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ソレから、ソレから?

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 ソレからが大賑わいだった!

 芋蔓式に判明する伯爵の悪行!

 自分の領地で、姑息にもを受け入れては、コレと思う人材はに奴隷にしていたらしい。


 なんかデジャヴ…

 ソレもそのハズ!

 あのオールドックと同じルートで、奴隷売買をしていたらしいのと、いずれ王国を裏切り某国の王族入りを画策していたのだ⁈


 「以前から、伯爵には謀反の疑いが有って、私、内定調査をしていたのよ!」


 今俺たちは、アンリ姐さんを交えて町長さんのウチで、だ!

 「…のよ! って、ギルドの受付嬢のアンリ姐さんが、何故こんな事してるんですか?」

 久しぶりに会えて嬉しいけど、何が何だかわからないカンナ?


 「フフ、副業なの。」


 詳しく話してくれる気は無いみたいだね。

 何だっけ、嘘はイイ女の特権とか言うのかな?

 実は町長さんも一枚噛んでるらしく、別のエライ人から伯爵らの悪事の証拠を探す様に動いていたんだそう。

 
 「ドリンガー伯爵はどうなるんだ?」

 俺は何故か、あの伯爵の事が気になっていた?

 「良くて降爵、でもおそらくは爵位剥奪の上で、王国追放かしらね?

 一応、過去の功績が有るから、死刑とかは無いだろうけど?

 でもジャンパニーは財産没収の上で、何処かに強制労働だと思うわ。

 実は今回、あちこちで同じ様に不正を働いていた貴族や大商人を、取り締まっているの。」


 …どんだけいたんだ、あちこちってのは?


 こりゃ王様、マジで改革するつもりだな!

 
 「ドリンのオッサンは何で、俺の剣にあんなに執着したんだろう?」

 
 「そうね…、若い頃はバッキバキの武闘派だったらしいけど、過去にメイメイちゃんのお祖父剣豪 月下のハクメイ様に勝負を挑んで、相当叩き伸されたそうよ。

 ソレからは、名刀や聖剣の類を収集し始めたみたいね?」

 おそらくアンリ姐さん達は今回の件も含めて、伯爵達の事を細かく調べていたんだろうな?

 「俺専用の剣で強くなれるのかな?
 ドリンのオッサン用にオヤジに打ってもらわないと駄目だろ?

 流派だって有るし?」


 「そういうモノなのです?」


 メイメイ、その理屈が分からない?

 「流派に合わせた剣でないと、技の完成度がまるで違う。

 本来の威力が出ないんだ。」

 「…そうなのデスね?」

 分かった様な、わからない様なメイメイ?


 「ソレでこの辺の領地は、今度は誰かが引き継ぐのかしら、そういう事よね?

 やっぱりおじいちゃんオリオン子爵なのかしら?」

 カンナの疑問にアンリ姐さんが、

 「ソレなんだけど…」



 どうやら、あっちこっちで領地を取り上げられて、処罰された貴族たちがかなり居るそうで、今その調整をしているそうだ。

 

 「実は今回の事で、貴方達のよく知っている人が昇爵するらしいから、村ではお祝いのお祭りらしいわよ。」


 ソレって、思い当たる人限られているんだけど?




 家族や王族の難しい事はわからないけど、悪いことしていた奴らが捕まって、苦しめられている人が助かった…

 訳でも無かった。


 エイジたちの親御さんは、全て無事に救出出来た訳では無かった。

 生きてさえいれば、エメの力で生命を取り留められるけど、既に亡くなった人は助けられない。

 また、教会跡地の地下には居なかったし、既に売買されてしまったのかも?
 
 そちらはアンリ姐さんのが追跡中で、諦めず頑張ってくれているらしい。


 しかし…


 「ただいまなの!」

 屋台の仕事が終わり、会議中の部屋に元気よく飛び込んで来た

 「兄貴、今日も完売だぜ!」

 その後ろから、皆んなを連れ立って来たのはエイジ、今では町で行き場を無くしていた孤児たちの分だ。

 カンナが教えた「ニクマン」以外の料理でも、屋台を出して市で生活費を稼いでいる。


 トテトテ歩いて来たマーヤを抱き上げ、

 「うむ、ご苦労様!

 疲れたろう、風呂に入って、ソレから晩御飯にしよう!」

 「タケルお兄ちゃんのエッチ!

 女の子は女の子どうしでおふろに入るの!

 だから、マーヤはメイメイと入るの!」


 「また、お風呂で私の尻尾で遊ぶのですか⁈

 ダメです!」

 マーヤはメイメイの尻尾がお気に入りらしい。

 「なら、わたくしアンリエッタと入りませんか、マーヤさん?」

 「え~、しかたないなぁ~?
 じゃあアンリと入ってあげるね!」




 …マーヤにしまった…

 きっと、世の中のお父さんの気持ちとはこんな感じなのだろう。


 「兄貴、何を凹んでるんだ?」








 今いる建物は元々として建設していたのだけど、前町長が途中で予定を変更したらしく、中途半端な形で出来上がって、本来、国から出ている教会建築に使うハズの資金は、何処かに流れてしまっていた様だ。

 やたらとが多い建物、果たして何に使うつもりだったか?


