61 / 196
吃驚
しおりを挟む
執事に侍医を呼んで、シャーリンを診て貰うように伝え、体調が悪かったのだろうと気にもしていなかった。
そして、一時間くらい経つと執事と侍医がやって来た。
「どうだった?風邪か?」
「ジェフ様、おめでとうございます」
「何がだ?」
「シャーリン様が、ご懐妊とのことでございます」
「っな!」
執事はジェフは九人目に驚いているのだと思い、これ以上、子どもが増えるのは正直、厳しい状況ではあるが、妊娠には喜ばないということは出来ない。
「本当なのか?」
「はい、間違いないそうです」
「…私の子ではない」
「は?」
「え?」
一緒に報告に来た様子の侍医も、ポカーンとした顔をしている。
「今、臨月だったとしても、私の子の可能性は低いということだ」
子どもの出来るような行為を一年以上、していないということである。
「そんな…では、シャーリン様の子は…一体…」
「間違いなく、不貞行為をしていたということだな。私は関係ないと思っていたが、そうではなかったようだ」
上手くいっているとは言えないが、不貞行為だけは疑っていなかった。
「ガルッツ子爵家に連絡をして、子爵に来て貰うように伝えて貰えるか?」
「かしこまりました」
「シャーリンはどうしている?」
「まだ伝えておりませんので、お部屋にいると思いますが?」
検査は別室で行い、妊娠だと分かり、ジェフを呼びに来たので、まだシャーリンには伝えていなかった。
「では、そのまま検査をしているからと伝えて、部屋に閉じ込めて置くように、メイド長に言ってくれ」
「かしこまりました」
執事はメイド長に話に行き、ガルッツ子爵家に迎えを出しに向かった。
「ドーサン医師、すまないが、もう少し付き合って貰えるか」
「は、はい。勿論でございます。離縁されるのですか?」
「ああ、そうするしかないな」
「最近、親子鑑定も増えていると聞きます」
ドーサンもどこの家かは伏せられてではあるが、検査機関から親子鑑定が増えていると聞いている。実際に他家で親子鑑定を依頼されたこともあった。
「そうか、した方がいいのだろうか」
「疑われている方もいるそうですが、間違いなく自分の子どもだとしても、ハッキリさせるために、してらっしゃる方も多いそうです」
「そうか…念のために考えなくてはならないな」
「されるようならば、ご依頼ください」
「ああ、ありがとう」
しばらくすると、ガルッツ子爵であるシャーリンの兄・ベリックが慌てた様子で、やって来た。
「また何かあったのでしょうか?」
「シャーリンが妊娠をしたが、私の子ではない」
「…な」
ベリックは、それ以上の言葉が出て来なかった。
「一年以上そういったことはしていない。今、臨月だったとしても可能性は低い。ドーサン医師、臨月ではないよな?」
「はい、まだ初期だと思います」
「そんな…大変、申し訳ございません」
「生まれてから親子鑑定をしてもいいが、離縁するしかない」
「はい…」
さすがにベリックも、何も言えることがなかった。妹は自殺未遂を起こし、婚約を解消して、結婚した。当たり前に一生添い遂げると思っていた。
だが、年々上手くいっていない様子も分かっていた。
いつか離縁されるのではないかと思っていたが、まさか別と男の子どもを身籠るなど、想像もしていなかった。
「シャーリンにはまだ伝えていない。最近、また誘って来るようになっていたが、誤魔化そうとしていたのかもしれないな…」
働き出してから、誘って来なくなったはずが、ここ数か月前からまた誘って来るようになっていた。だが、すべて断っていた。
「申し訳ございません…」
「ベリック殿のせいではない、シャーリンのこれが答えなのだろう。これから伝えるから、同席して貰えるか?」
「はい…」
ジェフとベリック、執事と侍医はシャーリンの部屋に向かった。
そして、一時間くらい経つと執事と侍医がやって来た。
「どうだった?風邪か?」
「ジェフ様、おめでとうございます」
「何がだ?」
「シャーリン様が、ご懐妊とのことでございます」
「っな!」
執事はジェフは九人目に驚いているのだと思い、これ以上、子どもが増えるのは正直、厳しい状況ではあるが、妊娠には喜ばないということは出来ない。
「本当なのか?」
「はい、間違いないそうです」
「…私の子ではない」
「は?」
「え?」
一緒に報告に来た様子の侍医も、ポカーンとした顔をしている。
