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リンカ、お姉ちゃんを頑張る?中編?
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「ヒルダ~、アニサ~!
もうすぐご飯だよ~!」
「ハイにゃっ!
お腹空いたニャっ⁈」
「にゃ。」
今では大家族化しているタケル一家に、メイメイ親子と三人のお姫様、今日はホームパーティーだ!
「ヒルダ、ゴゥタムさんやクラナギさんに声かけて来てくれ、可愛いお客様が来たってな。」
「にゃにゃ!
わかったにゃ!」
ヒルダはメイメイの愛娘…ではなくて姪にあたる子なんだが、ちょいと複雑な事情があって、
メイメイの兄が父親で、母親は貴族の娘、ヒルダも貴族のお嬢様のハズなんだが、ココにきて問題になってしまったのが、ヒルダには猫耳と尻尾が生えていた事だ?
まぁ祖母は猫獣人族なのだから、遺伝なのだけど…
本来、なんの問題もないのだが、
ヒルダの母親の実家が、何かとうるせ~のでコチラで引き取る形になった。
名目は病気療養だが、
ヒルダの双子の兄は、父親似の普通のヒューマンで将来的には王国の騎士団を束ねる立場になる予定だ。
しかもヒルダの二つ下の妹には猫耳と尻尾は無かった?
その昔、豪傑で名を馳せた曽祖父のハクメイも今はあまり無理が出来ない体だ。
まぁ元気だけど。
この件では、何故か口をはさまなかった。
もしかすると、剣豪さまはココにいるのがヒルダの為に良いと考えているのかもしれない
開拓村の中心地には、小規模ながら毎年収穫祭を行っている。
その時に使っている丸太をぶった斬って作った、二つのテーブルがある。
各家で作った料理を持ち寄り、お客様をもてなす準備を始める。
「おじさ~ん、魚取れたよ~!」
「おう、大量だな!
カンナママのところに持ってけ!」
村全体で、一つの大家族みたいなモノだ、住人は相変わらず増えたり減ったりを繰り返しているけど?
奴隷制度を撤廃した王国だが、まだ一部の貴族たちは亜人種に解離的なところがあり、猫獣人のヒルダにあまり優しく無いのに比べて、この村は様々な種族が暮らしている。
まぁコレが峰麗しいエルフとの混血だと、また違った反応だったかも知れない。
馬鹿馬鹿しい事に、流石は世界を守った英雄の曾孫ぐらいになると、
多少の畏怖は有っても、
まだまだ「種族の優位性」にこだわる旧貴族派が少なく無い王宮では、
あからさまな事は無くても、耳の良い猫獣人に聞こえる程の声で陰口を言っている輩がいる様なのだ。
この風潮はあくまで王国だけらしい?
最近では、そんなエセ貴族を嘲笑う様にあちこち騒がしている怪盗がいる様だけど?
まさか知り合いでは無いよな?
「…ふぅ~み?」
「ん、何でもないぞ、アニサ。
ほら、皆んなでご飯だ!」
アニサはこの村に住み出した時から、いつの間か我が家に住み着いた毛がフサフサしたメス猫だ。
何故かヨルも一目置いている?
見かけによらず高齢なのかも知れない?
特技は復活した機人たちとフレンドリーにコミュニケーションをとる事?
厳重に扉を施錠しても、地下施設で、ちょくちょく目撃している?
…普通の猫だよね?
ひとまず、食事にしよう?
「タケルさん、ちょっとお話が…。」
「メイメイか、何だい?」
我が子を胸に抱いた妹分、
若い頃に共に旅をしていた、あの頃から大分経つが、以前は肩にかからない程の髪が、今は腰の辺りまで伸ばして、身長やお胸も多少増えた様だ。
長命な獣人族は若い期間が長いとは聞くが、まだメイメイの成長は止まってないよな?
子供だって、出産したし?
「おーい、リンや!」
俺は母親の手伝いをして、食器を並べている長女を呼んだ。
「ハーイ!
何、お父さん?」
「リュウメイをみてやってくれるか?
他の小さい子も、面倒見てやってくれると父さん達助かるな。」
「任せて!
アタシ、お姉ちゃんだもん!」
下の娘と同じ歳の「リュウメイ」はアイツとメイメイの愛息である。
父親似で耳も尻尾は無いが、夜目が効くとか、鼻がいいとか猫獣人の資質は受け継いでいる様。
「ほら、リュウちゃん!
