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イズミケント

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「へへっちゃんと言えたっすね、ほらご褒美っすよ」

ハーヴェイは、どこか目がボンヤリしているケントの頭をやさしく撫でながらも、ゆっくりと抑えつけるように再び自身のペニスを咥えさせた。

ケントもまた、自ら口を開き、ハーヴェイの腫れあがった亀頭の溝部分を口で包み込むと、その先端まで唇でなぞるようにハーヴェイの先走りを優しく吸い取った。
まるでペニスをゆっくり味わってるかのように、亀頭を唇を使って上へ下へと刺激をくわえると、ゆっくりと口の中に呑みこむように、自ら口の奥へと含ませていく。

「そんな美味しそうにしゃぶっちゃって……これからはちゃんとおねだりしないとっすね、変態の俺にチンコをしゃぶらせてくださいって」

思考がぼやけている中、ケントは脳裏でぼんやりと想像をしていた。
股を開いて偉そうにしている後輩に、全裸でひざまずいて、無様におねだりをしている自分の姿を。
そんな屈辱的とも言えるはずのふとした妄想に、ケントはどこか浸ってしまっていた。

もはや遠慮のなくしたハーヴェイはケントの髪を掴み、口からペニスを離させ、再びペニスをケントの目前に近づけた。
すると、ハーヴェイは自身のペニスの根本を指先でつかみ、煽るようにケントの顔面をペニスで何度もたたいた。

「ほら、練習っすよ、変態の俺にチンコをしゃぶらせてくださいって──」

ハーヴェイはほほんでいた。
しかしその表情はどこか──今ならどんな命令をしても、まるで従順な性奴隷のように従いそうなケントを見るその目は、もはや後輩の目ではなく、支配欲に取りつかれた男の目のようだった。


「変態の俺に……チンコを……しゃぶらせてください」

「──もう一回」

「変態の俺に……!チンコをしゃぶらせてください」

「もう一回」

「変態の俺に──チンコをしゃぶらせてください──」

「もう一回」

「変態の俺に──!チンコをしゃぶらせてください──」




──その時、誰もいないはずの天幕の入り口から、聞こえるはずのない声が聞こえた。

「オイオイ──ずいぶんと仕上がってんなァ」

──聞いた事のある声。
悪党のような話し方、かすれた男の声、ケントにとってその聞き慣れた声に、ケントは大きく目を開かせた。

「──え」

すぐに冷静になったケントとハーヴェイは、天幕の入り口へと慌てて振り返ると、ひとりの男がしゃがんでこっちを見ていた。
天幕の中心のランプから放つオレンジの光のせいか、燃えるかがり火のような色に見える──赤いバンダナを巻いた黒髪の男。

右手で天幕の布を上げながら、不良がクソでもしてるかのような姿勢で、その八重歯がかろうじて見えるほどの薄い笑みを浮かばせながらこちらを見ていたのは──あのマラークだった。
あざ笑うかのような表情をしながら、ゆっくりと口を開いた。

「──よぉ」

「マラークさん!?」

「マ……マラーク……?なんで──」

「あーあー御託はいい。続けてろや」

「でも──」

「──続けろ」

会話を一刀両断するような威圧的な態度で、ケントを黙らせる。
マラークがブーツを脱いで天幕の中に入ってくると、ケントの寝床に座り込んで2人の様子を見始めた。
ケントが困惑してると、マラークが口を開いた。

「あ?なに黙ってやがる、そこのクソ犬はやる気満々みたいだぜ?」

その言葉に反応して、ケントが正面へと振り返ると、目の前にはまったく衰える事なくそそり立っているハーヴェイのペニスがあった。
わずかに上を見上げ、ハーヴェイの顔に視線を送ると、ハーヴェイは悪ぶれる様子もなく、どこか戸惑うケントを見ながら笑った。

「へへっ……」

ケントに朝立ちを何度も見られているせいか、それとも度胸がとてつもなくあるのか、恥じらいという言葉がハーヴェイの精神には存在しなかった。

「──マラークさんもああ言ってるし、ほら」


ケントの視線が、ハーヴェイの顔から次第に、目の前にあるハーヴェイの硬くなったままのペニスへとピントが合っていく、
両目で見ているはずなのに、どこかボヤけてると感じてしまうように、その匂い、脈が浮き出るその肉の棒によって、惑わされながら徐々に思考が停止していく。

釣られるようにケントの口が小さく開いた。
しかしその瞬間、マラークがケントがしようとしている行為をさえぎるように口を開く。

「そうじゃねぇだろうが」

口を開いたまま、ケントの時間が止まった。

「人様のを咥える時はなんつーんだっけかァ?変態くん」


どこから聞かれていたのだろうか。
マラークの言葉を聞く限り、間違いなくさっきまでのやりとりは聞かれていた──そんなおぼろげな思考をしながらも、ケントは言う通りに小さな声でおねだりをした。

