彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

欲は大罪なのか 10

‘強制わいせつとかって流れてたけど、どうなってるんだろうね。10年以上施設に行ってもいないし、先生にも会ってないしどうでもいいけど’
「…」

どうでもいい………

そうか…知らない人にはどうでもいいことで、強制わいせつとまで出ていても私もとっくに施設は出てるから無関係の人に見えて…そうか…

‘玖未、食事会の連絡必ずしてよ？’
「…」
「もしもーし。玖未さんの主治医ですが、今診察中なので切らせて下さいね。失礼」

私の震える手からスマホを取った奈保先生が通話を終えてくれた…声が震えそうで…

「もしもーし。玖未ちゃんじゃなく、灰谷でごめんなさい、若。今治療は終わってるんだけど、友達からの電話があって玖未ちゃん震えて様子が変なの…了解。玖未ちゃん、若。聞こえる？」

奈保先生が私の耳にスマホを当ててくれると

‘玖未、聞こえるか？’
「…ぅ…」

ダメだ…涙出そう…ふーっ…大丈夫だよ…終わったの。

‘玖未？’
「うん…聞こえる。大丈夫」
‘30分で帰る’
「30分？いいよ、お仕事…」
「若、おやつ食べてうちで預かっておくから、うちに迎えに来て」

ん？奈保先生、切った？

えーっ、切ったね？切ったの？