リンカお姉ちゃんとお食事しようね!」
「あい!」
うむ、良いお返事だ!
「お願いしますね、リンカ。」
「さて、一応は聞いてるが、改めてお前サンから聞かせてくれるかな?」
既に、王妃サマから秘密裏に頼まれていたのだが、ココまでの姫さま達の護衛がまさかメイメイとは?
「アイツはナニしてんだ?」
「あの人なら、王宮で護衛をするそうですよ?
姫様の。」
そう言い終わるニコリと笑ったのは惚気かな?
「二段構えなのかなぁ?」
旅の途中で知り合った忍者みたいな青年「テンマル」とメイメイは恋に堕ちた…。
一応、この村に居を構えているが多忙な二人共留守が多い。
当たり前の様に、リュウメイはウチでお預かりしている。
さながら我が家は保育園の様だ。
「賊は義賊を名乗っているそうですが、万が一を考えて替え玉を用意するとの王妃のお考えでして…」
「なら、姫様の誕生パーティーはココでやるか?
カンナ~、大至急デッカいケーキ追加してくれ!」
ココでは人族も獣人も貴族も王族も農民も元奴隷も魔族も関係無い。
同じ釜の飯を食べれば、もう家族みたいなモンだ。
子供達もそんな事は気にせずに、ワイワイと食事をしている。
「シロ兄ぃ、リュウちゃんのお魚の骨、取ってあげて!」
「分かった。」
「ファムちゃん、そっちの子は猫舌だからフーフーしてあげて!」
「ハ、ハイ、おまかせ下さいな。」
「ヒルダ~、私のお魚取らないで!」
「いいじゃないニャ!リンカのケチ!」
一応、この中ではシラヌイが年長者なのだが、何故かリンカが主導権を握っていた?
十歳近く歳が離れているが、妹に世話を焼かれている兄の様で悪い気はしていない様?
アレでは将来、マーヤのお尻に敷かれても嫌な顔せずに、鉄を叩いているのかな?
お城の宝を狙っている怪盗が、本当に狙っているのは『お姫様』ではないかと予想している「ある使用人」の言葉を間に受けて、こんな茶番劇を企んだそうだが?
三番目と四番目の王女と王子の婚約者をココに匿うとは、慎重になると言うより、悪ふざけの様だぞ?
「なぁ、お前何か聞いてないか?」
「全く、全然、何にも知らないわよ?
ライン君は?」
「白々しい、姫様たちに誰か特別の護衛がいるのかって事だ?」
「義兄様は何も言ってなかったよ、女王様からは「パーティー、楽しんでね。」とは言われたけど?」
「…何か急に馬鹿馬鹿しくなってきたぞ、まさか本当にイタズラだったのか?」
「ハハ、確かに狙われている緊張感は無いかも?」
「なあ、踊らないか?」
「へ?」
「以前は断られたが、今度は真面目に誘っているんだ。
…ダメか?」
「うーむ、
まっ、いいか?
あれだけ特訓したのに、踊らないのも勿体無いしね?」
実は顔見知りが姫様たちの側にいたのに、多少驚いたマーヤなんだけど、
「あら、久しぶりね?」
なんて声をかける訳にもいかないし、黙っている事にしたのだ?
それにいくらなんでも女装している兄貴分に声をかけるのには、お互い気が引けるし?
「ホラ、次の曲に変わるタイミングで中央に移動するぞ!」
「えっ?
何も真ん中で踊らなくとも?」
「いいから来い!」
そう言って、マーヤの手を掴むと踊りの輪の中心に割って入るラインハルト!
マーヤの目には彼がどう映っているか分からないけど、実は貴族のご婦人方やご令嬢方にはラインハルトはアイドル並みの人気なのだ!
「まぁ、ラインハルト様よ!」
「あの手を繋いでいるご令嬢は誰かしら?」
「どうやら、噂の魔獣姫らしいわ?」
…魔獣姫?
…えぇ~、私って、社交界でそんな風に呼ばれているの?
まぁ否定はしませんわよ?
私、一応従魔士だし、王都で色々やらかしてるし?
「ホラ、始まるぞ!
足踏むなよ?」
「え~ぇ、ダメなの?」
泣くほどダンス特訓したから、そんなドジしないけど、敢えて踏みたかったな?
