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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を育てる
13.シロ、怒鳴る
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アリーはまだ気を失っている魔族の少年を抱きかかえた。
「私はキバ君を医務室へ連れて行きますのでルーフさんは先に応接室へ行ってください。シロ君は戻って結構ですよ」
「でも…、アリー先生。その子、大丈夫なんですか?僕のせいで…」
シロはキバと呼ばれる少年を見た。ルカに掴みかかっていた時は体も大きく威圧的に感じたイノシシ魔族の少年も竜人のアリーの腕の中にいると小さく感じる。
「ええ、急激な魔力低下で気を失っているだけです。そのうち目を覚ますでしょう。それに先に貴方たちに手を出したのはキバ君の方でしょう?彼、趣味が喧嘩なんですよ」
アリーは少し呆れた表情でキバを見たが、ルーフは腕を組んで笑った。
「ははっ、さすがイノシシ魔族!!気合い入ってんなー」
「笑い事ではありません。下級生にまで手を出すなんて…。まあ、とにかく彼を医務室に連れて行きますので。では失礼します」
そう言ってアリーは魔法で姿を消し、シロとルーフだけがその場に残された。
「んじゃ俺も応接室に行ってくるわ。じゃあな」
「ルーフさん…、迷惑かけてしまってすみません」
シロはルーフに頭を下げた。
ルーフは今日用事があると言っていた。それなのに魔力暴走を起こしかけたシロを助け、呼び出しまでされてしまった。
シロは申し訳ない気持ちでいっぱいになり泣きそうになった。
「いや、それがよ、意外と迷惑じゃなかったんだ。むしろナイスタイミング」
ルーフはニヤッと笑ってシロを見た。
「え?」
「今日は賭博場に行ったんだけど、ポーカーで大負けしてたんだ。でも負けてるからって途中で逃げるなんてダセェだろ?引くに引けねぇなーって思ってた時にお前が魔力を暴走させてくれたんだ。で、俺はお前を心配するフリして抜けてきたってワケ。しかもディーラーの女の子からも『ルーフさんて子供思いで優しいんですねぇ~、意外~、格好いいですぅ』なんて言われてよぉ。今度、賭博場行ったらモテモテだなっ!はははっ!」
ルーフは上機嫌で嬉しそうに話した。
「…はぁ、そうですか」
シロは若干呆れながら相槌を打つ。
さっきまでの申し訳なかった気持ちは消え、なぜかつまらない気持ちになった。
シロがルーフに『格好いい』と言っても嬉しそうにしないくせに。
「…でも、その子より僕の方がルーフさんの事格好いいと思ってますから。その子より僕の方がルーフさんが優しいって知ってますからね!!」
珍しく大声を上げたシロにルーフはびっくりして笑うのをやめた。
「はぁ?何ムキになってんだよ。つか、お前に言われても嬉しくねぇわ」
「そんな事分かってます!!分かってても伝えたくなるんですっ!!…あ、…と、とにかく…今日は色々すみませんでした…」
シロは怒鳴ってしまった自分に戸惑い、逃げるようにルカ達の方へ走っていった。
「私はキバ君を医務室へ連れて行きますのでルーフさんは先に応接室へ行ってください。シロ君は戻って結構ですよ」
「でも…、アリー先生。その子、大丈夫なんですか?僕のせいで…」
シロはキバと呼ばれる少年を見た。ルカに掴みかかっていた時は体も大きく威圧的に感じたイノシシ魔族の少年も竜人のアリーの腕の中にいると小さく感じる。
「ええ、急激な魔力低下で気を失っているだけです。そのうち目を覚ますでしょう。それに先に貴方たちに手を出したのはキバ君の方でしょう?彼、趣味が喧嘩なんですよ」
アリーは少し呆れた表情でキバを見たが、ルーフは腕を組んで笑った。
「ははっ、さすがイノシシ魔族!!気合い入ってんなー」
「笑い事ではありません。下級生にまで手を出すなんて…。まあ、とにかく彼を医務室に連れて行きますので。では失礼します」
そう言ってアリーは魔法で姿を消し、シロとルーフだけがその場に残された。
「んじゃ俺も応接室に行ってくるわ。じゃあな」
「ルーフさん…、迷惑かけてしまってすみません」
シロはルーフに頭を下げた。
ルーフは今日用事があると言っていた。それなのに魔力暴走を起こしかけたシロを助け、呼び出しまでされてしまった。
シロは申し訳ない気持ちでいっぱいになり泣きそうになった。
「いや、それがよ、意外と迷惑じゃなかったんだ。むしろナイスタイミング」
ルーフはニヤッと笑ってシロを見た。
「え?」
「今日は賭博場に行ったんだけど、ポーカーで大負けしてたんだ。でも負けてるからって途中で逃げるなんてダセェだろ?引くに引けねぇなーって思ってた時にお前が魔力を暴走させてくれたんだ。で、俺はお前を心配するフリして抜けてきたってワケ。しかもディーラーの女の子からも『ルーフさんて子供思いで優しいんですねぇ~、意外~、格好いいですぅ』なんて言われてよぉ。今度、賭博場行ったらモテモテだなっ!はははっ!」
ルーフは上機嫌で嬉しそうに話した。
「…はぁ、そうですか」
シロは若干呆れながら相槌を打つ。
さっきまでの申し訳なかった気持ちは消え、なぜかつまらない気持ちになった。
シロがルーフに『格好いい』と言っても嬉しそうにしないくせに。
「…でも、その子より僕の方がルーフさんの事格好いいと思ってますから。その子より僕の方がルーフさんが優しいって知ってますからね!!」
珍しく大声を上げたシロにルーフはびっくりして笑うのをやめた。
「はぁ?何ムキになってんだよ。つか、お前に言われても嬉しくねぇわ」
「そんな事分かってます!!分かってても伝えたくなるんですっ!!…あ、…と、とにかく…今日は色々すみませんでした…」
シロは怒鳴ってしまった自分に戸惑い、逃げるようにルカ達の方へ走っていった。
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