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3章
第7話 *
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《FRside》
「んっ、はぁっ…あっ…アルっ、」
愛しの人を見下ろしながら必死に腰を振る。勝ち誇ったような笑みを浮かべるアルに内心ドキッとしながらも、それを見せることなく俺も同様に笑みを湛える。額から溢れる汗が、アルの上へと落ちていく。
「はっ、んぅ…」
「フィリア…顔、蕩けてる」
腰を両手で掴まれてグッと最奥まで挿れられる。既に何度か入ってはダメな場所まで挿れられているため、そこが緩くなってしまっている気がして仕方がない。気のせいかもしれないけれど、いつもよりずっとアルのモノが熱い。中を擦られる度に灼熱に貫かれるような気分だ。
どうしたんだろう、アル。昨日もシたばかりだし、別に溜まっているわけではないだろうけど。今日はいつもより興奮しているのかな。
「フィリアッ…中、出してもいいか?」
「あんっ…いつもあんまり聞かないくせにっ…」
「っ……」
寝転がっていたアルが上半身を起こして俺の腰を抱く。首元に頭を埋められる。肌に触れる髪の毛が擽ったい。そして俺が絶頂を迎えると同時に、アルも俺の中へと欲を吐き出した。アルが大きく息を吐く。
俺の首元に子供のように甘えてくるアルが可愛い。
「どうしたの…アル」
「ん…?」
「何だかいつもと違うから」
そう言うと、アルが少し気まずそうな顔をしながら目線を逸らした。
あー、これは何かあるな。お義父様に何か言われたんだろうか。もしかして、エルダ様関係のこと?
「エルダを認めさせる方法を見つけた」
「ほ、本当に!?」
「今度、南の小国を滅ぼす任務がある。その任務の作戦をエルダに任すことになった」
「国を、滅ぼす?」
俺がそう問いかけると、アルはコクリと頷いた。
南の小国を滅ぼす任務の作戦をエルダ様が立てる。確かにその大きな任務で成功すれば、エルダ様は他の分家の方々に認めてもらえるだろう。だけど、もし失敗してしまえば…。
「それには、アルも駆り出されるの?」
「あぁ…。一晩で終わらせるつもりだ」
「行かないでって言っても、ダメだよね…。無事に帰って来てよ」
アルの頭をぎゅっと抱く。
どんなことがあっても、俺の元に帰って来てくれればそれでいい。その大きな任務が終われば、俺が求めていた幸せに辿り着けそうな気がするから。
「必ず、戻って来る」
「うん」
「ただ…父さんに一つ条件を出されたんだが…」
「条件?何?」
「……………孫の顔が、見たいそうだ」
孫?と、目を見開いて驚く俺の顔を見て、アルは溜息をついて俯いた。黒髪から覗く耳が赤く染まっていることから、照れているのだろう。
お義父様が「孫の顔が見たい」と言ったということは、つまり…。俺とアルの子供の顔が見たいということで…。
「えっ!?!?!?」
「……………」
「こ、こここここ子供が欲しいってこと!?」
俺の言葉に、アルは俯いたまま首を縦に振った。
いや、確かに結婚するうえでそれは分かっていたことだけど…。いざ言われると、照れてしまう。でもアルは、お義父様の条件を受け入れたんだよね?
「ねぇ、アル。俺との子供、欲しい?」
「……………当たり前だろ」
「うん。俺もアルとの子供が欲しいよ」
アルの両方に優しく手を添えて、色付いた唇にキスを落とす。
お義父様に言われたからではなく、アルがどう思っているのかが知りたかった。アルが子供が欲しいと言ってくれたなら、いくらでも生んであげる。そう、いくらでも。アルのためだけに。
「もしかしたら、今のでできちゃったかもしれないね?」
意地悪に笑いながらそう言うと、アルは更に顔を赤くさせて「そうだったら、嬉しい…」と呟いた。あまりの可愛さに、愛しさが胸の内から溢れてくる。これ以上、どれくらい好きにさせるつもりなんだろう。
「早く、会いたいね。俺たちの子供に」
「そうだな…」
「アルは女の子か男の子、どっちがいい?」
「どっちも欲しいが、強いて言うなら女だな」
「え~、どうして?」
「男だと…おまえを取られた気分になるだろ」
唇をへの字に曲げて、拗ねたような顔をするアル。女の子だとしても、俺からしたらアルを取られるような気分になるんだけどな~、と思いながらアルの頬にキスをする。
「女の子でも男の子でも、絶対可愛いよ」
俺とアルの子供なら、と付け足す。その言葉に嬉しそうに微笑んだアル。
エウデラード一族の子供が皆、黒髪で青紫の瞳を持っているということは、俺たちの子供も全員黒髪で青紫の瞳を持って生まれてくるのだろう。でも、父親譲りのプラチナブロンドと、母親譲りのエメラルドグリーンの瞳の子供も欲しかったりする。一人くらい、生まれてきてくれないかな…?
