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そして三十弐 でででデートしませんか⁈
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「ひまりん」こと「デスソースまる子」こと、本名「唐沢 陽毬」さん。
俺はマリさんと呼んで…いや、呼ばされている。
彼女の立っての希望で。
何でも親しくしている友達からは、そう呼ばれているからだそうで、
「わ、私、コッチに友達少なくて、出来れば、いえ、お嫌でなければそう呼んで頂けると、うう嬉しいでしゅっ。」
噛んでまでのお願いに断るのも、どうしたモノかと済し崩しに了承した。
「ひまり」さんの方が可愛いのになぁ?
おそらく、いや、もしかしてだけど、ソレって俺に気が有るって事なんだと思うけど…。
「もしもしネコさん、ネコさんyoo?」
「遅くてすいません、鈍くてすいません、あとタバコは吸いません。」
「…あの、すいません、真面目に伺って宜しいでしょうか?」
この子がこんな質問の仕方をする時は決まって奴が背後にいる時だ。
なので、真面目に答えない姿勢を見せて、戦意を喪失させる?
「答えるのはいいけど、個人情報は極力教えないからね。」
「好きな女性のタイプ、嫌いなタイプ、教えて下さい!」
言っている側からコレかい?
ココは三階のコミックコーナー(セカンド)、二階のコミックコーナーと違って、主に最新刊のコミックや、アニメやドラマ化して話題になっている作品を集めて、他にCDやDVD、ゲーム機やソフト、キャラクターグッズを取り扱ってある売り場だ。
CD等ケースだけ、売り場の棚に並べて、ディスクやソフトはレジの中で保管している。
今はしおりちゃんと二人で回しているが、混み始めるとちょくちょくヘルプを呼ぶフロアでも有る。
「ナーオ!」
そうそう、お前も居たな。
でも猫の手は借りられない。
ちなみに三階勤務は、必ず男女ペアになる様にシフトが組まれている。
特に高い所に手が届かないしおりちゃんは、ほぼ俺と組む事が暗黙のルールだったりする。
コレには近隣の同業店で、ちょい事件が有ってからの「万引き対策」たのだか、詳しくは別の機会に話そう。
さて、先程の質問に答えてやるか?
「そだな、どっちも「しおりん」かな。」
「…へ?
なななな何でそうなりマスか~?」
「マリさんじゃ、或るまいし?
そんなに慌てる事か?
例えば、真剣に直向きに漫画製作に取り組んでいるところとか、コスプレした時に駆け寄ってきたチビっ子に優しく微笑んでるところは好感をもてるぞ。」
素直に答えだ。
「な、何を言い……アセアセ!」
「しかし、俺を利用してイベント参加費浮かそうとしたり、グラサン魔女と組んで俺を騙そうとしたりするところは蛇蝎の如しだっ!」
「…誤解ですよ、私がネネネネネコさんをオトオト落とし入れるなんて事、有るわけ無いですよ。」
基本、しおりちゃんは問い詰められると弱いタイプなのだ。
「ソレで、本当は何が聞きたい訳?」
「ソレなんですけど、ネコさん……ひまりんの事はどう想ってますか?」
「ソレ、キミに言わないと駄目かな?」
「私、ネコさんが本当は誰が好きなのかは、知っているつもりです。
いつも側で見てますから、
でも、ひまりんも友達なんです。」
「…で、そのココロは?」
「もう直ぐ、ひまりんが来て、ネコさんにデートの申し込みをします、
だから…。」
マリさんは普段王道の恋に恋する少女漫画がお好みだ。
レディースコミックだと、生々しいので、気が休まらないとか?
三階にマリさん好みの本は無い、チラシなら一階の店長に渡してもらえれば、各階に均等に置いて来てくれる。
タッタッタッタッ、
爽やかなステップで階段を駆け上がってくる音がする。
彼女は日頃から鍛えているので、エレベーターは使わない。
「来たみたいです、
お願いデス、最終ジャッチはまだいいですけど、デートだけは断らないで下さい!」
「…分かったよ。デートだけはね。
そういえば、しおりちゃんの幼馴染は元気にしてるか?」
「それ、今聴きます?」
それにしても、
こんな俺の何処が、良いのか?
「あ!ネコさん、しおりんちゃん!
今日はコッチだったんですね?」
いつもと同じジャージ姿では無く、カジュアルなパンツルックだ⁈
あと、何気に胸元を強調してないか?
あと何か、髪も艶やかに光っているし、頬も何かメイクしている?
絶対コレ、魔女がコーディネートしてるな?
「あ、あのネコさん、実はその!」
「…マリさん、今度の祭日空いてますか?」
「えっ、は、ハイ、試合は無いから…空いてます…けど?」
「行ってみたい場所が有るんですよ。
最近人気の猫カフェ何ですけど、
一緒に行きませんか?」
「……?
は、はい、喜んで!」
妹分のお願いを聞いた訳では無いけど、好意を持ってくれてる人に、キチンとした答えを聞いてもらいたい、
そう思ったんだ…
そう、
そのはずだったんだよ?
「わ、わ、私、こんなトコロ、初めて来ました!」
「俺もですっ⁈」
そして、何故か
今、俺たちは知り合いが経営している、温泉がある都内の某宿泊施設にいる⁈
何でだ?
俺はマリさんと呼んで…いや、呼ばされている。
彼女の立っての希望で。
何でも親しくしている友達からは、そう呼ばれているからだそうで、
「わ、私、コッチに友達少なくて、出来れば、いえ、お嫌でなければそう呼んで頂けると、うう嬉しいでしゅっ。」
噛んでまでのお願いに断るのも、どうしたモノかと済し崩しに了承した。
「ひまり」さんの方が可愛いのになぁ?
おそらく、いや、もしかしてだけど、ソレって俺に気が有るって事なんだと思うけど…。
「もしもしネコさん、ネコさんyoo?」
「遅くてすいません、鈍くてすいません、あとタバコは吸いません。」
「…あの、すいません、真面目に伺って宜しいでしょうか?」
この子がこんな質問の仕方をする時は決まって奴が背後にいる時だ。
なので、真面目に答えない姿勢を見せて、戦意を喪失させる?
「答えるのはいいけど、個人情報は極力教えないからね。」
「好きな女性のタイプ、嫌いなタイプ、教えて下さい!」
言っている側からコレかい?
ココは三階のコミックコーナー(セカンド)、二階のコミックコーナーと違って、主に最新刊のコミックや、アニメやドラマ化して話題になっている作品を集めて、他にCDやDVD、ゲーム機やソフト、キャラクターグッズを取り扱ってある売り場だ。
CD等ケースだけ、売り場の棚に並べて、ディスクやソフトはレジの中で保管している。
今はしおりちゃんと二人で回しているが、混み始めるとちょくちょくヘルプを呼ぶフロアでも有る。
「ナーオ!」
そうそう、お前も居たな。
でも猫の手は借りられない。
ちなみに三階勤務は、必ず男女ペアになる様にシフトが組まれている。
特に高い所に手が届かないしおりちゃんは、ほぼ俺と組む事が暗黙のルールだったりする。
コレには近隣の同業店で、ちょい事件が有ってからの「万引き対策」たのだか、詳しくは別の機会に話そう。
さて、先程の質問に答えてやるか?
「そだな、どっちも「しおりん」かな。」
「…へ?
なななな何でそうなりマスか~?」
「マリさんじゃ、或るまいし?
そんなに慌てる事か?
例えば、真剣に直向きに漫画製作に取り組んでいるところとか、コスプレした時に駆け寄ってきたチビっ子に優しく微笑んでるところは好感をもてるぞ。」
素直に答えだ。
「な、何を言い……アセアセ!」
「しかし、俺を利用してイベント参加費浮かそうとしたり、グラサン魔女と組んで俺を騙そうとしたりするところは蛇蝎の如しだっ!」
「…誤解ですよ、私がネネネネネコさんをオトオト落とし入れるなんて事、有るわけ無いですよ。」
基本、しおりちゃんは問い詰められると弱いタイプなのだ。
「ソレで、本当は何が聞きたい訳?」
「ソレなんですけど、ネコさん……ひまりんの事はどう想ってますか?」
「ソレ、キミに言わないと駄目かな?」
「私、ネコさんが本当は誰が好きなのかは、知っているつもりです。
いつも側で見てますから、
でも、ひまりんも友達なんです。」
「…で、そのココロは?」
「もう直ぐ、ひまりんが来て、ネコさんにデートの申し込みをします、
だから…。」
マリさんは普段王道の恋に恋する少女漫画がお好みだ。
レディースコミックだと、生々しいので、気が休まらないとか?
三階にマリさん好みの本は無い、チラシなら一階の店長に渡してもらえれば、各階に均等に置いて来てくれる。
タッタッタッタッ、
爽やかなステップで階段を駆け上がってくる音がする。
彼女は日頃から鍛えているので、エレベーターは使わない。
「来たみたいです、
お願いデス、最終ジャッチはまだいいですけど、デートだけは断らないで下さい!」
「…分かったよ。デートだけはね。
そういえば、しおりちゃんの幼馴染は元気にしてるか?」
「それ、今聴きます?」
それにしても、
こんな俺の何処が、良いのか?
「あ!ネコさん、しおりんちゃん!
今日はコッチだったんですね?」
いつもと同じジャージ姿では無く、カジュアルなパンツルックだ⁈
あと、何気に胸元を強調してないか?
あと何か、髪も艶やかに光っているし、頬も何かメイクしている?
絶対コレ、魔女がコーディネートしてるな?
「あ、あのネコさん、実はその!」
「…マリさん、今度の祭日空いてますか?」
「えっ、は、ハイ、試合は無いから…空いてます…けど?」
「行ってみたい場所が有るんですよ。
最近人気の猫カフェ何ですけど、
一緒に行きませんか?」
「……?
は、はい、喜んで!」
妹分のお願いを聞いた訳では無いけど、好意を持ってくれてる人に、キチンとした答えを聞いてもらいたい、
そう思ったんだ…
そう、
そのはずだったんだよ?
「わ、わ、私、こんなトコロ、初めて来ました!」
「俺もですっ⁈」
そして、何故か
今、俺たちは知り合いが経営している、温泉がある都内の某宿泊施設にいる⁈
何でだ?
応援ありがとうございます!
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