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ご報告があります。

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 「ご報告が有ります。」


 直属の上司がこの方で良かった。

 自分が位の低い三級管理神でも差別せず、意見を聞いてくれる尊敬出来る上司だ。

 「ご苦労様、聞かして下さいな。」

 「詳しくはコチラの報告書に。」

 「例の件ですね。は上手く行っていると聞いていましたが、何か問題が発生した様ですね?」

 「迂闊でした、自分が処罰されると発動する様に少女の深層意識に「棘」を残して置いた様です。」


 「可哀想に…、ソレで?」


 「少女のを治す為に彼女はに集中出来ず、五年程予定が遅れました。
 結果、彼女の生存中にそのを見る事が叶いませんでした。」


 「そうですか、  …まさかソレがあの者の狙いだったのでしょうか?」


 「分かりません、しかし、本来なら結婚後、伴侶と会話中に行き詰まった研究ののヒントを得ると言う「ターニングポイント」は、婚約者との思い出話しを義妹と義娘に聞かせる事に置き換えましたので、彼女個人の歴史には大きな変化でしたが、「人類の歴史」から考慮すればまだ許容範囲です。」


 「彼女の偉業には報いてあげたいのです。」

 「その事で許可を頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」


 


 「まぁ、ソレは素敵な提案ですわ!」


 「ソレでは?」

 「ええ、上には通しておきますから、六つの魂のを許可します。」

 「ありがとうございます。」


 「フフ、何か気持ちが暖かくなりますね。」


 この方が上司で本当に良かった、これがお方だったら地球そのものを作り直せと癇癪を起こすかもしれない。

 いや、既に別の次元の地球では鉱物から進化した人類が存在している。

 そして、緩やかに退化の道を進んでいるそうだ。

 コレも一つの「データ」だからと見守っていくだけで、救済の手は差し伸べないらしい。




 
 「やぁ、許可は頂いたよ。」


 「増刑は?」

 「どうでもいいと言っていなかったかな?」

 「ソレはソレよ!」

 「今後、人間には転生出来ないそうだよ。」

 「そう。
 いっそ、魂ごと消滅されれば良かったのよ!」


 「魂の消滅は世界の崩壊を早めるだけだよ。

 しばらくは新しい魂が生まれないそうだからね。」


 「そのくらいわかってるわよ!」


 生命の誕生を管轄するセクションが上手く稼働していないそうだ。

 そのセクションの上司はあのお方だったりする。

 あのお方の上司が今はまだ黙っているのだから、末席の我々にはどうにもならない。

 

 「さあ、彼女たちの面接をするわよ!」

 「張り切ってますね、何か良い事でも有りましたか?」


 「ソレはそうよ、会うのよ!

 ナニよ、何か言いたそうね?」

 「いえいえ、何でも有りませんよ、本当に。」

 
 

 
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