竜人嫌いの一匹狼魔族が拾った竜人を育てたらすごく愛された。

そら。

文字の大きさ
14 / 112
竜人嫌いの魔族、竜人の子供を拾う。

13.遊ばないと

しおりを挟む
ルーフはシロに一般魔法を教えるため、人里離れた深い谷までやって来た。
周りは切り立った崖に囲まれ、滝と泉が点在している静かで綺麗な場所だ。

「わぁ…、すごく素敵な場所ですね。」

シロは興味津々に辺りを見回している。
ルーフは腕を組んで自慢げに「だろ?」と笑った。

「俺の隠れ家的な場所だ。ここなら誰もいないから何を爆発させても大丈夫だ。魔法の特訓にはぴったりだろ?」

「はいっ、ありがとうございます!じゃあ早速一般魔法の練習しますね!」

シロがやる気に満ちた顔で拳を握ると、ルーフは呆れた顔でため息をついた。

「は?お前、それ本気で言ってんの?」

「え?だって、そのために来たんじゃ…。」

「真面目か。まずは遊ばないと。お前も好きな事して過ごせよ。そーだな、俺は久しぶりに釣りでもするか。」

「へ?遊ぶんですか…?つ、釣り?」

「当たり前だろ。せっかくここまで来たんだ。」

「そっか…、じゃあ僕もルーフさんと釣りがしたいです!」

「よし、じゃあついて来い。」

そう言ってルーフは1番大きな湖へ向かった。
岸には小屋が建っていて、小さな船も繋がれている。

ルーフは小屋に入り、窓を開けて空気の入れ替えをすると、今度は船に向かい釣り道具を乗せてから船と小屋を繋いでいるロープを外した。

「シロ、乗れよ。」

「え、あっ、はい!!」

ルーフの手際の良さを感心しながら眺めていたシロは、慌てて返事をして船に飛び乗ると、船は大きく揺れ水飛沫が飛んだ。

「うわっ、揺れる…。」

シロは船のヘリを掴んだ。

「ははっ、そんなに勢いよく乗りゃ揺れるだろ。船は初めてか?」

「はい。本で読んだ事はありますけど、乗るのは初めてです。」

「じゃあ湖の真ん中まで漕いでみろよ。」

ルーフはシロにオールを渡して腰を掛けた。

「はい!」

簡単に漕ぎ方のコツを教えてもらったシロは、一生懸命オールを漕いでいる。

その間、ルーフは仰向けになって、空を見上げていた。

真っ青な空に丸々太った魚みたいな雲が浮かんでいる。

美味そうだ…。
あれぐらいデカい魚釣りてぇな…。

そんな事を思いながら、ルーフは目を閉じた。

風が心地良い。
やっぱりこの場所はいつ来ても心が休まる。

そういえば、初めてこの場所に自分以外の奴を連れてきたな。

誰かと、ましてや竜人のガキなんかと暮らせないと思っていたが、意外となるとかなるもんだな。
シロは働き者だし、俺の言う事もちゃんと聞くし、一緒にいてもストレスを感じない。
なんならシロの浮世離れした言動はちょっと面白い。

シロの体調が良くなれば追い出そうと思っていたが、まあ、もう少しだけ面倒見てやるか。


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

処理中です...