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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を拾う。
12.赤い瞳
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シロを拾って1週間後ー…。
「おい、何を…どうすれば、こうなるんだ…。」
ルーフは天井が吹き飛び、壁が焼け焦げた自分の家を茫然と見上げた。
周りには野次馬どもが集まり「ははっ、またやってらぁ」と笑っている。
「うう…ごめんなさい。…食事を温めようとして熱魔法を使ったんですけど…力がコントロール出来なくて…爆発させちゃいました…。ううっ、ごめんなさい、ごめんなさい。」
犯人は小さくなって土下座をしながら泣いているコイツ。シロの仕業だ。ちなみに家を壊されたのは、この1週間で既に3回目だ。
「泣くなっ、うぜぇ。あと土下座なんかするなっ、みっともねぇ!ったく…。」
ルーフは野次馬を追い払ってから、修復魔法で家を元の状態に戻した。
シロは家事を張り切ってやるのだが基本的に失敗ばかりだ。
シロの魔力はかなり多く、攻撃魔法に至っては騎士並みのスキルがある。
しかし生活で使うような一般魔法のスキルは一切ない。風呂の準備で水魔法を使えば、鉄砲水で風呂をぶち抜き、料理で火魔法を使えば火炎放射でキッチンごと丸焼きにした。
ルーフは、涙を堪えながら震えるシロを呆れながら見た。
おでこを火傷していて、ボサボサの黒髪は所々焦げてチリチリになっている。
その姿がちょっと面白くてルーフは笑いそうになったが、顔面蒼白で怯えた様子のシロが少し可哀想で、咳払いをして誤魔化した。
シロのおでこに触れ、治癒魔法で火傷を治した。シロはまだ怯える目をして震えている。
ー…普通、一般魔法は生まれて1番最初に身に付けるもんだ。戦闘魔法しか使えないなんて、兵器として育てられたみたいだな。どういう環境で暮らしてきたんだ…。
「こっち来い、シロ。その髪もみっともねぇから切ってやる。」
2人は外の庭に移動し、ルーフはシロの髪をザクザクと切り始めた。長かったシロの髪はどんどん短くなっていく。前髪も切ろうとした瞬間、シロは「待って!」と声を上げた。
「なんだよ。」
「前髪は、長いままがいいんです…。そ、その、僕、目の色が…。気持ち悪いって…言われてて…。周りの人を…不快な気持ちにさせちゃうので…。」
シロは気まずそうに下を向いた。
「はいはい。」
ルーフは返事だけして、シロの前髪にもハサミを入れた。
「ああっ!」
短くなった前髪を手で押さえてシロは叫んだが、ルーフは満足したように笑った。
「へへっ、もう切っちまった。短い髪、似合ってんじゃん。俺が髪切るの上手くてよかったな!それに目の色だって綺麗だぞ。自信持てよ。」
ルーフはシロの頭をガシガシと撫でた。
「で、でも…。」
目を見られたくなくて下を向こうとしたシロの顎をルーフは片手で引き上げた。
「大丈夫だって。俺はお前の目の色、結構好きだぜ。あとさ、そんなに怯えるな。俺の顔色だっていちいち気にするな。
お前が今までどう生きてきたかなんて知らないけど、俺と一緒に暮らすなら言いたい事はちゃんと言え。誰かに言われたからってソイツの言う事に従う必要はない。他人にどう思われるかじゃなくて、自分がどうしたいのかを考えろよ。」
髪が短くなってよく見えるようになったシロの赤い瞳からボロボロと涙が溢れる。
「あと、すぐ泣くの禁止。まじでうぜぇ!」とルーフが付け足すと、シロはルーフに勢いよく抱きついた。
「…ルーフさん、好きですっ。」
「あ?なんだそりゃ。」
「言いたい事は言えって言ったじゃないですか。だから言います。好きです。大好き。」
