42 / 284
仮定の真否 3
しおりを挟む
これは責任持って私がちゃんと説明しないといけない。
私が適当に諦めたりして済む問題じゃない、仕事のことだもの。
お茶をコクコクと飲んでから、よし…
「玖未、そんなに気合いを入れて頑張らなくても大丈夫だ。この世の中、一人で対処出来ることばかりでないから、こうして信頼出来る仲間や家族がいる。もう玖未も仲間入りはしてるから安心して、わかることだけ教えてくれたら助けてやれる」
「悠仁の言う通り。俺も一緒にお泊まりした仲だよ、玖未ちゃん」
「若をはじめ、私たちは玖未さんに対価を求めることなく協力すると約束できます。困っていても困っていなくても、何なりと伝えてください」
右京のお泊まりのクダリはよくわからないけれど、仲よくしてくれるのだろうか…対価は…
「…都合良すぎると…怖い…」
「ん」
悠仁は私をヒョイと持ち上げると、自分の膝に私を座らせて固定されていない左手を握る。何…?
「ん?手当て中」
「…そこは…何ともない」
「ほんとはぎゅうぎゅうと抱きしめたいが、ケガしてるだろ?だからこれでいい。心の手当てだ」
「…心?」
「怖いんだろ?これまでに嫌な対価を求められたりすると、今のこの状況は怖いのかもしれない。だが、玖未がこれまでに会った誰とも違う人間だ…俺たちは。しかも俺の墨の意味も伝えただろ?何度でも伝える。玖未は俺の唯一。これまでにあった嫌なことは二度と起こらないし…万が一、今も何か嫌なことを求められているのなら即、絶ちきってやる」
信じてもいいのだろうか…頼ってもいいのだろうか…
「これまで‘どうしようか?’と悩んだ時、一人で頑張ったか諦めた…玖未の目を見てるとそう思う」
そんなことが悠仁には分かるの?
「本来はそこに、人に頼る、任せるという楽な選択肢があっていい」
「…そんなの…誰もが出来ることじゃない…」
「そうだ。だが、今の玖未はそれが出来る。これからずっと、毎日ずっとそれが出来る」
この人は…お父さんともあの人とも違うんだ。
それに……別に今さら失うものはない。
私が適当に諦めたりして済む問題じゃない、仕事のことだもの。
お茶をコクコクと飲んでから、よし…
「玖未、そんなに気合いを入れて頑張らなくても大丈夫だ。この世の中、一人で対処出来ることばかりでないから、こうして信頼出来る仲間や家族がいる。もう玖未も仲間入りはしてるから安心して、わかることだけ教えてくれたら助けてやれる」
「悠仁の言う通り。俺も一緒にお泊まりした仲だよ、玖未ちゃん」
「若をはじめ、私たちは玖未さんに対価を求めることなく協力すると約束できます。困っていても困っていなくても、何なりと伝えてください」
右京のお泊まりのクダリはよくわからないけれど、仲よくしてくれるのだろうか…対価は…
「…都合良すぎると…怖い…」
「ん」
悠仁は私をヒョイと持ち上げると、自分の膝に私を座らせて固定されていない左手を握る。何…?
「ん?手当て中」
「…そこは…何ともない」
「ほんとはぎゅうぎゅうと抱きしめたいが、ケガしてるだろ?だからこれでいい。心の手当てだ」
「…心?」
「怖いんだろ?これまでに嫌な対価を求められたりすると、今のこの状況は怖いのかもしれない。だが、玖未がこれまでに会った誰とも違う人間だ…俺たちは。しかも俺の墨の意味も伝えただろ?何度でも伝える。玖未は俺の唯一。これまでにあった嫌なことは二度と起こらないし…万が一、今も何か嫌なことを求められているのなら即、絶ちきってやる」
信じてもいいのだろうか…頼ってもいいのだろうか…
「これまで‘どうしようか?’と悩んだ時、一人で頑張ったか諦めた…玖未の目を見てるとそう思う」
そんなことが悠仁には分かるの?
「本来はそこに、人に頼る、任せるという楽な選択肢があっていい」
「…そんなの…誰もが出来ることじゃない…」
「そうだ。だが、今の玖未はそれが出来る。これからずっと、毎日ずっとそれが出来る」
この人は…お父さんともあの人とも違うんだ。
それに……別に今さら失うものはない。
110
お気に入りに追加
260
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる