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第3章
12話
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そのあとすぐに目的の場所へと到着する。
ゲントたちは今、広場前の大食堂へとやって来ていた。
実はレモンに呼び出されていたのだ。
彼女とはチャンネルを交換済みなので、ゲントはあれから何度か連絡を受けていた。
今日はわざわざロゲスからやって来るのだという。
「重要な話があるとかレモンさん言ってたけど・・・なんだろうね?」
「きっとマスターと一緒にお食事がしたいんですよぉ~♪ つまりデートですっ!!」
「こんな大食堂でデートはないんじゃない?」
「ふぇ? そーなんですかぁ?」
(デートの経験が一度もない自分が言うのもなんだけど)
からん、からん。
大食堂は朝早くにもかかわらず、大賑わいだった。
まだ約束の時間には早かったが・・・。
「あっ! ゲントぉー! こっちこっち~!」
テーブルで大きく手を振るレモンの姿が見える。
その名前に反応するように、大勢の視線がいっせいに飛んできた。
「おおっ~! これはゲントさんじゃないですかぁー!」
「ようこそ、コンロイ名物の大食堂へ」
「ここはおいしいメニューが盛りだくさんですよ、ゲントさま♪」
「ひくっ~。まさかぁ、ゲントさまとこんなところで遭えるとはラッキィだぜぇ~! ひくっ~」
すでに酔っている者も何人かいる。
大食堂のあちこちでは拍手が巻き起こっていた。
「すごい盛り上がりですねぇ~☆ さすがはマスターですぅ~~!!」
「うん・・・。すごいね・・・」
それからゲントは、店の客に挨拶やハグをしてまわりながら、ようやくレモンのもとまで辿り着く。
「ごめんごめんっ! まさかこんな感じになってるとは思ってなくてさ」
「ちょっと驚きました・・・」
「でもさ。それにしてもすごいね。ちょー人気者じゃん?」
「気づいたらこんな感じになってまして・・・」
「えへへ。ウチはなんか嬉しいよ♪」
「ルルムも嬉しいですぅ~!!」
姿は視えないながらも、ルルムはレモンの隣りで一緒に喜んでいた。
そのあとしばらく。
ゲントはレモンと楽しく食事をともにした。
もちろん、ルルムにこっそり食事をあげたりしながら。
「ふぅ・・・。久しぶりにコンロイ名物のヒレカツを食べたよ。もうお腹いっぱいだね」
「本当に満足です。こんなおいしいとは思いませんでした」
「ルルムも幸せですぅ~♪」
店の人のサービスで普段の3倍はボリュームが増していたらしい。
食後のコーヒーも飲み終え、やがて一段落するとレモンはこんなことを口にする。
「えっとね? 今日やって来たのは、あることをゲントに伝えたかったからなんだよ」
「そうだったんですか?」
どうやら食事が目的だったわけではないようだ。
そこでレモンは少しだけまわりを気にする素振りを見せる。
挨拶もひととおり済ませたためか、まわりの客の関心はすでにこちらに向いていなかった。
それぞれが仲間や友人たちとふつうに食事を楽しんでいる。
それを確認すると、レモンは小さく口を開いた。
「実はね・・・。ある方からゲントを連れて来るようにって頼まれてるんだよ」
「ある方?」
「来ればわかる! ものすっご~い御方から直々の指名だよ!」
なんでもすでにこのあと予定が決まっているのだという。
「一緒に来てほしいんだけど・・・どうかな?」
「大丈夫ですよ。今日はこれといって予定はないので」
「そっか! ありがとゲント! それじゃ・・・そろそろ会計して行こっか」
***
それから。
ゲントはレモンとともに歩きながら、町のはずれへと向かっていた。
「なんか奢ってもらってすみませんでした」
「そんなの気にしないでよー。これまでゲントに助けてもらったお礼も含めれば、ぜーんぜん足らないくらいなんだからさ!」
「どうもありがとうございます」
「ルルムからもお礼を言わせてくださいっ~! レモンさん、ありがとうございました♪ ヒレカツすご~っくおいしかったですぅ~☆」
その場でルルムとともにゲントがお辞儀をしていると。
レモンが声を上げて前方を指をさす。
「あったよ。あれあれ」
「えっと・・・馬小屋が見えますけど?」
「そう! 馬車を借りて行く場所なんだよ」
どうやらコンロイの外へ出ようとしているようだ。
馬小屋の前にいる御者に声をかけると、レモンは行先を告げる。
それを聞いてゲントは驚いた。
「え・・・ロザリア城って」
「ふふふ、すごいよゲント~。ある方ってのはね、王女さまのことだったんだ! とにかく向かいながら説明するから。先に乗っちゃって♪」
レモンに背中を押されながら、なかば強引にゲントはワゴンに乗せられる。
「それでは出発いたします」
御者のそんなかけ声とともに馬車はロザリア城へと向けて出発した。
ゲントたちは今、広場前の大食堂へとやって来ていた。
実はレモンに呼び出されていたのだ。
彼女とはチャンネルを交換済みなので、ゲントはあれから何度か連絡を受けていた。
今日はわざわざロゲスからやって来るのだという。
「重要な話があるとかレモンさん言ってたけど・・・なんだろうね?」
「きっとマスターと一緒にお食事がしたいんですよぉ~♪ つまりデートですっ!!」
「こんな大食堂でデートはないんじゃない?」
「ふぇ? そーなんですかぁ?」
(デートの経験が一度もない自分が言うのもなんだけど)
からん、からん。
大食堂は朝早くにもかかわらず、大賑わいだった。
まだ約束の時間には早かったが・・・。
「あっ! ゲントぉー! こっちこっち~!」
テーブルで大きく手を振るレモンの姿が見える。
その名前に反応するように、大勢の視線がいっせいに飛んできた。
「おおっ~! これはゲントさんじゃないですかぁー!」
「ようこそ、コンロイ名物の大食堂へ」
「ここはおいしいメニューが盛りだくさんですよ、ゲントさま♪」
「ひくっ~。まさかぁ、ゲントさまとこんなところで遭えるとはラッキィだぜぇ~! ひくっ~」
すでに酔っている者も何人かいる。
大食堂のあちこちでは拍手が巻き起こっていた。
「すごい盛り上がりですねぇ~☆ さすがはマスターですぅ~~!!」
「うん・・・。すごいね・・・」
それからゲントは、店の客に挨拶やハグをしてまわりながら、ようやくレモンのもとまで辿り着く。
「ごめんごめんっ! まさかこんな感じになってるとは思ってなくてさ」
「ちょっと驚きました・・・」
「でもさ。それにしてもすごいね。ちょー人気者じゃん?」
「気づいたらこんな感じになってまして・・・」
「えへへ。ウチはなんか嬉しいよ♪」
「ルルムも嬉しいですぅ~!!」
姿は視えないながらも、ルルムはレモンの隣りで一緒に喜んでいた。
そのあとしばらく。
ゲントはレモンと楽しく食事をともにした。
もちろん、ルルムにこっそり食事をあげたりしながら。
「ふぅ・・・。久しぶりにコンロイ名物のヒレカツを食べたよ。もうお腹いっぱいだね」
「本当に満足です。こんなおいしいとは思いませんでした」
「ルルムも幸せですぅ~♪」
店の人のサービスで普段の3倍はボリュームが増していたらしい。
食後のコーヒーも飲み終え、やがて一段落するとレモンはこんなことを口にする。
「えっとね? 今日やって来たのは、あることをゲントに伝えたかったからなんだよ」
「そうだったんですか?」
どうやら食事が目的だったわけではないようだ。
そこでレモンは少しだけまわりを気にする素振りを見せる。
挨拶もひととおり済ませたためか、まわりの客の関心はすでにこちらに向いていなかった。
それぞれが仲間や友人たちとふつうに食事を楽しんでいる。
それを確認すると、レモンは小さく口を開いた。
「実はね・・・。ある方からゲントを連れて来るようにって頼まれてるんだよ」
「ある方?」
「来ればわかる! ものすっご~い御方から直々の指名だよ!」
なんでもすでにこのあと予定が決まっているのだという。
「一緒に来てほしいんだけど・・・どうかな?」
「大丈夫ですよ。今日はこれといって予定はないので」
「そっか! ありがとゲント! それじゃ・・・そろそろ会計して行こっか」
***
それから。
ゲントはレモンとともに歩きながら、町のはずれへと向かっていた。
「なんか奢ってもらってすみませんでした」
「そんなの気にしないでよー。これまでゲントに助けてもらったお礼も含めれば、ぜーんぜん足らないくらいなんだからさ!」
「どうもありがとうございます」
「ルルムからもお礼を言わせてくださいっ~! レモンさん、ありがとうございました♪ ヒレカツすご~っくおいしかったですぅ~☆」
その場でルルムとともにゲントがお辞儀をしていると。
レモンが声を上げて前方を指をさす。
「あったよ。あれあれ」
「えっと・・・馬小屋が見えますけど?」
「そう! 馬車を借りて行く場所なんだよ」
どうやらコンロイの外へ出ようとしているようだ。
馬小屋の前にいる御者に声をかけると、レモンは行先を告げる。
それを聞いてゲントは驚いた。
「え・・・ロザリア城って」
「ふふふ、すごいよゲント~。ある方ってのはね、王女さまのことだったんだ! とにかく向かいながら説明するから。先に乗っちゃって♪」
レモンに背中を押されながら、なかば強引にゲントはワゴンに乗せられる。
「それでは出発いたします」
御者のそんなかけ声とともに馬車はロザリア城へと向けて出発した。
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