「…あっそ。俺はお前のこと普通だけどな!それよりお前は魔法が下手すぎる。練習するぞっ。」
突然の告白と抱擁に少し照れてしまったルーフは、シロを雑に引き剥がした。
「おい、何を…どうすれば、こうなるんだ…。」
ルーフは天井が吹き飛び、壁が焼け焦げた自分の家を茫然と見上げた。
周りには野次馬どもが集まり「ははっ、またやってらぁ」と笑っている。
「うう…ごめんなさい。…食事を温めようとして熱魔法を使ったんですけど…力がコントロール出来なくて…爆発させちゃいました…。ううっ、ごめんなさい、ごめんなさい。」
犯人は小さくなって土下座をしながら泣いているコイツ。シロの仕業だ。ちなみに家を壊されたのは、この1週間で既に3回目だ。
「泣くなっ、うぜぇ。あと土下座なんかするなっ、みっともねぇ!ったく…。」
ルーフは野次馬を追い払ってから、修復魔法で家を元の状態に戻した。
シロは家事を張り切ってやるのだが基本的に失敗ばかりだ。
シロの魔力はかなり多く、攻撃魔法に至っては騎士並みのスキルがある。
しかし生活で使うような一般魔法のスキルは一切ない。風呂の準備で水魔法を使えば、鉄砲水で風呂をぶち抜き、料理で火魔法を使えば火炎放射でキッチンごと丸焼きにした。
ルーフは、涙を堪えながら震えるシロを呆れながら見た。
おでこを火傷していて、ボサボサの黒髪は所々焦げてチリチリになっている。
その姿がちょっと面白くてルーフは笑いそうになったが、顔面蒼白で怯えた様子のシロが少し可哀想で、咳払いをして誤魔化した。
シロのおでこに触れ、治癒魔法で火傷を治した。シロはまだ怯える目をして震えている。
ー…普通、一般魔法は生まれて1番最初に身に付けるもんだ。戦闘魔法しか使えないなんて、兵器として育てられたみたいだな。どういう環境で暮らしてきたんだ…。
「こっち来い、シロ。その髪もみっともねぇから切ってやる。」
2人は外の庭に移動し、ルーフはシロの髪をザクザクと切り始めた。長かったシロの髪はどんどん短くなっていく。前髪も切ろうとした瞬間、シロは「待って!」と声を上げた。
「なんだよ。」
「前髪は、長いままがいいんです…。そ、その、僕、目の色が…。気持ち悪いって…言われてて…。周りの人を…不快な気持ちにさせちゃうので…。」
シロは気まずそうに下を向いた。
「はいはい。」
ルーフは返事だけして、シロの前髪にもハサミを入れた。
「ああっ!」
短くなった前髪を手で押さえてシロは叫んだが、ルーフは満足したように笑った。
「へへっ、もう切っちまった。短い髪、似合ってんじゃん。俺が髪切るの上手くてよかったな!それに目の色だって綺麗だぞ。自信持てよ。」
ルーフはシロの頭をガシガシと撫でた。
「で、でも…。」
目を見られたくなくて下を向こうとしたシロの顎をルーフは片手で引き上げた。
「大丈夫だって。俺はお前の目の色、結構好きだぜ。あとさ、そんなに怯えるな。俺の顔色だっていちいち気にするな。
お前が今までどう生きてきたかなんて知らないけど、俺と一緒に暮らすなら言いたい事はちゃんと言え。誰かに言われたからってソイツの言う事に従う必要はない。他人にどう思われるかじゃなくて、自分がどうしたいのかを考えろよ。」
髪が短くなってよく見えるようになったシロの赤い瞳からボロボロと涙が溢れる。
「あと、すぐ泣くの禁止。まじでうぜぇ!」とルーフが付け足すと、シロはルーフに勢いよく抱きついた。
「…ルーフさん、好きですっ。」
「あ?なんだそりゃ。」
「言いたい事は言えって言ったじゃないですか。だから言います。好きです。大好き。」
「…あっそ。俺はお前のこと普通だけどな!それよりお前は魔法が下手すぎる。練習するぞっ。」
突然の告白と抱擁に少し照れてしまったルーフは、シロを雑に引き剥がした。
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