お前、シロにイカサマの仕方も教えたのか?」
「教えるわけねぇだろ。じゃあシロ坊は他の奴らのイカサマに顔色ひとつ変えずに対処して、自分もしれっとイカサマしてたのか?」
「…みたいだな」
「こいつ、マジで魔王の才能あるよ」
「…みたいだな」
ルーフとジェスは顔を見合わせ、苦笑いをした。
カワウソ魔族のディーラーが勝ち誇った顔で煽ってきたが、さすがに手持ちの金がなくなったルーフは諦めがついた。
「けっ。やめだ、やめ。お前とは相性が悪い。俺は下りる」
「おいおい、逃げんなよ。負け犬」
「うるせー」
周りからもルーフをバカにする笑い声が聞こえてきたが、さすがにシロを掛けるほど自分は愚かじゃない。
ルーフは聞こえないフリをしてシロを探した。
さっきジェスと話すシロの姿が見えたので、おそらく2人は一緒にいるのだろう。
鼻を効かせてシロの匂いを辿ると、野次馬が集まっているテーブルから、どよめく声が聞こえてきた。
少し気になって覗いてみれば、テーブルに座っているのはシロだった。
「おいおい、なんでシロがちゃっかり座ってんだよ!」
ルーフが慌てて駆け寄ろうとすると、ジェスに肩を組まれ止められた。
「おい、ジェスっ!お前、シロに何やらせてんだよ!」
「まあまあ、カモネギギャンブラーは黙って見てな。シロ坊、才能あるぜ?俺がちょっとルール教えたら勝ちまくってんの。カードゲームなんてやった事ないって言ってたけど本当か?」
「…うそだろ。シロが?」
ルーフは信じられないと思いつつ、シロのゲームを見守っているとディーラーがイカサマを仕掛けた。
「あ、あいつ!」
ルーフは止めに入ろうとしたが、ジェスが肩を離してくれない。
「ジェス、離せ!!あいつイカサマしたぞ!?」
「だから黙って見てろって。面白れぇもんが見れるから」
ジェスはニヤニヤ笑いながら酒を飲んだ。
(くそっ!シロのやつ、金なんかほとんど持ってねぇくせにどうすんだよ!あーあ、シロの負けだー…)
負けを確信したルーフが顔を下げた瞬間、「はい、僕の勝ち!」とシロの元気な声が聞こえた。
「は?」
ルーフが顔を上げると、野次馬の歓声と怒号が上がった。
「ほらな!シロ坊が勝った!!すげぇぞっ、シロ坊!!よくやった!!」
興奮するジェスに抱きつかれても、ルーフは呆然としたままで声が出せない。
するとディーラーが「ふ、ふざけんな!!イカサマしただろ!」とシロを指差し叫んだ。
ルーフは「お前が言うなよ」と心の中でツッコんだが、シロはニコニコして答えた。
「うん、お兄さんがイカサマしてたよね。僕、気付いてたよ。全部で6回してた!」
シロの指摘で、他のプレイヤーたちもディーラーに対して「てめぇ、やっぱりイカサマしてやがったな!金返せ!!」と騒ぎ出した。
ケンカを始める魔族の中で、シロは相変わらずニコニコしながら勝利のチップをかき集めた。
「かんぱーいっ!!」
ゲームを終えたシロ、ルーフ、ジェスは、城の跡地に戻り焚き火を囲んで乾杯をした。
「すげぇよ、シロ!!まさかお前に博打の才能があるとはなっ!俺が溶かした金を倍にして取り返すなんてさ!!いい子!賢い!最高!!」
上機嫌のルーフは、シロを強く抱きしめた。
「いや、本当にすげぇよ!どんどん勝ち抜くシロ坊は、見てて気持ちよかったぜ!!お前は最強の運の持ち主だ!」
ジェスは酒を一気に飲み干し、新しい酒を開けた。
ジュースを飲んでいるシロも、2人に褒められ頬を赤くして照れている。
「えへへっ!そんなに喜んでもらえるなんて僕も嬉しいです」
「しかもイカサマした相手に勝つなんてな!お前はギャンブルの神様に愛されている!俺にも運を分けてくれ!!」
ルーフはさらにシロを強く抱きしめ激しく頬擦りすると、シロは幸せそうに笑った。
「ふふっ、僕だって最初の手札はひどいもんでしたよ?イカサマしなきゃ大負けでした」
「「…え?」」
シロの言葉に、ルーフとジェスが固まった。
「だから、全部イカサマして勝ったんですよ、僕。というか、ディーラーの方もプレイヤーの方も皆さんイカサマしてたんで、それが普通だと思ってたんですけど…、あれ?違いました??」
シロはキョトンとした顔で、ルーフとジェスを見た。
「ジェス、お前、シロにイカサマの仕方も教えたのか?」
「教えるわけねぇだろ。じゃあシロ坊は他の奴らのイカサマに顔色ひとつ変えずに対処して、自分もしれっとイカサマしてたのか?」
「…みたいだな」
「こいつ、マジで魔王の才能あるよ」
「…みたいだな」
ルーフとジェスは顔を見合わせ、苦笑いをした。
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