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二章
re.《391》
しおりを挟むモジモジしている手は寂しそうだ。
そう、この幼い子供には自分が必要なのだ。それなのにたった1回の過ちで、端的な思考に陥っていた。
ルビーには自分しかいない。
わけも分からない子供を突き放すなんて、親として失格である。
「じゃあ·····嫌いになってない·····?」
またこの目だ。
こっちの顔色を伺う、寂しい目。
だからそっと両手を伸ばす。そっと抱きしめてあげたら、あたたかい匂いがした。
「·····!」
「なってない」
自分より少し広い子供の背中を撫でてやる。
不思議と、こっちも落ち着いてくる。
ルビーの顔は見えないが、泣き止んだのがわかる。しばらくそうしていたら、昼前のチャイムが鳴った。
いくらマナを食べるとしても、食べ物を与えないのはどうかと思う。
幸い今日は呼び出しも食らっていないし、ジェロンに頼んで、なにか用意してもらおう。
ぐう、と、腹の虫がなる。呼び出し鈴を鳴らしたら、程なくして世話係がやってきた。
ミチルはちょっと考えたあと、一緒に厨房へ行くことにした。
ルビーは極端に甘いものが好きだ。
裕福な暮らしの最中も嗜好していた。
それは彼が、魔物の毒という激薬を摂取していたせいである。
彼には今までの分、食事の美味しさを知って欲しい。
だから、自分の好きな物を食べさせたいと思ったのだった。
───そんな考えがアダになったと知るのは、僅か15分後。
ジェロンはいなくなった。
出くわした悪魔が片手で追い払ったせいだ。
廊下の真ん中、眩しい金髪を見上げ、ミチルは後悔した。
よりによって、ルビーのところに行く途中で、ヨハネスに鉢合わせるとは。
久しぶりの二人きりだ。
食べ物がいっぱいに入ったバスケットをそっと背に隠すが、
「持ってあげる」
そう言って覗き込まれたら、意味が無くなった。
童話から出てきた王子様みたいな美貌に目がしょぼしょぼする。どうしようか考えていたら、ひょいと、身体が宙に浮いた。
荷物は、この身ごと持ち上げられてしまった。
「お部屋でいいの?」
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