「……変態の……俺に……チンコを……しゃぶらせてください」

「へへ……もう一回っす」

「──ッ!」

悪ノリのようにハーヴェイもまた、ほほえみながらケントを見ていた。

「……もう一回っすよケントさん」

「……変態の……俺に……チンコを……しゃぶらせてください」

「もう一回」

「……変態の俺に──チンコをしゃぶらせてください」

「もう一回」

恥ずかしさからか、ヤケも交えていたせいか心臓の鼓動が速くなり、浅く荒い呼吸をしながら、何度もハーヴェイへとおねだりをした。
ハーヴェイへと向けているはずの言葉が、繰り返すうちに自身への暗示ともなっていった。


「変態の俺に──チンコをしゃぶらせてください──」

「──へへ、いいっすよ。好きなだけしゃぶりなよ変態」

隣でマラークが見てるにも関わらず、ケントはハーヴェイのペニスを口に含み、懸命に舐め始めた。
わざわざハーヴェイのを咥えてる所を見計らったかのように来るマラーク、そしてそんなマラークに見られながらも恥じる事もなく咥えさせるハーヴェイ。
そんなネジの飛んだ男と心の境界線のない男に囲まれてるせいか、それとも本来は気を許している仲間だからなのか、ケントはただただハーヴェイのペニスにむしゃぶりついた。

「ハハッずいぶんうまそうに咥えるようになっちまったなぁ?」

相手をすぐに絶頂に向かわせるための舐め方ではなく、気が狂いそうになるほど愛おしそうに味わって舐めるケント。
そんな光景を見ているマラークは、楽しそうにさらに追い打ちをかけていく。

「けど、マゾヒストのテメェはそれだけじゃあ満足はできねぇよな?」

「──どういうことっすか?」

ケントの頭を手で押さえながらも、ハーヴェイはつい好奇心のせいかマラークに問いかけた。

「あ?んなもん下の穴の話だろうがよ、クソ犬」

「いやクソ犬って……下の穴ってなんすか?」

今やっている事とは真逆ともいえる無垢(むく)なハーヴェイの問いかけに、珍しくマラークの表情が固まった。
ほんのわずかな間、何かを考え、そして悪だくみを思いついたかのように、マラークは胸元から何かを取り出した。

「ハハッいいぜ、教えてやるよ見習いクソ犬」

マラークが胸元から取り出したのは、液体の入ったガラスの瓶だった。
まるで上等の酒でも開けるかのように、親指でフタを押し出しながら小瓶を開けると、瓶を傾けながら中の液体を自身の指に垂らした。
粘り気のあるその液体を慣らすかのようにマラークは指を動かした。

「コイツはよぉ……男の竿を咥えるだけじゃ飽き足らず、ココにぶち込まれるのが好きな変態ヤローだ」

マラークは話しながら、口で奉仕をし続けるケントの後方へと移動すると、濡らしたその指をケントの尻に当てがった。

「下の穴って……まさかお尻っすか!?」  

「オラ、指入んぞ」

その言葉と同時にマラークの指がまっすぐと肉の穴を貫く。

「っ──!」

ケントはその刺激に、ペニスを咥えるためにちぢこませていた背筋がいっきに伸びた。
そんなケントをよそに、まるで無関係かのようなどこか余裕の表情、そしてうまい酒でも一人で飲んでいるかのようなその態度で、マラークはケントの穴の中で指をくねらせていた。
たった一本の指のはずが、穴の中でうねり、そして穴を抜き差しして、大きな刺激を与える度に、まるで何度も驚いているかのようにケントの体は小さな痙攣(けいれん)を繰り返していた。

「おーおー今日はずいぶんいい反応するじゃねぇかァ……ココを男の竿で好き勝手犯されても感じちまうんだよなァ?なぁ相棒」

「……ほんとっすかケン──」

マラークの言葉を否定も肯定もせず、時折体をくねらせながらもただ、ケントは黙ってハーヴェイのペニスをむしゃぶりついていた。

ハーヴェイは知っていた。
ケントが否定も肯定もしないで黙っている時は、十中八九当たっている時だという事を。
そして目の前のケントの、マラークに尻の穴をほじられだしてからの変化。
この反応を見てハーヴェイの直感が確信に変わってしまった。
マラークの言っている事がすべて本当だということに。

「──お尻の穴にもチンコつっこまれたいんすか?ケントさん」

ハーヴェイは体を起こすと、ケントのあごを持って、しっかりと四つん這いの体勢にさせた。
ケントの頭を持ち、その口の中にいつ爆発してもおかしくないほど膨張したペニスを入れると、ハーヴェイは強く──腰を振りはじめた。

「こんな風に──お尻の中にも──チンコを──つっこまれたいんすね!?」

(クックック……あれを天然でやってるなら相当なもんだな)

ハーヴェイがケントの口を好き勝手している光景を笑いながら、その間もマラークは指を増やしながらもケントの穴を慣らし続け、次第に柔らかくなっていった。

もはやケントは思考をする事さえも放棄してしまいそうだが、頭の片隅で、これから何が起こるのかがケントには大体が予想できてしまっていた。

しかしそれは本当に予想なのか、それとも願望が作り出した期待なのか。
後輩と相棒に挟まれているケントのペニスからは、透明の粘液が糸を垂らして引いていた──

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