契約妃は隠れた魔法使い

 クローディア・レティスティアは魔法使いだ。
 魔法の天才ともいえるほどの技量を身に着けた彼女は、「精霊のいたずら」という傷を持つ令嬢。精霊のいたずら――精霊に対価をささげる際に何らかの不備が起きて精霊につけられた傷は、忌むべきものとされる。
 結婚など半ば諦め、このまま実家の森でいつまでも狩猟採集の日々を続けられたら。
 そんな希望もむなしく、クローディアはあろうことかルクセント王国王子・アヴァロンの妻になる。
 そして、その地位は、クローディアの望むものからは程遠かった。

 甘味を対価として精霊に願うことで魔法を使える世界にあって、ルクセント王国の王族の女性は魔法を使ってはいけない。その決まりは、王子に嫁いだクローディアにも適用された。
 魔法を使えず、これまでとはかけ離れた生活。
 けれど不幸中の幸いというべきかアヴァロン王子が見向きもしないことをいいことに、クローディアは城を抜け出し、森で魔物対峙にいそしむ。

 そんなある日、クローディアは勝てない魔物と遭遇し、逃げる先でアヴァロン率いる討伐隊に出くわしてしまう。協力して魔物から逃げることに成功するも、去り際に精霊がいたずらをしてクローディアはアヴァロンにフードの奥の瞳を見られて――

 「スミレの乙女」と呼ばれるクローディアとアヴァロン王子が、幸福な未来をつかみ取るまでの物語。

※小説家になろうでも投稿しています。
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