 この町は王都や大きな商業都市に向かう役人や商人、割と様々な人々が立ち寄る中継場所だ。

 物流も盛んな方だろう。

 金回りのイイ利用者を狙った売春宿の様な物を作ろうとしていたのかも?



 ちなみに、エメの側にいて、助手の様なことをしているビアンカさんは、違法な借金のカタに娼館で働かされていたので、勿論借金チャラで解放された。

 エメにどうしても、その想いを遂げたいらしく、マメにアプローチしているが全く持って駄目らしい。


 お風呂を済ませ、食事も終わり、ちびっ子達を寝かしつけた後で再び俺たちは話し有った。

 「…それで、そろそろこの町を出ようと思って居るんだけど、アンリ姐さんにおススメの場所って有るかい?」


 「…有るわよ、行ってみる?」

 特に大暴れした記憶は無いが、どうやら俺たちが何かしらの騒動のタネになっている様で、悪党も油断してか、小汚い尻尾を出す様でソコをアンリ姐さんたちは狙って居るそうだ。

 つまり、おとりって事らしい。









 「ガーくん、しゅっぱつ!」

 ガーヴィンの背に乗ったマーヤ幼女が元気に号令を掛けると、ソレに応えてゆっくりと歩み出す優しい巨大馬。

 町長さんがマーヤを幼…養女にと申し出てくれたが、


 「マーヤもお兄ちゃんやお姉ちゃんたちといっしょにいくの!」

 と、言い出した。

 ソレを断る選択肢は俺たちには無い。

 「なら、として私も同行します!」

 と、が言い出し、

 「兄貴、オレもついて行くぞ!」

 と、エイジが言い出した。


 「我もそろそろ、森に帰るよ。役目も終わった様だし。」

 見送りの人達の前で、ドラゴンの姿に戻る

 「では、さらばだ!」

 美しい羽を広げて、飛び去って行くエメラルドドラゴン!

 まだ幼体子供だけど、上空のドラゴンを呆然と見つめるビアンカさん?

 アレ、知らなかったの?

 後で聞いたら、エメの奴もアンリ姐さんの仕事を手伝っているらしい。

 ドラゴンとエルフ、何か特別な繋がりでも有るのかも?



 旅の仲間が増えたところで、当面の目的を確認する?


 メイメイは

 「新しい素材を見つけて、新薬を作る!」

 
 カンナは

 「は、花嫁修行を兼ねて、あちこちの料理を覚える!」

 
 ガーヴィン

 「ヒヒィーン、ブルブルル!」

 嫁さんを探すそうだ?


 マーヤは

 「ガーくんとお出かけなの!」


 …だそうた。



 アズは

 「諸国を巡り、見聞を深めようと思います。」

 マジメかっ!


 エイジは、

 「兄貴に弟子入りする!」


 いや、俺まだ修行中だし?



 そして俺、

 「強い奴と闘ってみたい!」

 
 ドリンガー伯爵は、結構強い奴だったんじゃないか?

 あの時、大した抵抗もしないで捕縛連行されたけど、闘ってみたかった。

 剣を交えてみたかった。



 そんな想いが湧いて来た。


 コレ、やっぱりギフトスキルの所為だろうか?





 
 


 俺が爆睡していた時に、で会った神様が特別なチカラをくれたらしい?


 俺は戦った相手の能力を完全に学習し、その相手より強くなる事が出来るらしい?

 何だ、そりゃ?

 ただし、一度戦った相手からは二度学習出来ない。

 自分より、弱い相手からは学習出来ない。

 戦って勝たないと学習する事は出来ない、死んだらおしまいだ。


 本来なら、もっと使い勝手が良かったスキルのハズらしいのだけど、
 頭の中にオッサンがいる所為か、本来の仕様と違ってしまったのと、
 どうやら既に俺の強さは非常識な事になっているそうで、
 別に必要無かったんだけど、剣術や格闘術は兎も角、

 もしかすると「魔法」を覚える事が出来るかもしれない!
 

 魔力は有るんだ、後は使える様になれば!


 よし、楽しくなってきたぞ!



 ソレにしてもオッサン、神様と知り合いだったんだ?

 
 「タケル兄たん、なんかたのしそうね、マーヤもお出かけ楽しい!」

 「うむ、旅とはそういうもんだ。」



 


 



 ちなみに、ビアンカさんは一大決心をし、俺たちの生まれ故郷の村を目指して、町を旅立ったそうだ。

 どうなるんだろう?
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