とさ。
もうすぐご飯だよ~!」
「ハイにゃっ!
お腹空いたニャっ⁈」
「にゃ。」
今では大家族化しているタケル一家に、メイメイ親子と三人のお姫様、今日はホームパーティーだ!
「ヒルダ、ゴゥタムさんやクラナギさんに声かけて来てくれ、可愛いお客様が来たってな。」
「にゃにゃ!
わかったにゃ!」
ヒルダはメイメイの愛娘…ではなくて姪にあたる子なんだが、ちょいと複雑な事情があって、
メイメイの兄が父親で、母親は貴族の娘、ヒルダも貴族のお嬢様のハズなんだが、ココにきて問題になってしまったのが、ヒルダには猫耳と尻尾が生えていた事だ?
まぁ祖母は猫獣人族なのだから、遺伝なのだけど…
本来、なんの問題もないのだが、
ヒルダの母親の実家が、何かとうるせ~のでコチラで引き取る形になった。
名目は病気療養だが、
ヒルダの双子の兄は、父親似の普通のヒューマンで将来的には王国の騎士団を束ねる立場になる予定だ。
しかもヒルダの二つ下の妹には猫耳と尻尾は無かった?
その昔、豪傑で名を馳せた曽祖父のハクメイも今はあまり無理が出来ない体だ。
まぁ元気だけど。
この件では、何故か口をはさまなかった。
もしかすると、剣豪さまはココにいるのがヒルダの為に良いと考えているのかもしれない
開拓村の中心地には、小規模ながら毎年収穫祭を行っている。
その時に使っている丸太をぶった斬って作った、二つのテーブルがある。
各家で作った料理を持ち寄り、お客様をもてなす準備を始める。
「おじさ~ん、魚取れたよ~!」
「おう、大量だな!
カンナママのところに持ってけ!」
村全体で、一つの大家族みたいなモノだ、住人は相変わらず増えたり減ったりを繰り返しているけど?
奴隷制度を撤廃した王国だが、まだ一部の貴族たちは亜人種に解離的なところがあり、猫獣人のヒルダにあまり優しく無いのに比べて、この村は様々な種族が暮らしている。
まぁコレが峰麗しいエルフとの混血だと、また違った反応だったかも知れない。
馬鹿馬鹿しい事に、流石は世界を守った英雄の曾孫ぐらいになると、
多少の畏怖は有っても、
まだまだ「種族の優位性」にこだわる旧貴族派が少なく無い王宮では、
あからさまな事は無くても、耳の良い猫獣人に聞こえる程の声で陰口を言っている輩がいる様なのだ。
この風潮はあくまで王国だけらしい?
最近では、そんなエセ貴族を嘲笑う様にあちこち騒がしている怪盗がいる様だけど?
まさか知り合いでは無いよな?
「…ふぅ~み?」
「ん、何でもないぞ、アニサ。
ほら、皆んなでご飯だ!」
アニサはこの村に住み出した時から、いつの間か我が家に住み着いた毛がフサフサしたメス猫だ。
何故かヨルも一目置いている?
見かけによらず高齢なのかも知れない?
特技は復活した機人たちとフレンドリーにコミュニケーションをとる事?
厳重に扉を施錠しても、地下施設で、ちょくちょく目撃している?
…普通の猫だよね?
ひとまず、食事にしよう?
「タケルさん、ちょっとお話が…。」
「メイメイか、何だい?」
我が子を胸に抱いた妹分、
若い頃に共に旅をしていた、あの頃から大分経つが、以前は肩にかからない程の髪が、今は腰の辺りまで伸ばして、身長やお胸も多少増えた様だ。
長命な獣人族は若い期間が長いとは聞くが、まだメイメイの成長は止まってないよな?
子供だって、出産したし?
「おーい、リンや!」
俺は母親の手伝いをして、食器を並べている長女を呼んだ。
「ハーイ!
何、お父さん?」
「リュウメイをみてやってくれるか?
他の小さい子も、面倒見てやってくれると父さん達助かるな。」
「任せて!
アタシ、お姉ちゃんだもん!」
下の娘と同じ歳の「リュウメイ」はアイツとメイメイの愛息である。
父親似で耳も尻尾は無いが、夜目が効くとか、鼻がいいとか猫獣人の資質は受け継いでいる様。
「ほら、リュウちゃん!
