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【テイラー】誕生
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6歳になったテイラー・エイクは、鏡に映る見覚えのある、自身の濃いレッドブラウンの瞳を見て、嗚呼と声を上げた。
「どうしたの?」
「いえ…」
母・フアナが不思議そうな顔をして、テイラーを見つめた。
「そう…」
エイク子爵家は両親と、テイラーの下に二つ年の離れた妹・ラオナがいた。
天真爛漫なラオナと違って、物静かで、何か考え事をしているのか、ぼんやりしているテイラーを大丈夫なのだろうかと心配すらしていた。
病院にも相談したが、悪いところはないと言われて、安堵するよりも、不安の方が勝っていた。
テイラーは16歳になり、エイク子爵家が元はデリア侯爵家の血筋で、家系図で知ってからはそういうことかと思うようになっていた。
メルト・ピアットという子爵家の婚約者も出来たが、あまり交流のないまま、学園に入ることになった。
テイラーは、クラスで男爵家のミニーと、子爵家のローリーという友人が出来た。
婚約者の有無を聞かれて、いると言うと、紹介して欲しいと言われ、あまり知らないので困ってしまったが、二人にメルトを紹介することになった。
ミニーとローリーは、子爵家に来るようになり、明るいミニーはラオナとも親しくなっていた。
四ヶ月後、テイラーはメルトに呼び出されて、指定された談話室に行くと、ミニーも一緒におり、ミニーと婚約したいと言い出した。
テイラーは、またかとしか思えなかった。
しかも、家族ぐるみの付き合いはあったが、特にこれといった思い出もないメルトとは、情すらなかった。
「承知いたしました。父には話して置きますので、そちらもそのようにお願いいたします」
「怒らないのか?」
「怒ったところで変わらないことは、よく存じておりますので」
去ろうとしたテイラーに、ミニーが声を掛けた。
「テイラー!」
「何でしょうか」
「さすがに友人ではいられないから」
「承知いたしました」
テイラーは邸に帰って、父であるソラードに話をした。
「何だと!」
「後はお父様にお任せしてもよろしいですか?」
「ああ、だが…」
姉妹だけなので、どちらかが婿を取って、エイク子爵家を継ぐことになっていた。本来なら長子であるテイラーだったが、婚約者がいなくなった。
「ラオナと婚約者の方に子爵家は継いで貰ってください」
ラオナにも婚約者がおり、よく子爵家にも来ている。嫡男ではないので、婿になることも可能だろう。
「だが、テイラーはどうする?縁談は探してみるが」
「いえ、私は16にもなりましたし、除籍して家を出たいと思っております。貴族として生きることもないので、学園も不要ですわね。もっと早く気付くべきでしたわね、申し訳ございません」
テイラーは美しい姿勢で、両手を腹に添えて、頭を下げた。
「そんなことは…」
「お父様たちが私をどう扱あって良いのか、何か問題があるのではないかと思っていることは存じております。このまま、辞めて、どこかで働きながら生きて行ってもよろしいですか?」
「それは…」
「無駄なお金も掛からなくて、ラオナに使ってあげられるのではありませんか」
エイク子爵家は、貧乏ではないが、裕福でもないので、テイラーの分が浮くことは助かることだろうと思っている。
「だが、それでは同じ姉妹で差があり過ぎる」
「では、ラオナに聞いてみてください。あの子が止めるのなら、このまま居りましょう。ですが、認めれば、出て行くということでいかがですか?」
「ラオナに?」
「ええ、これから子爵家を継ぐのはラオナなのですから。あの子に決めて貰いませんか?」
「…分かった」
夕食時にテイラーの婚約が解消になるだろうこと、ラオナに継いで貰おうと思っていること、テイラーはお金が勿体ないので、学園を退学して、出て行きたいと言っているのだが、どう思うかと投げかけた。
フアナは新しい縁談を探せばいい、認めないと言ったが、次にラオナが答えた。
「どうしたの?」
「いえ…」
母・フアナが不思議そうな顔をして、テイラーを見つめた。
「そう…」
エイク子爵家は両親と、テイラーの下に二つ年の離れた妹・ラオナがいた。
天真爛漫なラオナと違って、物静かで、何か考え事をしているのか、ぼんやりしているテイラーを大丈夫なのだろうかと心配すらしていた。
病院にも相談したが、悪いところはないと言われて、安堵するよりも、不安の方が勝っていた。
テイラーは16歳になり、エイク子爵家が元はデリア侯爵家の血筋で、家系図で知ってからはそういうことかと思うようになっていた。
メルト・ピアットという子爵家の婚約者も出来たが、あまり交流のないまま、学園に入ることになった。
テイラーは、クラスで男爵家のミニーと、子爵家のローリーという友人が出来た。
婚約者の有無を聞かれて、いると言うと、紹介して欲しいと言われ、あまり知らないので困ってしまったが、二人にメルトを紹介することになった。
ミニーとローリーは、子爵家に来るようになり、明るいミニーはラオナとも親しくなっていた。
四ヶ月後、テイラーはメルトに呼び出されて、指定された談話室に行くと、ミニーも一緒におり、ミニーと婚約したいと言い出した。
テイラーは、またかとしか思えなかった。
しかも、家族ぐるみの付き合いはあったが、特にこれといった思い出もないメルトとは、情すらなかった。
「承知いたしました。父には話して置きますので、そちらもそのようにお願いいたします」
「怒らないのか?」
「怒ったところで変わらないことは、よく存じておりますので」
去ろうとしたテイラーに、ミニーが声を掛けた。
「テイラー!」
「何でしょうか」
「さすがに友人ではいられないから」
「承知いたしました」
テイラーは邸に帰って、父であるソラードに話をした。
「何だと!」
「後はお父様にお任せしてもよろしいですか?」
「ああ、だが…」
姉妹だけなので、どちらかが婿を取って、エイク子爵家を継ぐことになっていた。本来なら長子であるテイラーだったが、婚約者がいなくなった。
「ラオナと婚約者の方に子爵家は継いで貰ってください」
ラオナにも婚約者がおり、よく子爵家にも来ている。嫡男ではないので、婿になることも可能だろう。
「だが、テイラーはどうする?縁談は探してみるが」
「いえ、私は16にもなりましたし、除籍して家を出たいと思っております。貴族として生きることもないので、学園も不要ですわね。もっと早く気付くべきでしたわね、申し訳ございません」
テイラーは美しい姿勢で、両手を腹に添えて、頭を下げた。
「そんなことは…」
「お父様たちが私をどう扱あって良いのか、何か問題があるのではないかと思っていることは存じております。このまま、辞めて、どこかで働きながら生きて行ってもよろしいですか?」
「それは…」
「無駄なお金も掛からなくて、ラオナに使ってあげられるのではありませんか」
エイク子爵家は、貧乏ではないが、裕福でもないので、テイラーの分が浮くことは助かることだろうと思っている。
「だが、それでは同じ姉妹で差があり過ぎる」
「では、ラオナに聞いてみてください。あの子が止めるのなら、このまま居りましょう。ですが、認めれば、出て行くということでいかがですか?」
「ラオナに?」
「ええ、これから子爵家を継ぐのはラオナなのですから。あの子に決めて貰いませんか?」
「…分かった」
夕食時にテイラーの婚約が解消になるだろうこと、ラオナに継いで貰おうと思っていること、テイラーはお金が勿体ないので、学園を退学して、出て行きたいと言っているのだが、どう思うかと投げかけた。
フアナは新しい縁談を探せばいい、認めないと言ったが、次にラオナが答えた。
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