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15.5話:イケメン冒険者さんの事情〜バルドSide〜②

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~バルドside~

「おはようございます」
「おーおはよう」

カオルより先に起きた俺は顔を拭いていたので仮面を外していた。
ちょうどその時にカオルが起きてきたので遊び半分で仮面を外したままの顔を晒す。

俺の顔を見て固まるカオルを見て流石にやりすぎたな。と反省したのだが…

「仮面外して驚かしてやろうと思ったのに反応薄いな。何か考えごとか?」
「え?あ…すみません。やっぱりカッコよかったんだなって…」

思いもよらぬ返答に逆に俺が驚いて固まってしまった。
カオルは本当にこの顔の事をカッコいいと思っているのか…嬉しくてガシガシと頭を撫でてしまう。

するとカオルは何か急に俺の方をじっと見つめてきたので「どうした?」と声をかけると「挨拶をしてなかった」と訳のわからん事を言い出した。
挨拶ならさっきしたはずだが?

「ん?挨拶って………っつ!!?」

カオルからの突然キス。
柔らかい唇がそっと触れる…

言いたい事が山程あるが驚きすぎて言葉にできない…

「お、お前なんでキスなんか…」
「え?挨拶のキスですよ?」

挨拶のキス!?
そんなもの今まで誰にもされた事ないぞ!
ましてや俺みたいな醜い奴にキスなんて…

「挨拶のキス……それいつもやってんのか?」
「はい…それがこの世界の普通の挨拶だって教えられて…もしかして違うんですか?」

これは奴隷時代に教えられていたのか…
カオルはこの土地や国の事など知らない事が多い。
それに俺の顔を怖がらない事も考えると、カオルは俺達のような醜い奴に監禁されて外の世界に出されていないのだろう。

それにしても挨拶がキスなんて…
絶対そいつがカオルとキスしたいだけのデマだとは思う。
…だが、地域によっては様々な習慣がある。もしかしたら『挨拶のキス』は本当にあるのかもしれない…
挨拶のキスなんてこの国では誰もやってないと訂正してやった方がいいとは思うが…

「………いや。違わない。でも挨拶のキスは誰でもかれでもするもんじゃないと思うぞ」

キスをする事は否定せずに誰にでもするなと釘をさしておく事にした。
もしかしたら俺の知らない地域の文化かもしれないので、全否定するのはやめておこうと思ったまでだ。

それにカオルからの挨拶のキスは…とても良かった。
不意打ちすぎて俺もちゃんと挨拶のキスができていないのは失礼だよな。
うん。よし…もう一回だ…

「あの…その…なんだ…。もう一回挨拶のキスをしてもいいか?」

そう言うとカオルは嬉しそうにキスをしてくれ、ふにふにとした柔らかい唇が再び俺に触れる。
…これはヤバイ。癖になる。

俺のような醜い奴はキスなんてそうそう出来ない。『挨拶のキス』を教えた奴を憎む反面その気持ちも理解できてしまう…

罪悪感が残るがカオルは何故か嬉しそうにしていたので、これで良かったんだと自分に言い聞かせた。


それから朝食を済ませ準備をしてカオルと一緒に村へ向かっていく。
最初は元気だったカオルも途中からは疲れた様子を見せたので休憩を多めに取りながら進む。

本当ならば村に着いている予定だが、今日は無理せずにもう一日野宿をする事にした。

カオルと過ごす最後の夜…。
短い旅も明日で終わりなんだと思うと寂しくなる。
食事を終えたカオルは歩き疲れたのか俺の隣でウトウトとしだす。
無防備な姿がとても可愛い。
本当はもっと一緒にいたかったがテントで休むように声をかけてやると寝惚け眼で俺を見つめ、ちゅっとおやすみのキスをしてくれる。

俺もテントの周囲に獣避けの結界を張り一緒に休む事にした。
カオルはすでに眠っていて小さな寝息が聞こえてくる。

「ほんと…かわいいな…」

薄暗いテントの中で寝顔を見ながらそっとカオルの頬を撫でた。

しばらくするとカオルがモゴモゴと呻めきだしたので、どうかしたのかと思いカオルの顔を覗き込むとガバっと抱きしめられる。

「お、おいカオル!?」
「ん…ゴン~……」

カオルは誰かの名前を呼びながら俺を抱きしめ頬擦りしてくる。
カオルに抱きしめられその柔らかな体に触れると、今まで抑えてきた欲望が顔を出し俺もカオルを抱きしめてしまう。
近くに見えるカオルの唇を見るとどうしてもキスをしたくなって…

そっと俺からキスをする。

カオルは俺のキスにふにゃりと笑い「くすぐったいょ~」と寝言を言ってくる。
キスをしても起きない事をいいことにカオルに覆い被さり何度もキスをした。

何やってるんだよ俺…。
最低なことをしていると分かっているが止められない…

しばらくカオルとのキスを堪能していると、カオルは下半身をモジモジと動かしだし俺の足に股間を擦りつけてくる。

「なっ!?」

カオルを起こすか迷ったがこの状態で起こしてしまうと俺が何かしていたのがバレてしまう…
俺はそのままカオルの行為を受け入れる事にした。

「んっ…んっ…」

カオルは勃ったモノを気持ち良さそうに俺の太ももに擦り付けてくる。
そんな姿を見せつけられれば俺の理性も徐々に崩壊してくるわけで…
可愛く喘ぐカオルの唇にキスをして舌を入れると嬉しそうに舌を絡ませてくる。

カオルとの深いキスに喜ぶ反面、『ゴン』と呼んでいた男と思われながらキスをしているのかと思うと複雑な心境だ…

くちゅくちゅと舌を絡ませ互いの唾液を混ぜながらキスをしていると

「んぁ…ゴン…もぅだめだって…」

またそいつか…
俺は『ゴン』に嫉妬しながらキスを続け俺の太ももに擦り付けているカオルの股間にそっと手を伸ばす。

服越しにカオルの勃ち上がったモノへと手を添えると今度は俺の手にグイグイと腰を擦り寄せてくる。

「んぁ…ふぁ…んっ…ぁ…」

カオルのモノを包み込むように握ってやれば腰を振るスピードも上がり可愛い喘ぎ声も漏れだす。

「あぁ…カオル可愛ぃ…」

グリグリグリと俺の手に擦り付けていた腰が止まりピクピクッと体を震わせたのを見てカオルがイッたのが分かった。
ハフハフと息をするカオルの頭を撫で最後に優しくキスをする。


さてさて…濡れているカオルの下着を替えてやりたいが、さすがに着替えさせれば起きてしまうよな…。

カオル………すまん。


翌朝、俺はカオルより先に起きてテントの外で出発の準備しているとカオルが起きた気配がする。
起きてすぐ異変に気付いたのかゴソゴソと着替えをしているカオルに申し訳ないと心の中で何度も謝った。
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