悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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一章

158.そのまま

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「ン·····♡ん、ぅん·····ッ·····♡」


(あったかくて、きもちい·····)

時折感じる鋭い牙に飛び上がる。

これ以上の快楽は怖いのに、もっと深くに欲しくなる。
触れていない箇所がせつなくて耐えられない。1度離れていこうとする舌を引き止めたのは自分の方だった。


「にゃあ♡」


完全に一人になった唇から、甘ったれた鳴き声が漏れる。
舌を突き出してルシフェルを見上げる。吸い上げて欲しいのに、濡れた唇は頬に口付けを落とした。


「キス、好き?」

「ん、ん·····♡·····すき·····──····ゃう"っ♡」


長い指が舌の腹を撫でる。
溢れた唾液を飲み込もうとすると、「そのままだよ」と自由を制限された。
彼の行動は時に優しくて意地悪だ。今だって幼児をくすぐるような手つきで弄び、優美な目元は艷めかれる。


「こんなに小さいのに、ビクビク震えてる」

「·····ニャ~·····♡」

「ん?」


気持ちいいのと問いかけられれば、意図せず媚びた鳴き声が伸びる。


「もっとしてあげようか」


兎耳の付け根に囁かれる。
もう我慢できない。早く、口の中も、裸の身体も、抱きしめて撫でて欲しい。


「ミィ」


視界が滲んで、頬に熱いものが流れてゆく。
「ああ」と感嘆とも取れるため息が聞こえた。


「して欲しいね、ミチル·····」

「·····んぅ·····♡ひっく·····ッ」


媚薬の声が促すまま口を半開きにする。
溜まった唾液を舐め取られ、やっと舌が触れ合う。喜びと共に、またお腹の中がじんと疼いた。

口付けは深いものになっていった。
舌を絡め、吸って、食むように彼の口内へ攫われる。

何度か柔く達してその度耳元を撫でられる。
褒めてくれるみたいな手つきに、気がつけば自分の方からすり寄っていた。

どのくらいキスをしていたのか分からない。
未だ唇どうしに留まる戯れに、だんだんと不安になる。

このまま、口付けだけで終わってしまったらどうしよう?

もっと内側も撫でて欲しい。

頭の片鱗に残った理性が、そんなことを願ってはダメだと叱責する。
とんでもない熱欲を抱いていた。

また、唇がそっと離れていった。


「やぁ·····♡」


駄々をこねるように引き止めたのは自分の知らない自分だった。


「もっと·····」


切なくて涙が止まらない。


「キスだけでいいの?」


いつもは分かってくれる瞳が、今日は分かりきった答えの問いかけを仕掛けてくる。

シャツを奪い取った指は唾液に濡れている。
長くて、咥えると甘い指だ。
思わず喉が鳴った。













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