密かにそんなことを思いながら、窓から差し込む月明かりを見つめた。
早く、ここに来て欲しいな、愛する子よ_____。
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「んっ、はぁっ…あっ…アルっ、」
愛しの人を見下ろしながら必死に腰を振る。勝ち誇ったような笑みを浮かべるアルに内心ドキッとしながらも、それを見せることなく俺も同様に笑みを湛える。額から溢れる汗が、アルの上へと落ちていく。
「はっ、んぅ…」
「フィリア…顔、蕩けてる」
腰を両手で掴まれてグッと最奥まで挿れられる。既に何度か入ってはダメな場所まで挿れられているため、そこが緩くなってしまっている気がして仕方がない。気のせいかもしれないけれど、いつもよりずっとアルのモノが熱い。中を擦られる度に灼熱に貫かれるような気分だ。
どうしたんだろう、アル。昨日もシたばかりだし、別に溜まっているわけではないだろうけど。今日はいつもより興奮しているのかな。
「フィリアッ…中、出してもいいか?」
「あんっ…いつもあんまり聞かないくせにっ…」
「っ……」
寝転がっていたアルが上半身を起こして俺の腰を抱く。首元に頭を埋められる。肌に触れる髪の毛が擽ったい。そして俺が絶頂を迎えると同時に、アルも俺の中へと欲を吐き出した。アルが大きく息を吐く。
俺の首元に子供のように甘えてくるアルが可愛い。
「どうしたの…アル」
「ん…?」
「何だかいつもと違うから」
そう言うと、アルが少し気まずそうな顔をしながら目線を逸らした。
あー、これは何かあるな。お義父様に何か言われたんだろうか。もしかして、エルダ様関係のこと?
「エルダを認めさせる方法を見つけた」
「ほ、本当に!?」
「今度、南の小国を滅ぼす任務がある。その任務の作戦をエルダに任すことになった」
「国を、滅ぼす?」
俺がそう問いかけると、アルはコクリと頷いた。
南の小国を滅ぼす任務の作戦をエルダ様が立てる。確かにその大きな任務で成功すれば、エルダ様は他の分家の方々に認めてもらえるだろう。だけど、もし失敗してしまえば…。
「それには、アルも駆り出されるの?」
「あぁ…。一晩で終わらせるつもりだ」
「行かないでって言っても、ダメだよね…。無事に帰って来てよ」
アルの頭をぎゅっと抱く。
どんなことがあっても、俺の元に帰って来てくれればそれでいい。その大きな任務が終われば、俺が求めていた幸せに辿り着けそうな気がするから。
「必ず、戻って来る」
「うん」
「ただ…父さんに一つ条件を出されたんだが…」
「条件?何?」
「……………孫の顔が、見たいそうだ」
孫?と、目を見開いて驚く俺の顔を見て、アルは溜息をついて俯いた。黒髪から覗く耳が赤く染まっていることから、照れているのだろう。
お義父様が「孫の顔が見たい」と言ったということは、つまり…。俺とアルの子供の顔が見たいということで…。
「えっ!?!?!?」
「……………」
「こ、こここここ子供が欲しいってこと!?」
俺の言葉に、アルは俯いたまま首を縦に振った。
いや、確かに結婚するうえでそれは分かっていたことだけど…。いざ言われると、照れてしまう。でもアルは、お義父様の条件を受け入れたんだよね?
「ねぇ、アル。俺との子供、欲しい?」
「……………当たり前だろ」
「うん。俺もアルとの子供が欲しいよ」
アルの両方に優しく手を添えて、色付いた唇にキスを落とす。
お義父様に言われたからではなく、アルがどう思っているのかが知りたかった。アルが子供が欲しいと言ってくれたなら、いくらでも生んであげる。そう、いくらでも。アルのためだけに。
「もしかしたら、今のでできちゃったかもしれないね?」
意地悪に笑いながらそう言うと、アルは更に顔を赤くさせて「そうだったら、嬉しい…」と呟いた。あまりの可愛さに、愛しさが胸の内から溢れてくる。これ以上、どれくらい好きにさせるつもりなんだろう。
「早く、会いたいね。俺たちの子供に」
「そうだな…」
「アルは女の子か男の子、どっちがいい?」
「どっちも欲しいが、強いて言うなら女だな」
「え~、どうして?」
「男だと…おまえを取られた気分になるだろ」
唇をへの字に曲げて、拗ねたような顔をするアル。女の子だとしても、俺からしたらアルを取られるような気分になるんだけどな~、と思いながらアルの頬にキスをする。
「女の子でも男の子でも、絶対可愛いよ」
俺とアルの子供なら、と付け足す。その言葉に嬉しそうに微笑んだアル。
エウデラード一族の子供が皆、黒髪で青紫の瞳を持っているということは、俺たちの子供も全員黒髪で青紫の瞳を持って生まれてくるのだろう。でも、父親譲りのプラチナブロンドと、母親譲りのエメラルドグリーンの瞳の子供も欲しかったりする。一人くらい、生まれてきてくれないかな…?
密かにそんなことを思いながら、窓から差し込む月明かりを見つめた。
早く、ここに来て欲しいな、愛する子よ_____。
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