リンカお姉ちゃんとお食事しようね!」
「あい!」
うむ、良いお返事だ!
「お願いしますね、リンカ。」
「さて、一応は聞いてるが、改めてお前サンから聞かせてくれるかな?」
既に、王妃サマから秘密裏に頼まれていたのだが、ココまでの姫さま達の護衛がまさかメイメイとは?
「アイツはナニしてんだ?」
「あの人なら、王宮で護衛をするそうですよ?
姫様の。」
そう言い終わるニコリと笑ったのは惚気かな?
「二段構えなのかなぁ?」
旅の途中で知り合った忍者みたいな青年「テンマル」とメイメイは恋に堕ちた…。
一応、この村に居を構えているが多忙な二人共留守が多い。
当たり前の様に、リュウメイはウチでお預かりしている。
さながら我が家は保育園の様だ。
「賊は義賊を名乗っているそうですが、万が一を考えて替え玉を用意するとの王妃のお考えでして…」
「なら、姫様の誕生パーティーはココでやるか?
カンナ~、大至急デッカいケーキ追加してくれ!」
ココでは人族も獣人も貴族も王族も農民も元奴隷も魔族も関係無い。
同じ釜の飯を食べれば、もう家族みたいなモンだ。
子供達もそんな事は気にせずに、ワイワイと食事をしている。
「シロ兄ぃ、リュウちゃんのお魚の骨、取ってあげて!」
「分かった。」
「ファムちゃん、そっちの子は猫舌だからフーフーしてあげて!」
「ハ、ハイ、おまかせ下さいな。」
「ヒルダ~、私のお魚取らないで!」
「いいじゃないニャ!リンカのケチ!」
一応、この中ではシラヌイが年長者なのだが、何故かリンカが主導権を握っていた?
十歳近く歳が離れているが、妹に世話を焼かれている兄の様で悪い気はしていない様?
アレでは将来、マーヤのお尻に敷かれても嫌な顔せずに、鉄を叩いているのかな?
お城の宝を狙っている怪盗が、本当に狙っているのは『お姫様』ではないかと予想している「ある使用人」の言葉を間に受けて、こんな茶番劇を企んだそうだが?
三番目と四番目の王女と王子の婚約者をココに匿うとは、慎重になると言うより、悪ふざけの様だぞ?
「なぁ、お前何か聞いてないか?」
「全く、全然、何にも知らないわよ?
ライン君は?」
「白々しい、姫様たちに誰か特別の護衛がいるのかって事だ?」
「義兄様は何も言ってなかったよ、女王様からは「パーティー、楽しんでね。」とは言われたけど?」
「…何か急に馬鹿馬鹿しくなってきたぞ、まさか本当にイタズラだったのか?」
「ハハ、確かに狙われている緊張感は無いかも?」
「なあ、踊らないか?」
「へ?」
「以前は断られたが、今度は真面目に誘っているんだ。
…ダメか?」
「うーむ、
まっ、いいか?
あれだけ特訓したのに、踊らないのも勿体無いしね?」
実は顔見知りが姫様たちの側にいたのに、多少驚いたマーヤなんだけど、
「あら、久しぶりね?」
なんて声をかける訳にもいかないし、黙っている事にしたのだ?
それにいくらなんでも女装している兄貴分に声をかけるのには、お互い気が引けるし?
「ホラ、次の曲に変わるタイミングで中央に移動するぞ!」
「えっ?
何も真ん中で踊らなくとも?」
「いいから来い!」
そう言って、マーヤの手を掴むと踊りの輪の中心に割って入るラインハルト!
マーヤの目には彼がどう映っているか分からないけど、実は貴族のご婦人方やご令嬢方にはラインハルトはアイドル並みの人気なのだ!
「まぁ、ラインハルト様よ!」
「あの手を繋いでいるご令嬢は誰かしら?」
「どうやら、噂の魔獣姫らしいわ?」
…魔獣姫?
…えぇ~、私って、社交界でそんな風に呼ばれているの?
まぁ否定はしませんわよ?
私、一応従魔士だし、王都で色々やらかしてるし?
「ホラ、始まるぞ!
足踏むなよ?」
「え~ぇ、ダメなの?」
泣くほどダンス特訓したから、そんなドジしないけど、敢えて踏みたかったな?
とさ。
応援ありがとうございます!
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