「今、臨月だったとしても、私の子の可能性は低いということだ」
子どもの出来るような行為を一年以上、していないということである。
「そんな…では、シャーリン様の子は…一体…」
「間違いなく、不貞行為をしていたということだな。私は関係ないと思っていたが、そうではなかったようだ」
上手くいっているとは言えないが、不貞行為だけは疑っていなかった。
「ガルッツ子爵家に連絡をして、子爵に来て貰うように伝えて貰えるか?」
「かしこまりました」
「シャーリンはどうしている?」
「まだ伝えておりませんので、お部屋にいると思いますが?」
検査は別室で行い、妊娠だと分かり、ジェフを呼びに来たので、まだシャーリンには伝えていなかった。
「では、そのまま検査をしているからと伝えて、部屋に閉じ込めて置くように、メイド長に言ってくれ」
「かしこまりました」
執事はメイド長に話に行き、ガルッツ子爵家に迎えを出しに向かった。
「ドーサン医師、すまないが、もう少し付き合って貰えるか」
「は、はい。勿論でございます。離縁されるのですか?」
「ああ、そうするしかないな」
「最近、親子鑑定も増えていると聞きます」
ドーサンもどこの家かは伏せられてではあるが、検査機関から親子鑑定が増えていると聞いている。実際に他家で親子鑑定を依頼されたこともあった。
「そうか、した方がいいのだろうか」
「疑われている方もいるそうですが、間違いなく自分の子どもだとしても、ハッキリさせるために、してらっしゃる方も多いそうです」
「そうか…念のために考えなくてはならないな」
「されるようならば、ご依頼ください」
「ああ、ありがとう」
しばらくすると、ガルッツ子爵であるシャーリンの兄・ベリックが慌てた様子で、やって来た。
「また何かあったのでしょうか?」
「シャーリンが妊娠をしたが、私の子ではない」
「…な」
ベリックは、それ以上の言葉が出て来なかった。
「一年以上そういったことはしていない。今、臨月だったとしても可能性は低い。ドーサン医師、臨月ではないよな?」
「はい、まだ初期だと思います」
「そんな…大変、申し訳ございません」
「生まれてから親子鑑定をしてもいいが、離縁するしかない」
「はい…」
さすがにベリックも、何も言えることがなかった。妹は自殺未遂を起こし、婚約を解消して、結婚した。当たり前に一生添い遂げると思っていた。
だが、年々上手くいっていない様子も分かっていた。
いつか離縁されるのではないかと思っていたが、まさか別と男の子どもを身籠るなど、想像もしていなかった。
「シャーリンにはまだ伝えていない。最近、また誘って来るようになっていたが、誤魔化そうとしていたのかもしれないな…」
働き出してから、誘って来なくなったはずが、ここ数か月前からまた誘って来るようになっていた。だが、すべて断っていた。
「申し訳ございません…」
「ベリック殿のせいではない、シャーリンのこれが答えなのだろう。これから伝えるから、同席して貰えるか?」
「はい…」
ジェフとベリック、執事と侍医はシャーリンの部屋に向かった。
4,265
あなたにおすすめの小説
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
さようなら、私の初恋
しょくぱん
恋愛
「さよなら、私の初恋。……もう、全部お返しします」
物心ついた時から、彼だけが世界のすべてだった。 幼馴染の騎士団長・レオンに捧げた、十数年の純粋な初恋。 彼が「無敵」でいられたのは、アリアが無自覚に与え続けた『治癒の加護』があったから。
だが婚約直前、アリアは知ってしまう。 彼にとって自分は、仲間内で競い合う「賭けの対象」でしかなかったことを。
「あんな女、落とすまでのゲームだよ」
旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?
白雲八鈴
恋愛
我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。
離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?
あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。
私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる