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最終話 7

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 しばらくすると

「誰か3人ほど手伝ってくれへんか?」

 と今泉先生がやって来た。涙を拭き

「行きます」

 と立ち上がったが

「男がええわ、綸ちゃんではアカン」

 と言われる。先生は正宗がすぐ帰ってくると信じて、彼がここで病院のように過ごせる準備を整えるため、夜通し動いてくれていた。そしてそのベッドなどを先生の部屋の隣へ設置するという。

「これが準備できてたら、手術は済んでるんやから此処でわしが責任持って正宗を診るからな。綸ちゃんはどーんと構えて待っとき」
「先生…ありがとうございます」

 ここ数時間、涙腺が緩みっぱなしだ…正宗の家族は温かい。

 そして私の家族だ。

 朝、言われた通り畠山さんのところへ行くとケジメですからと、お父さんと私に

「この度は愚息たちが職務を全う出来ず、若に重大な怪我を負わせてしまい誠に申し訳ございません」

 昨夜の潤同様に頭を下げ、処分を…と口にされたが、お父さんは正宗が決める事にするとだけ言い、私は

「以前正宗は潤と駿のこと…俺につけるのは二人しかいないと言っていました」

 とだけ伝え、シュレッダーの前で無になった。

 その後今泉先生の隣の部屋を覗きに行くと

「わぁ…本格的…病室だ」
「当たり前やん。わしはやる時はやる男や」
「…でも先生…これだけ本格的ってことは…重傷ってことですよね?」
「そりゃ撃たれたんやからな。まあ、いつ戻って来るかによるけどこれだけあれば問題なしや」
「ありがとうございます。先生、お昼食べたら寝て下さいね」

 そして食堂へ行き昼食を手伝おうとしたら

「今日は人が少ないから手伝いは要らない。これ持って部屋で休みな」

 と、京太さんのお父さんからラップに包んだおにぎりを渡された。

 お礼を言い部屋に戻るとふーっ疲れた…朝早くから動き通しで…一人で正宗のことばかり考えているより有難いけど…目が覚めただけではまだまだ心配だな。

 意識があるっていうだけだもの…でもしっかりしないと。食べないと…ふふっ…大き過ぎるよ、このおにぎり…あったかいね…また涙を流しながら空腹を感じないまま口を動かした。
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