「んじゃ、お望み通りにしてやるよ」〜俺様最強チートが不憫な転生美青年をとにかく溺愛するお話(モブありver)

天白

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第一章

蜂蜜よりも甘いもの… 5

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 初めて目にするレイヴンの笑顔に、シンは珍しく目を見開き、薄っすらと口を開ける。

 固まり、しばし釘付けになるシンだったが、その金縛りを破るように唇と脚を動かした。

「なあ、レイヴン」

「は、はいっ」

 名前を呼ばれたことに驚いたのか、ビクッと肩を竦めて笑うことを止めたレイヴンは、こちらへとやって来るシンの顔色を窺うように見上げた。

 いきなり笑って失礼だっただろうか。さすがのシンも怒っただろうか。そんな不安が押し寄せる中、シンの顔がぐんと近くなる。

「あの……あの、ごめんなさ……」

「これは反則だって」

「え? 何……んんぅ!?」

 いったい何を言われたのかわからず、聞き返そうとするも、噛みつくようなキスでレイヴンは口を塞がれる。

「んっ……や、シ……んぅ……!」

 逃さまいとするシンの両腕が、レイヴンの身体を抱え込んで放さない。今までのキスよりも激しさのあるそれが、レイヴンに恐怖にも近い感情を抱かせた。

 絡め取られる舌を引っ込めようとしても、蛇のように長い彼のものがそれを許さない。幾度となく角度を変え、余すところなくレイヴンをしゃぶり尽くそうとする。

「はっ……はあっ……んっ、シン、さ……」

 やがて息も絶え絶えになり、膝が笑い始めたところで、シンはズルリとレイヴンから舌を引き抜いた。

「んぁ……」

 トロリと伸びる互いの銀糸が、一つの玉となって地に落ちる。

 思考が停止したかのように恍惚とした表情を浮かべるレイヴン。シンは彼の口元を指で拭ったかと思うと、艷やかな満面の笑みを浮かべてみせた。

「よし。捌いてくる」

 そう言ってシンは離れると、上機嫌に鼻唄を歌いながら包丁片手に熊を捌き始めた。

「……っ、お、お願い、します」

 我に返ったレイヴンは必死に言葉を絞り出すと、口元を覆いながら、逃げ込むように小屋に入った。

 大きく息を吸ってから長く吐き出す。そうでもしないと、治まりそうもなかったのだ。

「…………なん、だろ。この……動悸…………不整、脈?」

 レイヴンの心臓が、うるさいほど早鐘を打っていた。病気の類を疑うレイヴンに、その本質がわかるわけもなかった。


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