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欲は大罪なのか 11

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どうしても出社しないと済ませらせない案件があるので、このところ連日半日は出社している。

玖未は毎日灰谷のところへ行くし、昨日までに大西たちといろんな手続きに出掛けていた。

俺や野沢がやってもよかった手続きだが、玖未が大西、津川を頼ったり、一緒に動くことを当たり前としてくれることを願って任せておいた。

今日も治療の時間だと思っていると

「…玖未?」
「電話ですか?」

野沢に頷きすぐにスマホを手にする。

「玖未、どうした?」

そういう俺の目の前に野沢のスマホが差し出され、灰谷兄からのメッセージが次々と入る。耳からは妹だ。

‘友達からの電話に、何のニュース?逮捕?と言ったあと無でした’
‘震えて返答出来なかったのかも’
‘泣きそうなのかもしれない’
‘妹が診察中と切りました’

玖未に30分で帰ると伝えると、灰谷妹は預かっておくから、と言い

‘ちょうど珈琲も用意出来ました。ゆっくり待ってます’

と灰谷兄からのメッセージが途切れた。

「中山から日野の逮捕を聞いたってことだな。戻る」
「私が残ってあとの業務は終えます。右京だけでよろしいですか?」
「いい」
「こういう時こそ、周りに気をつけて運転だな。よし、悠仁、帰るぞ。玖未ちゃん、泣けたらいいな」
「そうですね。解放されたと感じられればいいのですが…若がついておられるので大丈夫です」
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